第4話。ココロ街へと到着した変わった家族。
人の集団に鉢合わせしないよう慎重に行動をしたわ。
もしもアーサーが人前に出たら必ず「魔物」として。
討伐対象になるのは明らかに目に見えてるわ。
そうはさせない。私が痛めた子を無惨に討伐とか。
あの4組パーティーに嘘の情報を流してあけだ。
人を今まで騙した事をなかった、私なのに……。
街に入るにはアーサーに鎧を着せるのも有りね。
アンナ家族は慎重に行動をしていた。人影が目に入れば、真っ先にアーサーを待機させてアンナが応対する。それを何時間も同じように繰り返す。
平原を数時間ぐらい歩いた所でようやく街が見えてきた。結構な大きな都市でもあった。
アンナは周りを見渡し平原の1マイル先に森を見つける。先に森に寄ってアーサーを待機させる。
「いいわね、アーサー、ここで待ってるのよ?」
「ワカッタ!マーマ、ぉれ!待ッ!」
「リオラの事は任せたわよ、アーサー」
アンナは森から出て街を目指す、夫も見つけたいアンナであったが先に鎧を揃える事にした。
これはアーサーの鎧を揃える為である。幸いアーサーはまだ5歳のオークだ。人間の大人の鎧が合うだろうとアンナは考えていた。
城壁の城門まで到着したアンナは冒険者ランクのカードを見せる。
門番は驚いた表情になり頭を深く下げて通す。
「Aランクのアンナ様でしたか!お通りください」
「ありがとう、それとオークを見かけたら、私に報告してくれるかしら?私は防具屋に居るわ」
「分かりました!必ず報告を致します!」
アンナは防具屋へと急ぐ。もしも森にオークが発見される事になれば一大事だからだ。
防具屋に到着したアンナは扉を開けて中にはいる。
すると3人組の若い男女が何やら防具を見ていた。声が聞こえてくる「ココ!これなら魔道士ぽくないかい?」「う、うん、私は何でも……いいよ」「お前は、いつも小声だよなぁ」
店長が店の奥から顔を出す「よぉ!アンナじゃねえか?どうしたんだ?」
「久しぶりね、防具が欲しいの、大人が着れる防具が欲しいかしら」
「それなら、入荷したばかりの、この鎧はどうだ?」
店長はアーマープレート一式をアンナの前に持ってくる。基本中の基本防具でもあった。
アンナはアーマープレートを触って調べる。頷き喜ぶ。アンナは店長に追加注文をお願いする。
「あと顔を隠せるヘルムも欲しいかしら」
「おっ、直撃を回避する為だな?待ってろ、確か……ここに……あったぞ!」
「これなら?アンナ、全ての顔を覆い被せるぞ」
「これは!?ドワーフ族のヘルムね!」
それはドワーフ族のヘルムであった。
そのヘルムは顔を全て保護出来るようになっていた。そして顔型面ハウススカルになっていた。
そのハウススカルは人顔の少し不気味な型になっていた。
アンナはこのヘルムはアーサーにピッタリだと心の中で喜ぶのであった。店長に会計を払う。
「ありがとう、店長、また来るわね」
「おうよ!アンナ、いつでも来な!」
店長はヘルムと鎧を運び易いようにアンナに手渡す。アンナは防具屋を後にしてから走って2人の所に戻るのであった。
その頃、アンナの帰りを待っていた。アーサーとリオラは森の外を眺めていた。リオラは目を覚ましオンブから下りていた。
「に〜に、ママ〜おそいねぇ〜」
「ダイジョウダ!モッドでくる!」
アーサーとリオラは手を繋いでいた。リオラにとってアーサーの手は大きな手である。アーサーの小指を握る。リオラ。
すると前方にアンナの姿が2人を見つけるのである。アーサー!リオラ!と叫ぶ。アンナ。
「ごめんなさいね、アーサーの鎧を用意してたの」
「ぉれ?ヨロイ!マーマ、アリガトー!」
「アーサー、これを着てみなさい、合うはずよ」
アーサーはアーマープレートを装着する。両足、両手。最後に胴体だ。そしてハウススカル付きヘルムを被る。
それを見たリオラは瞳をキラキラさせる。
「にーに!かっこいい〜!」
「アリガトーリぉラ!」
「うん!これなら大丈夫そうね、アーサー!」
「それじゃ、街に向かうわよ!2人とも!」
アーサー&リオラ「オー!お〜!」
こうしてパパを探すべく街へ!
第5話。冒険者ギルド本部へ。