ループ世界の中での変化
こんな世界に巻き込まれたら、自分はどれくらいで発狂するだろうか。
「終わり。 はい、降りてー。 ……はい、次の生徒ー」
「ん? んんん??」
ここは前世に通っていたより豪華で設備も良い学園。
私は高3でちょっとした事故で死んだはずだった。
のに、目覚めたら前世の日本と全く変わらないけど、前世の日本より問題が少ない、まるで理想的な“優しい国日本”みたいな日本に居た。
その理想の日本での私は前世の日本で言うクラスの上から5番目位の美少女顔をしていて、あと数日で小金持ちの家庭が通いそうな高校にあたる学園の入学式を迎える新入生になっていた。
体のラインは少し薄くて「くっ!」と言いたくなる程じゃなくとも残念なのだけど、容姿自体はかなり上位で強いじゃん! しかも制服が漫画やアニメ・ゲームに出てくるみたいなデザインで、野暮ったくなくて可愛いし最高じゃん!
と浮かれていたけど、実際に入学したら私以上の容姿をした女子が“各クラス”に十数人はズラッといる魔境に愕然としたり、学生アイドルを育成する部門がある学園がどこにでもある世界なんて言う前世では考えられない事に驚いたのは懐かしい思い出。
そこから前世みたいに……いや、前世より優しい学園でギスったりイジメとかに遭遇したり等のトラブルもなく幸せで平凡に過ぎて、こんな生活をあと2年は繰り返せる事に、のほほんとしていた私はバカだった。
今日でこの日本に来て丁度1年か〜なんて暢気にカレンダーを確認したら、1年前に戻っていた。
新年だからと買い替えて捨てたはずのカレンダーが部屋の壁に貼られていたら、そりゃあパニックを起こすだろう。 絶叫するだろう。
1年間がループしている。 なんてトンデモなオカルト体験なんか出来るものじゃない。
それでも何とか心を落ち着けて、また1年生を1年間やるかあ。 なんて腹を括って(気分的に)再入学。
そして入学してすぐやるのは、身体検査。
ここで冒頭に戻る。
「え? “去年”の冬に測った3サイズのまま? アンダーの数字も増えてるから、単純に太ったでもないの?」
邪魔にならないよう学園の廊下の隅に移動して、改めて計測値を確認して漏れた言葉。
去年と言うのはもちろん私の前世ではなくて、今世で無かったことになった1年間のこと。
「え? 体の厚みが少し薄くて残念と思ってたけど、体の成長は引き継がれるの? ここはどんな世界なの?」
と言葉では理解不能な状況に恐怖して混乱しているように聞こえるが、内心は
(これ、8年とか9年とかループすれば、グラビアアイドルも真っ青な体になれるのでは? 容姿だって前世の私より良いのは確実なんだし)
なんて強烈に浮かれていたのは、絶対に秘密である。
なお、本当に8年9年繰り返す頃には、大きめだけど上は結構いる程度で止まってしまって、かなりがっかりした模様。
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はい。 自分は未プレイだけど、学〇スネタのリスペクトです。
ゲーム世界の時間は進んでないのにキャラクターのサイズが成長していると騒がれたネタで、モブも便乗させたれ! ってネタで1つ書いてみようとなりました。