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火星人女二人の写真を撮りまくっていたマーモット橙木がカメラから手を放し、両手を高々と上げて臨戦態勢を取った。
「さて、火星人の女たち。ユーたちは何しに地球へ⁉」
真剣なマーモット橙木に後ろからトナカイ上杉が
「橙木、お前信じてるのか?」
とあきれ声で聞いた。
「上杉さん黙ってて!今、地球の危機だから!」
マーモット橙木はじりじりと女たちとの距離を詰めた。
「ふふふ。橙木さん。あなたは地球の危機とおっしゃったわ。私たちを火星からの侵略者だと思っているのね」
メーナカは妖しい笑みを作って小指で自分の唇を撫でた。
「違うというのか。では何が目的だ⁉」
マーモット橙木が鬼気迫った声で聞くと、メーナカが何かを言うより早く
「旅行」
とラムーバが無表情で言い放った。
「ちょっとラムーバ。もっと勿体つけましょうよ」
メーナカが抗議すると、それが気に食わなかったのかラムーバは眉を寄せてむーっという顔をした。そして彼女は無言でメーナカの脇腹の肉をつまんでひねり上げた。
「痛いっ」
メーナカはラムーバから数歩逃げて地面にへたり込むと、
「見ての通り、私たちは仲良しよ」
とマーモット橙木に言った。
「そうか。仲良しの二人が旅行だったら地球に危険はないね」
「ないわ」
「じゃあ地球に来た記念に、一緒にBBQする?」
「する」
こうして自称火星人の二人も加わり、BBQは盛り上がった。彼女たちは華奢な見た目に反して、結構な量のビールをグビグビ飲み肉をバクバクと食べた。




