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紫垣はシャーロック・アキオの仮面が下半分を切り捨てたひょっとこのお面なのに気づき、ライブハウスの端っこで撮影中の相模国ヴィクトリアテレビのクルーに向かって
「この前のひょっとこ男ですよね?使い回しですか?」
と聞いた。
「予算的にしかたないのです。他の人だと高くついてしまうので」
ユナが言った。
「しかもひょっとこさん、マンネリ化しないようにと気を使って別のキャラを作って登場してくれました。今の私たちにとって本当にありがたい存在です」
ユナはシャーロック・アキオに向かって両手を合わせた。
シャーロック・アキオであるヒョッタキは、ポケットからパイプを取り出すと火もつけていないのに口にくわえて雰囲気をつくりながら
「もう一度言おう。犯人はこの中にいる」
とカモノハシ室井に言った。
「なんですって、この中に犯人が⁉」
カモノハシ室井が言い返す。
「そのとおりだ、怪人。地下アイドルのコンサートを乗っ取り、さらには彼女を悪の道に引き入れようとする犯人がこの中にいる」
シャーロック・アキオはパイプを口から外して推理を続けた。
「彼女はアイドルとして成功していないことに悩んでいた。だが今日のライブに限ってはお客が満員御礼だった。しかしそれが悪の組織による仕業だと見せつけられ、心を折られたのだ」
「だっ、誰がそんな恐ろしい犯行を?売れていない、売れない、売れないアイドルに⁉」
カモノハシ室井が動揺する。しかしそれ以上に被害者のアウロラが動揺していた。彼女は震え、自分の肩を抱きかかえながら
「なんでなんで、お前たちは追い打ちをかけるようにッ!傷口に塩を塗るような事を言うのかッ⁉」
と抗議した。




