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カモノハシ室井は曼陀羅図を見つめて
「いーっ⁉」
と叫んで仰向けに倒れて気を失った。
紫垣はカモノハシ室井に駆け寄って肩を揺らしたが反応は無かった。
ジェネラル鍋島が紫垣の横に来てカモノハシ室井に
「おーい、生きてるか?」
と聞くと、カモノハシ室井が小さな声で
「…生きる、ってなんですか?」
と聞き返してきた。
ジェネラル鍋島はニヤリとしながら全員に告げた。
「今週は黄瀬くんの作戦を採用。そして出撃する怪人は室井くんだね。来週、再来週は残りの作戦を順次やりましょう。細かいシナリオはいつも通り幹部三人と作るね。作戦の合間に小田原の海の家が人手不足だから交代で応援に行ってもらうのでそちらもよろしく。それと年一回の戦闘員現任研修が今年は藤沢であるから、紫垣くんからみんなに伝えておいて。じゃあ、その他何かあれば挙手で」
ジェネラル鍋島が怪人たちに投げかけると、トナカイ上杉から「食堂に旅行雑誌を置いて欲しいのですが」や、セイウチ三好の「屋上をビアガーデンにしませんか」などの意見が相次いであがった。
紫垣はマーモット橙木の横に行くと
「運営会議っていつもこうなの?」
と聞いた。
「うん、だいたいこんな感じ。今日は作戦が早々と決まったからかなりいい方だよ。しかも出撃する怪人まで速攻で決まったし。いつもだったらもっとつまんないテーマで長引くんだよ。好きなおでんの具が何かとか」
とマーモット橙木は肩をすくめて見せた。
「で、好きなおでんの具は何が人気あったの?」
「玉子と大根」
「案外普通なんだな」
紫垣とマーモット橙木は、旅行に行きたい場所や酒の話題で喧々諤々する総統や怪人たち、我関せずでルービックキューブを弄ぶ雨海を眺めながら、この会議が早く終わることを願ったのだった。




