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ユナに、釣り堀から追い出された小学生の男の子二人、黒田タカシと竹中シゲルが近づいてきた。
「ねえ、もう釣り出来ないの?」
タカシ少年が悲しそうな顔でユナに尋ねる。
ユナは屈んで彼らに目線を合わせると
「君たち。釣りならどこでもできる。ここはあきらめて、相模川にでも行きなさい」
と優しい笑顔で言った。
「はーい」
と肩を落として帰っていく小学生たちの背中にユナは
「危ない所には行かないようにね!」
と手を振った。
「あれ?いいのか?結局、ザリガニ養殖する方向で決定したの?」
ヒョッタキがポニー和田とユナを交互に見る。
戸惑うヒーローを尻目に、ポニー和田は倒れていた釣り堀管理人の杉本を起こして
「管理人さん、さっそくだがザリガニのエサを仕入れてきてくれたまえ」
と、杉本に仕事を言いつけた。
「誰が悪の組織の仕事なんか!」
「そう言うな。釣り堀の時よりもお給料をアップしようじゃないか」
「ポニーの旦那、ザリガニのエサでよろしかったですね?」
杉本は鼻歌を歌いながら自転車で買い出しに出かけた。
やることのなくなったヒョッタキは
「これもう戦わなくていい感じかな?」
とテレビクルーたちに聞いた。クルーたちも困り顔で
「そうみたいですね」「この流れで戦っても変な流れになっちゃいそうですし」
とヒーローに言った。
「うーん、なんだかなぁ…」
ヒョッタキは途方に暮れた。
戦闘員たちはずっと釣り堀の周りに転がったまま、スマホをいじくったり、昼寝をしたり、小声で雑談したり、各々の時間を過ごしているいる。
「本当に今日はいい天気だな」
寝転がったままの紫垣が空を見上げながら言った。
「綺麗ですよね、透き通った青。完璧な空」
赤嶺は隣にいる紫垣の横顔と美しい青空に目を細めるのだった。
《 第8話 あなたと完璧な空を おわり》




