8-4
翌日、海老名市内の釣り堀に、ニジヘビ団は出撃した。
「やめろぉ!ここはお年寄りから子供まで楽しめる、市民の交流の場所なんだ!」
釣り堀の管理人である杉本ヤモリ(70歳)が両手を広げ、釣り堀に悪の集団を入らせまいとささやかな抵抗をしている。
「そこをどけ。今日からこの釣り堀はニジヘビ団が占拠する。ザリガニを養殖して、神奈川県の名産品にするのだ」
ポニー和田が言った。
「なんですって!」
杉本は驚いた。
「ここの金魚やヘラブナたちはどうするのですか!」
「養鶏場に送って鶏の餌にしてやる!家畜のエサも地産地消だ!」
ポニー和田がその力強い足の蹄で大地をガリッガリッと掻いて杉本を威嚇した。
「紫垣主任、なんだか僕たち、わりとまっとうな商売をしているように思うのですが?」
赤嶺は小首をかしげながら紫垣に聞いた。
「ああ、悪だ正義だなんてのは、自分がどちらにいるかだけの問題なんじゃないかな。こっちの正義は向こうにとって悪だよ。うちは自分たちを悪だって宣言してるからシンプルでいい。正義の奴らも仕事しやすいだろう」
紫垣と赤嶺がこそこそ話している間にも作戦は進行した。
ポニー和田が
「蹄ポニーブロー!」
と蹄のボディ打ちで釣り堀管理人の杉本を気絶させる。続いて赤嶺が拡声器で
「この釣り堀は悪の組織のニジヘビ団が占拠しました。釣り客の皆様は、急いで退避してください。また、貸し出しの釣り竿はもとの場所にご返却ください。忘れ物の無いよう、もう一度お手回り品のご確認をよろしくお願いします」
と釣り堀の客たちに呼びかけた。他の戦闘員たちが釣り堀に散らばって客たちを釣り堀から追い出していく。




