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「神奈川県に名産品が無いってどういうことですか!あるじゃないですか、いっぱい!」
ユナの顔にははっきり怒りの色が示されていた。
「えー…名産品、ないじゃん」
ジェネラル鍋島が困り顔で言うと、怪人や戦闘員たちが口々に「シウマイ」「シウマイ」「シウマイ」と同じ品を口にした。
「他にもあんだろうがコラァ!シラスとかサンマーメンとか!ちゃんとしろやテメエら!」
ユナが嚙みつきそうな顔でニジヘビ団の団員たちを見回した。
マーモット橙木が恐る恐る手を挙げて
「…カマボコ?」
と答えるとユナは
「小田原のカマボコ、オッケーイ!他には?…他には?カモン!」
と手をクイクイしながら団員たちを煽った。
「やだ、あの人怖―い」
赤嶺は怯えて紫垣の腕にすり寄った。それに気が付いたらしい。
「そこの男の娘、神奈川県の名産物カモン!」
ユナに名指しされて、
「ええっ?あ、あの、箱根の黒タマゴ?」
と赤嶺がオロオロしながら答えた。
「黒タマゴ、オッケーイ!先に三崎のマグロが出ても良さそうなものですけれどねぇ!まあいいでしょう!みなさん、とうぜん横浜市歌はご存知ですよね⁉ではさっそく歌いましょう。わがひのもとはしまぐによー」
ローカル自治体ソングである横浜市歌を歌い始めたユナであったが、不意に目の前に現れた怪人のポニー和田(40歳)にボディブローを撃ち込まれて
「うっ!」
と気を失いその場に崩れ落ちた。




