第8話 あなたと完璧な空を
ニジヘビ団の会議室でいつもの作戦会議が行われていた。
「えー、今日の会議は相模国ヴィクトリアテレビの人たちも撮影で参加するから、みんなご承知おきくださーい」
ジェネラル鍋島が相変わらずの軽い調子で告知する。
「みなさんの会議のお邪魔は致しませんのでお許しください。前回のように、番組の尺に足りない時のために、戦闘の前段階として行われる会議を撮影させていただきます」
怪人や戦闘員に交じってテーブルに着いているユナが立ち上がって周りを見回しながら説明し、再び着席した。会議室の最後部からテレビカメラが会議の様子を撮影している。
「悪の組織なのにテレビ撮影が入るのっていいんですかね?」
赤嶺が隣に座っている紫垣に耳打ちするが
「さあね。そもそも悪の組織って会議するもんかな?こんなレジュメまで作って」
と紫垣はホチキス止めされた数枚の書類を眺めた。レジュメには『悪のザリガニ養殖で潤うじゃない?作戦』と表題が示されている。
「そういえば、この前お会いした雨海博士は作戦会議には出てないんですね」
「ああ、こっちの会議には滅多に出ないね。上の人たちだけの運営会議の方には出るみたいだけど。研究者だからこういう実務的なことは興味ないんじゃないかな」
紫垣と赤嶺は小声でこそこそと話しをする。その間にジェネラル鍋島の作戦の説明は始まっていた。
「今回の作戦は、海老名市の釣り堀を占拠してザリガニを養殖して、ザリガニ料理でぼろ儲けしようという作戦だよ。博士の作った変な薬品をザリガニに盛る予定だから、味が爆上がりで大ヒットすること間違いなしだ。名産品のない神奈川県にとってもありがたい話だろう」
ジェネラル鍋島の言葉に怪人や戦闘員たちが「おおー」と歓声を上げて拍手する。
しかしこれに対して
「ちょっと待った!聞き捨てなりません!」
とユナがテーブルにドンと両手をついて立ち上がった。




