第7話 お前もジビエ料理にしてやろうか
日曜日の朝、1階に下りた紫垣は食堂の入り口に見慣れない
『ニジヘビカフェ・アリス』
という手作りの看板を発見した。
「なんだこれ?」
紫垣が不思議に思いつつ食堂に入る。食堂には怪人や戦闘員たち、さらには日曜日だというのに事務員の高岡タカコまでそろっている。ジェネラル鍋島と雨海博士だけはここにいなかった。
「いらっしゃいませ、ご主人様」
メイド姿の赤嶺が紫垣を出迎えた。
「ええ⁉俺たちの時はご主人様とか言わなかったじゃん」
黄瀬が不服を言うのに
「そうでしたっけ?まあ、紫垣主任だけ特別ってことで」
と赤嶺は悪びれなかった。
紫垣は空いている席に座ると
「コーヒー」
と食堂の変化をすんなり受け入れた。
「ここをカフェとして使わせてもらうの、きちんと総統の許可を頂きました。ヒーローから時間切れ勝利を勝ち取ったご褒美なんです。コーヒー、かしこまりです」
赤嶺はかいがいしく注文を取った。
「あんたは物事に動じないというか気にしないというか。食堂がいきなりカフェになってて驚かないの?」
タカコが紫垣の無頓着ぶりを指摘する。
「驚いてますよ。でも、まあいいんじゃないですか?」
「まあいいけどね。人に淹れてもらうコーヒー美味しいし。私もメイド服着ようかしら。おばさんだからダメ?」
「そんなことないですよ。似合うんじゃないですか」
二人の会話にトナカイ上杉が、
「タカコさん、いい歳なんだからやめときなって」
と冷やかしを入れると
「てめえ、ジビエ料理にしてやんぞ!」
タカコが鬼の形相を見せた。




