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「いただきまーす」
青島が焼き魚の腹にかぶりつく。少年たちは引き気味にそれを眺めながら小声で言葉を交わした。
「シゲル、大丈夫だろうか?」
「自分で大丈夫と言っているんだから。きっと内臓がドブなんだろう」
「内臓がドブ!…やだ、僕にもついちゃう」
タカシ少年はまるで自分に汚れがついてしまったかのような錯覚を受けて自らの袖や腹をパンパンとはたいた。慌ててシゲル少年が
「タカシ、大丈夫だよ」
と友人の肩に優しく手を置いた。
「おお!小骨が多いけど、食べれる食べれる!」
青島は笑いながら魚を平らげた。
「青島さん。魚おいしかったですか?」
緑川が尋ねると
「うーん、ちょっと臭い。美味しくはないね」
と青島は言った。
ニジヘビ団一行は焚火を片付けて河原を後にした。振り返ると少年二人がもう釣りを止めて石を投げて水面の水切りを競っている。
「僕らにもあんな時代があったんですよね」
黄瀬が言った。
走り去っていくニジヘビ団の車を野良猫が見送る。野良猫は彼らがうっかり落っことしていったブルーギルの頭と骨があるのを見つけて、クンクンとにおいを嗅ぎ、食べ始めた。お腹がいっぱいになった野良猫はお日様の当たる芝生でお昼寝した。向こうでは少年たちが水切りの成果で歓声を上げている。穏やかな日曜日の午後だった。
《 第17話 お墓参りと相模川の水質 おわり 》




