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アウロラが花壇に向かってしゃがみこんで花を優しく手で包んで見つめ、歌を口ずさむ。その向こうではヒーローを悪の組織が取り囲んでいる。戦闘を背景にアウロラを撮影する為、黄瀬は少し離れた場所に脚立を建てて登り、スマホを構えた。緑川は脚立を支えて黄瀬の安全を確保した。
相模国ヴィクトリアテレビのクルーたちは彼らの活動を撮影しながら
「どこに焦点を合わせたらいいんだ?」「テーマがつかめない」「とりあえず戦いだけ撮っておこう」
等とつぶやきあった。
「もう何が何だかわからんぞ。だが、悪の組織を制圧するのはヒーローの勤めだ!」
竹本マリオネットは自分が手にした人形を見つめ
「いくぞ、ケンビシ!」
と話しかけた。そして竹本マリオネットの操作によって人形のケンビシが首をカクカク動かして
「まかせとけ、たけもと!」
と裏声で応える。
「何だかわからんのはそちらも同じだろう。みんな、かかれ」
ダチョウ水谷が戦闘員たちに号令した。
戦闘再開で、まず最初に武器を取り出したのは青島だった。
「青島さん、それは?」
紫垣が尋ねる。青島は手に奇妙なヌンチャクを持っていた。そのヌンチャクが奇妙である理由は、両方の柄の末端にテニスボールが取り付けられているからだ。
「紫垣ちゃん、これ使用許可取ったんだよ。普通のヌンチャク持っていったら危ないからダメだって言われたけど、先端にテニスボールくっつけて打撃性を緩和したらオッケーだったよ。安全性が確保されたんだってさ」
青島はニヤリとしてヌンチャクを振り回し始めた。
赤嶺は目を丸くした。
「それくらいで安全性確保なんてガバガバだ。それにヌンチャクって簡単に使えるようなものじゃ…」
赤嶺の心配は的中した。青島はヌンチャクを扱い損ね、自らの背中をそれで強打したのだ。
「ぎゃあぁッ!」
青島は悲鳴を上げて倒れた。




