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15-3

そのころ、黄瀬と赤嶺は近隣のショッピングモールにカフェの買い出しに来ていた。

「なんか黄瀬くんとデートしてるみたい」

とカートを押している赤嶺が、隣を歩く黄瀬を見てくすくす笑った。黄瀬は両手に大袋を下げている。

「紫垣さんじゃなくて残念だね」

「うん。僕もエリイちゃんじゃなくてごめんね」

赤嶺はスマホを開いて

「あとは、カレーのスパイスと隠し味のチョコレートと…」

と買い物リストを確認する。ショッピングモール内のスーパーマーケットであらかた買い物を終えた二人は大量の荷物を持って専門店の並ぶフロアーを横切り駐車場に向かった。

カートを押す赤嶺の肘を、横からチョイチョイ、女がつついた。

「ん?…あ、カレンちゃん」

それはセイレネスのカレンだった。後ろにトウコとサクラも揃っている。

「わー、すごい。よく会うね!」

「メイド服だからすぐわかったわ。今日はデート?って王子様じゃないわね」

カレンがちらりと黄瀬を見て赤嶺に尋ねる。

「お仕事の買い出し。王子様は今、市役所でセイウチショー見てる」

「そうなの。…ああ、あなた確か、エリイの」

大磯の漁港で受けた屈辱を思い出しカレンは苦い顔をした。

「いやいや、君たちのことも応援してるって!」

黄瀬が慌ててフォローする。

「別にいいわよ。それに失礼なこと言ったのはアリスの王子様だしね」

トウコが言うと

「アリス?」

黄瀬が首をひねるのに赤嶺が照れ隠しのように頬を指先で撫でながら

「僕の偽名」

と答えた。

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