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15-2

その様子を紫垣と緑川は傍聴席から眺めていた。二人以外は一般の人たちで傍聴席は埋まっている。史上初の怪人市長の注目度は高く、紫垣と緑川以外の他のニジヘビ団団員たちは席を取れなかったのだ。

「簡単にはいかなそうだなぁ」

紫垣が指先で頬を撫でながら言うと

「三好さんが市長になったとはいえ議会制民主主義だし。独裁ってわけにはいかないですよ」

と緑川が答えた。

「やっぱり市議もうちの組織で固めたらいいんじゃないかな」

「紫垣くん簡単に言うけど、それこそ俺たちも立候補させられる羽目になっちゃいますよ」

「だったらダメだな。俺、ああいうの苦手」

「うわっ、すげえ勝手」

二人が雑談する間にも、議場では追いかけっこの末、セイウチ三好がベアトリクスを正面から捕まえサバ折のような格好になっていた。

「放しなさい、このセイウチ!あっ、ちょっと待って、こんな、みんな見ている前で…こんな、青春みたいな…」

「もっと強く!お前を抱きしめてやる!」

セイウチ三好はベアトリクスを捉えている腕に、もう少しだけ、力を込めた。

「すてき!ああ…雨の桜木町!恋の桜木町!」

ベアトリクスが叫ぶ。彼女の頬が赤く染まった。

傍聴席に居た幼い女の子の目を、隣に座るお母さんの優しい手がそっとふさいだ。

「子供にはまだ早い。ロックが過ぎるぜ」

緑川がニヤリとする。

紫垣は頬や顎を指先で撫でながら何も事が進まない地方議会をただ眺めているのだった。

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