第15話 愛はウェポン
Z市市役所、市議会。
「Z市のさらなる発展のためには悪の組織の健全な経営が不可欠であり、悪の組織武器使用許可条例を制定することが急務であると考えるのであります!」
壇上のセイウチ三好が力強く宣言すると、議場から
「悪の組織を有利にする条例なんて馬鹿げている!」「市長は自分の所属団体に忖度しているんじゃないですか⁉」
など市議たちから非難が続出した。そしてこれらの反対意見を締めくくったのは市議・別所ベアトリクス(30歳)の
「市長は義務教育に力を入れるとの公約をおっしゃられていましたが、悪の組織に武器の使用を許可することは青少年の健全な育成に反しているのではないでしょうか⁉」
という赤嶺がでまかせで言った公約への指摘だった。
セイウチ三好は演台にドンッ!と両手をつくと
「海に出ればシャチもサメもトドもいるんだ!人間社会だって一緒だ。大人になって社会に出るということは、そこで生き抜く強さを持っていなくてはいけない。あなたたちは子供を生ぬるい教育で育てるのか。私は子供たちに教えるつもりだ。世の中には悪意も危険もあり、その中で君たちは戦わねばならないことを。おままごとは終わりだ。若者よ、武器を手に!」
そう言ってセイウチ三好が右腕を突き上げる。
怒号が飛び交い議会は紛糾した。
「市長のおっしゃることは無茶苦茶です!やっぱりセイウチには無理なんです!」
ベアトリクスが叫ぶ。
「黙れーッ!ぶん殴ってやる!」
セイウチ三好は怒って腕を振り上げ市議たちを追いかけ、市議たちは悲鳴を上げながら議場を逃げ惑った。




