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紫垣が言葉による攻撃を続ける。
「なるほど。確かに江里口エリイは戦闘は得意じゃないようだったね。だけど彼女には別の才能があったわけだ。セイレネスを脱退した彼女は今、別の場所で活躍している。そこは君たちも目指している場所じゃないのかな?それとも、もう諦めたのかな?」
紫垣は少しアゴを上げて、セイレネスの三人を冷たい目で見つめた。
これに思わず黄瀬が、
「紫垣さんやめてくれ!彼女たちも頑張ってる!歌もダンスもそれなりに上手だし…まだそんなに有名じゃないけど、地道に頑張ってるんだよ!」
と悲鳴のような声でセイレネスを擁護した。しかし紫垣の攻撃は止まらなかった。
「黄瀬!彼女たちに教えてあげろ。お前がこの後行く予定の、横浜で開催される、素晴らしいコンサートを!」
紫垣の言葉に、黄瀬は
「うう…ごめん。ごめんよ」
とセイレネス達に対する申し訳なさに顔を歪ませながら、ポケットからスマホを取り出した。
スマホのディスプレイには
《江里口エリイS4全国ライブツアー エリイズム・ファーストシーズンin横浜》
と電子チケットが表示されていた。
「江里口エリイは横浜でやるそうだ。そこそこの規模のハコらしい。ところで君たちの次のコンサートはどこだったかな?いや、言い直そう。次のドサ回りはどこだね?まさか大磯あたりの漁港かな?」




