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「カフェ・ロワイヤルというブランデーコーヒーです。香りをお楽しみください」
赤嶺は丁寧に説明を加えた。
「ちょっと待って。僕たちの時とクオリティーが違うんだけど」
黄瀬が抗議すると
「そんなことありませんよ。気のせいです」
と赤嶺はおすまし顔で言い返しつつ、お盆を抱きかかえて紫垣の反応を待った。
「おいしいね」
期待した感想が紫垣からもたらされると赤嶺は満足そうに笑顔を見せた。
「ところで、今日の運営会議はどうでした?武器の使用は?」
と緑川が紫垣に聞いた。
「ああ、それなんだけど。…赤嶺、選挙のウグイス嬢をお願いできる?」
赤嶺と緑川と黄瀬が思わず視線を交わす。
「選挙のウグイス嬢?」
赤嶺が尋ね返した。
「うん。誰々に清き一票をー、とかマイクで言う、あのウグイス嬢」
「わかりました。ついに紫垣主任が大統領選挙に立候補するのですね。お望みとあらばウグイス嬢でも、大統領夫人にでも、なります。なってみせます!えへへ」
赤嶺が照れながら力を込めて宣言する。
「赤嶺、日本は大統領制じゃないぞ。ちゃんと学校行ってるか?」
緑川はいろいろ心配になった。
赤嶺の散らかりぶりに紫垣は「ふふふ」と笑いながら
「いや、俺じゃないんだ。三好さんが今度の市長選に出ることになったんだ」
とむこうのテーブルにいる怪人を指差した。




