13 生きて帰ること
「今回の目的は、ここソールからマディスまでの食料物資の輸送です。事前に毎年使用しているマップをお配りしていますので、そちらを参考に順路を決定して下さい。早いことに越したことはありませんが…今回はまず、ハンターとしての実情を知ることと」
指導員は一息おいて、続けた。
「生きて任務を成功することを第一にして下さい」
「「「はい」」」
全員生きてマディスに着く、それが絶対にして唯一の成し遂げないといけない項目であった。
先輩ハンターが秘密だよと言っていたが、食料物資の運搬というのももし何かがあった時に食う物に困らないようにしていると言っていた。
十日過ぎてもマディスに到着していないようであれば、ハンターが派遣されるそうなので何かあれば生存することを第一にしなさいと釘も刺された。
「相変わらず太陽はあちいな…」
「そうだね、けど少しでも距離を進めておきたいからね」
「あんたらーおねえさんと手を話したらあかんでー!」
「こ、こんにちは…えっと」
「明香、アスカで良いよ。スワナレちゃんだよね」
妹達と同じ程度の身長と受け答えのため、多分九歳前後だろう私の今回の相方のスワナレに目線を合わして自己紹介をする。
「は、はい…そう、です」
いつも目線を下にし、周りの子と馴染めずおどおどしている彼女は緑がかった髪を後ろでふんわりとひとつ結びにし、服の端をモジモジと弄っていたが、覚悟を決めたように上を向き、声をあげる。
「あ、足引っ張らないように頑張りますので、よ、よろしくお願いしまちゅ」
盛大に噛んだのが恥ずかしいのか、うぅ〜と泣きそうな声でまたそのガラスのように綺麗な瞳が隠れてしまう。
「足を引っ張るなんてとんでもない…よろしくね、スワナレ」
手を差し出せば、ぱぁっと花が咲くような笑みでその手を握ってくれた。
「よーし、お前ら進むけどなしんどい時やお手洗い行きたくなったら躊躇なく言えよ!わかったな!」
相方の男の子を肩車し、先頭に立つ予定のライトーニアが叫ぶ。
子供達は、はーいと元気な声で返事をした。
「それでは、門を開放します。皆、頑張ってきてね」
初日に入ってきて以降見ることすらなかった扉がゆっくりと開き、指導員や先輩ハンターに見送られながら私達はソールを後にする。
「最終試験スタートってとこかしら?」




