Re:プロローグ
始めましての方は初めまして。
出来るだけ毎日更新していきます。
文章が拙い部分は休みの日などに適宜更新していくつもりです。
頑張って書いていくので、どうか応援よろしくお願いします。
新しい朝が来た、肥溜めみたいな朝が。
――ジリリリリリ。
オレは耳障りな目覚ましのアラームをすぐに切って、布団からゆっくりと起き上がる。
そして寝ているすぐ隣に高く積み上がったペットボトルとコンビニ弁当の山の中から飲みかけのカフェラテを引っ張り出して口に含んだ。
「……はぁ」
寝起きでぼやけた視界が一気に鮮明になる。
「本当なら目覚めの一発は酒が良いんだけど、そこまでいったら廃人だな」
なんてしょうもない事を考えながら立ち上がり、壁に干してある作業着へと向かった。
ハンガーから外して、その場でそれに着替える。
着替えが終わると次はテーブルの上に常備してある煙草の箱から煙草を一本取り出して火を付けた。
そのままキッチンに移動し、換気扇を回して一服する。
フィルターギリギリまで朝の一服を楽しんだ後、目線を玄関へと移す。
「……そろそろ行くか」
朝のルーティンを終えて、いつもの様に出勤する筈だった。
▽ ▽ ▽
「……は?」
そこで見た景色はいつもの場所とは全く違うものだった。
見渡す限り幾重にも続く大理石で出来た広い回廊。
ステンドグラスで彩られた窓からは様々な色の光が燦々と煌きを放って降り注いでいる。
天井に目をやるとそこには天使や筋骨隆々の男達……迫力あるドラゴン等が写実的に描かれていた。
「すげぇ……」
そんな立派な回廊と何故か繋がったオレの家の玄関のドアの少し先には、こちらに向かって何やら祈りを捧げている聖職者の恰好をした人間達とその隣に奇妙ないで立ちをした女の姿が見えた。
「てか、なんだアイツら?」
……特にあの女、気になるな。
切れ長の目にダークブラウンの瞳、色白の肌で整った顔立ち……顔は正直可愛い。
腰まで伸びた黒と赤の……メッシュヘアってやつか?最近の若者には流行ってるよな、ああいうの。
それにしても、なんだあの破廉恥な格好。
黒と銀を基調としている鎧だがあまりにペラペラな上、胸元やら太腿が大胆に露出してやがる!
彼女のスタイルも相まって、直球にエロスを感じる。
そしてそんなよく分からない謎のコスプレ集団はドアの中にいるオレの存在に気が付いた途端に大きな声を上げた。
「おお!勇者様がご降臨なされたぞ!」「勇者様!」
「……ちょっとタンマ」
……オレは歓喜に溢れる変人達の様子を数秒程見つめて、そっと玄関のドアを閉めて鍵をかけた。
「ちょ!勇者様!!!」
「ワッツ?……オレは夢でも見ているのか?」
オレはドアの奥から未だに聞こえてくる声を無視してそう呟いた。
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