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ゆうめいなおに

お読みいただきありがとうございます

後書きでちょっと遊んでます

ねえ、皆は都市伝説とか妖怪とかって詳しい?

僕はそんなに詳しくないんだ、メリーさんと他に何種類かくらいしか知らない

でもさぁそんな知識の少ない僕の前に明らかにそれって解るのがいるんだよ

「なお」と学校からの帰り道で遭遇したんだ


「ネエワタシキレイ?」


いやぁ有名どころだよね、どう考えてもこれってあれだよねマスクしてるし

僕は臨戦態勢を取りつつも返答してみる


「ん~いまいちかな、素材は良いのに服装があって無い感じ。もっとファッション誌とか読んだほうが良いよ」

「あ、えーと、あのそれで綺麗なんでしょうか」

「普通に喋れるんだね、綺麗は綺麗だけどさ。なんだろうね、自分を綺麗にするための努力が足りてないよ。もっとちゃんと努力してからその質問したほうが良いと思うね」

「あ、はい…」

「自分に似合う服とか考えてる?きたい服を着るだけじゃなくて、妥協点をちゃんと決めてる?目標はある?どれくらい綺麗になりたいの?」

「その、それは、えーっと」

「そんな状態で聞いてくるなんて自分に自信があるんだね、でももっと綺麗な人を僕は知ってるよ。綺麗になることを頑張ってる人も知ってるよ、その人たちに比べれば意欲が足りなすぎるね。放っておいても綺麗なままだと思ってるの?ちゃんと手入れはしてるの?ねぇ!?」

「そんなに言わなくたっていいじゃない、ひどいよぉ」


論破して泣かしてやったぜ!

ふはははは、美を語るなら努力してから来いって話さ


「ほら、とりあえずマスク外して顔を良く見せてみて」

「はぃ」

「ふ~んまあまあじゃない、でも手入れをちゃんとしてないね。お化粧も下手だし、素材90点で調理30点の料理みたいだね。腕が悪いよ腕が」


ぐすぐす泣きだしちゃってるの、なに僕が悪いのこれ?

質問に正直に答えただけじゃんか、なんだよもぅ


「うわぁぁぁぁんこんなに酷いこと言われたの初めてだよぉぉ」


ギャン泣きしてるよ、都市伝説の鬼でしょうに

なんだかなぁと思ってると


「私メリーさん、貴女が私の友達泣かせたのかしら」

「勝手に泣いてるだけだし、僕は本当のこと言っただけだよ。あといきなり後ろに立たないでね」


テテテっと口裂け女に幼女風の鬼が近寄っていく


「メーちゃんあの人間がぁうわぁん」

「よしよしクーちゃん大丈夫だよ、私がやっつけてあげるからね。後で一緒に食べようね」


口裂け女でクーちゃんか、仲良しなんだね

ってそれ所じゃない、都市伝説になっても討伐されない鬼と戦闘になるのは不味い

討伐隊を返り討ちに出来る実力持ってるってことだもん、真面目にやるか説得しないと


「その鬼が僕に綺麗って聞いてきたから本当のこと言っただけだよ、なんで戦う流れになってるのさ」

「クーちゃんが泣いてるんだから当然でしょ!それにクーちゃん綺麗じゃない、とっても綺麗じゃない!!」


この発言を聞いた瞬間、僕は生き残れるって思った

奈央は死んだって思ったらしい


「あのね、素材は良いけど努力が足りてないの。メリーさん?が甘やかすから勿体ないことになってるんじゃないの?」

「な、何を言うのよ!」

「僕に任せてくれればもっと綺麗に出来るけどね、ちょっと時間頂戴」

「ほんとにクーちゃんをもっと綺麗に出来るんでしょうね、嘘だったら許さないんだから」


やっほい助かったぜ

泣いてる口裂け女を落ち着かせて、服の好みを聞いていく

ただなんか、僕にびくついてる気がする

なんで?


「せ、清楚な感じの服が好きです」

「他には?」

「へ?他?」

「そういうところが努力不足なんだよ!どこに行くか、誰と行くかで服の方向性は変わるんだよ。清楚な感じいいじゃない、でもアクティブに動くときにはもっと違う服のが良い時もあるよ。その辺の知識からやり直しだね」

「メーちゃん、やっぱりこの人間怖いよぉ」

「クーちゃん…ごめんね。私この人間の言ってることわかる、クーちゃんは清楚な感じが似合うって思うけど他のお洋服着てるところも見たい」

「そんなぁ」

「二鬼とも普段何食べてるの?」

「「人間」」

「はぁ、綺麗か聞いてくるくせに食生活がなってない!」

「私達鬼だもん、そんなの関係ないもん」

「それがあるんだよ、人型の鬼には。良いよ、紹介してあげる」


僕は電話を取り出したまちゃんに掛ける


「おー珍しいのじゃ瑠璃が電話してきてくれたのじゃ」

「たまちゃん、今目の前に鬼がいるんだけどさ「助けに行くのじゃ詳しく言うのじゃ!」

あ大丈夫戦闘しそうな気配は今のところないよ」

「本当なのじゃ?とりあえず大人は呼ぶのじゃ。後で心配かけるのはダメなのじゃ」

「わかったー。それでね鬼に食生活について教えてあげて欲しいの」

「なにしとるのじゃ瑠璃は?まぁ良いのじゃ後輩に教えてやるのじゃ」

「ちょっと誰に電話してるのよ。鬼の知り合いがいるのは凄いけど、あんたみたいな小娘の友達なんて雑魚鬼でしょどうせ」

「今変わるね、玉藻の前だよ」「だれじゃ、わらわのことを雑魚といったのわ」

「ぴゃーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」


叫び声上げてメリーさんは気絶した、鬼って気絶するんだぁ

口裂け女に電話を渡したけど、なんだろうみたことある

上司にペコペコ頭下げて、ご機嫌伺いしてる感じだ


「はい、はいぃ。え?そうなんですか。はい、はい、はい、わわわわかりましたぁいえ!そんなことしません!!絶対しません!!!!はい!はい!お電話お返しさせていただきます」


口裂け女が僕に電話を返してきた


「瑠璃よ注意はしておいたから大丈夫だとは思うのじゃ、でも安心も油断も心を許してもいけないのじゃ」

「ありがとうたまちゃん、さっすが鬼神様だね!頼りになるぅ」

「ぬははははは、そんなのじゃ!わらわは凄いのじゃ!!それでn」ブチ


長そうだから切っておこう

そんな雑な扱いを見て、口裂け女は震えあがる


「そそそっそそそんなに雑に切っちゃダメです、玉藻の前ですよ!!」

「そんなことよりたまちゃんから話聞いた?」

「そんな事って…はぃ聞きましたけど」

「三食栄養バランスのとれた食事をしないとダメッて言われたでしょ、人型の鬼は影響出るんだよ。肌だって荒れるし、髪質だって悪くなるんだ。綺麗か聞いてくるのにそんなことも知らないなんて呆れるよ」

「うぅだってぇ」

「だってじゃない!綺麗になることを舐めるんじゃない!!」

「すいませんでしたぁ」


へたり込んで泣き出した口裂け女を見下ろしてたら、「なお」の連絡でお父さんが完全武装で慌ててやってきた


「ん~瑠璃、コレはどういう状況だ?」

「帰り道に有名な鬼と出会って、武装も何も全くなかったから話術で時間稼ぎを試みた結果かな?」

「逃げるって選択肢はなかったのか?」

「油断しきってて至近距離までこられてたから、逃げるの無理だと思ったんだ」

「それで、話術でかぁ判断としては間違ってないかもしれないが無茶をするんじゃない」

「ごめんなさい」

「わかればいい、それでどうするんだこれ」

「たまちゃんに連絡しちゃったから、こっちで勝手に処理しちゃっても良いかわかんないね」

「玉藻の前に連絡したのか、それは確かに難しいな。こいつらに逃げられると後が大変なんだがなぁ」

「わ、私達逃げません、逃げたら玉藻の前が地の果てまで追いかけるって言ってました。こいって、人を食べずにわらわのところにこいっていってでぇどうなっちゃうのぉわたしたじぃ」


めっちゃ泣いてる、とんでもなく泣いてる

お父さんと目で会話した、なにこれ面倒って目が言ってた

僕の目も同じだったと思う

だから無視して帰ることにしたよ


「今日は美彩が気合を入れて料理してたぞ」

「わぁ楽しみだね、晩御飯なんだろうね」


スタスタと二人で歩きだす


「そういえばお父さんの完全装備って初めて見たかも」

「そうか?そうだったかもな~どうだカッコいいだろ」

「悔しいけどカッコいいね」

「素直に褒めてくれよ」


あっはっはと笑いながら帰る

奈央はちらちらと向こうを見ながらついてきてる、良いのかな?本当にいいのかな?って感じ


「奈央大丈夫だ、玉藻の前の呼び出しを受けて、逃げれば追うって言ってるんだ。これで逃げだす鬼はよっぽど馬鹿だ、すでに討伐できてるだろうさ」

「でも、旦那様。アレを放っておいて良いのでしょうか?」

「問題ない、向かう途中で人を喰らえば気が付く。自身の言葉を無視されたと知れば、潰されて終わるだろう」

「本当の事を言っているとは限りません」

「あれは真実を言っていた、ここで嘘をついても玉藻の前の逆鱗に触れるだけだろう」

「ですが、いえ納得いたしました」

「気持ちはわかるがな、こっちに来るなら槍で突き刺すさ。東も西も逃げたとしてあいつらじゃ生きていけないだろう、瑠璃はどっちとも仲が良いからな」


会話を聞きながらたまちゃんにメールを送る

助かったよありがとう、さっきは電話が切れちゃってごめんね

口裂け女が泣いて縋り付くから間違って押しちゃったてへぺろ

ふぅこれで大丈夫

怪我無く帰れてよかったよかった


「しかし瑠璃は何か引き付ける力でもあるのか?確率がおかしいぞ」

「そうなのかな?そうなんだろうねぇ…お祓いって効果あるかな?」

「お祓いはなぁ、受けた後に玉藻の前と会ったら暴れそうだしな」

「なんでじゃ、わらわが嫌いになったのじゃ?って感じ?」

「そうなるだろうな、気を祓うからな。俺たち人間にはわからないが、鬼にはわかることもあるだろう」

「魔よけの護符とかもダメかぁ、普段使いの義手にも一応何か仕込んだほうが良いかな」

「防御用の何かは良いかもしれないな、巡り合わせがおかしいからなぁ」


げんなりしちゃうよね

貪り喰いからはじまって口裂け女にメリーさんだもん

僕がヤル気に満ち溢れてるときだったらまだね

ま、いいや晩御飯食べて翡翠とまったりしよっと

負けるなメリーさん、挫けるな口裂け女

クーちゃん無事だったのね、ごめんね気絶しちゃって

ううん良いんだよメーちゃん

でも流石クーちゃんよね、あいつら追い払うだなんて

あぅそれがね

さ、逃げよう。玉藻の前に目を付けられたら西に行かなきゃ

だ、ダメだよ!

ど、どうしたのクーちゃん!?

私達、呼ばれたの。逃げきれる自信があるなら逃げてみろっていわれてるの、メーちゃんの力で早く行こう。待たせれば待たせるだけ何が起こるかわからないよ

そ、そうね急ぎましょう!

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