表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
94/192

しゅうかくとじっしょく

お読みいただきありがとうございます

焼き芋を食べたい、むしろ焚火がしたい

秋なので、お芋が食べたい。

漠然とそんなことを言ったら、お爺ちゃんが張り切りだした。

四神のお爺ちゃんの趣味が農作業だったなんて、僕初めて知ったんだけど。


「土や作物と向き合っとるときは、小難しいことを考えんでいいからな」

「この人は~面倒ごとがあると~畑を耕してるのよ~」

「これ、余計なことを言うんでない」

「今更カッコいいお爺ちゃんには~なれないんだから~いいでしょぉ~」


お爺ちゃんとお祖母ちゃんが軽快な掛け合いをしてる、当主って色々やることあるだろうしストレスあるんだろうねぇ

僕も家庭菜園でもしてみようかな、社員から受けるストレスを緩和できるかもしれないし。


「このあたりの芋はどれも取って良いぞ、わしは育てるのは好きだが食べる方は別にいいからな」

「なんで?せっかく育てたのにもったいないじゃん」

「育てて満足してしまうんじゃ、趣味じゃから商いにするつもりもないしな」

「そうなんだ、何時もはどうしてるの?」

「分家に配ってるのよぉ~当主が育てたお野菜って人気なの~実際美味しいわよ~」


無駄にはしてないんだね、収穫して焼き芋しちゃうぞ!

とりゃーって引っこ抜くと、程よい大きさに育ったさつま芋を収穫できた。

翡翠もうんしょうんしょと収穫を頑張ってる

良い、良いね一所懸命農作業する美幼女って、何時もとは違う面が見れて素晴らしい。

今日は珍しくジャージの着用許可が下りたから、そこも相まってすがすがしい気分だよ

動きやすいっていいよね!

ひぃって悲鳴が聞こえたので、見てみると奈央がミミズに驚いてた。

虫とかうねうねしてるの苦手だもんねぇ


「無理しないでいいよ、僕と翡翠で採る分で十分だと思うし」

「だってぇ見てたら楽しそうなんだもの」

「奈央お姉ちゃん、ミミズさん苦手なの?可愛いよ?」

「可愛くないわよぉなんでうねうねしてるの、目はどこなのなんでこんな色合いなの」

「僕も可愛くはないと思うよ」

「そうなのかな?うねうね進むところ可愛いとヒー思うよ?」


翡翠の感性はたまに僕のわからないところに有ることがあるんだよ

まえもカメレオンのぬいぐるみをお小遣い貯めて買ってたんだ、1mくらいあるデカい奴。

質感も造詣もすっごいリアルで、翡翠の部屋で異彩を放ってるんだよ…

名前はゴルドバルドだって、どこからそんな閃きを得ているんだろうね?


わーきゃーしながら収穫を終えると、翡翠のテンションは天井知らずで上がっていた


「おいもさーんおっいもさーん、美味しいのっかなおいもさーん、きっとおいしいおいもさーん、美味しく焼けてねおいもさーん」


さつま芋片手に謎の歌を歌いながら、焚火の周りをクルクル跳ねるように回ってる。

これは儀式か何かなのかな?当然のごとく可愛いから僕は見てるだけで幸せだけどね。

逆に奈央は疲労困憊、虫が出ればひゃーミミズが出ればぴぇーと情けない声をずっと出してたからね。

僕にもたれかかって、疲れをいやしてる。

どうせだったらと思って


「ねえ奈央ちょっとどいてもらえる?」

「あ、ごめんなさい。こんなに疲れるとは思ってなくて、瑠璃に寄りかかってしまってたのね」

「無意識だったんだね、寄りかかるよりこっちに寝たほうが楽になるよ」


そういって僕は膝をポンポンと叩く

ぉぅぃぇなんて変な声出して、慌てて始めたんだ。

お爺ちゃんとお祖母ちゃんの側仕えの人がいるから遠慮してるのかな?もたれかかってる時点で側仕えとしてはダメだから今更じゃないかな?

おいでーっと僕はアピールを続けると、おずおずと奈央は僕の膝の上に頭を乗せる。


「うぅなんでこんな辱めを受けないといけないの」

「えー僕の優しさを感じるところなんじゃない?」

「それはわかるんだけど、でも、だって」

「はいはい、疲れてるんだから大人しくよこになってるんだよ」


なんかプルプルと震えてる奈央に膝枕しながら、翡翠を見守る。

満足したのか翡翠がこっちに来た


「お姉ちゃんたち仲良しさんだね」

「そうだよー仲良しさんだよー」

「お芋さんと太陽さんと、お姉ちゃんたちどっちが仲良し?」

「ほぁ!?なにそれ哲学的ななにか?」

「太陽さんがピカピカーってしてるとお芋さん元気になるの、仲良しさんなんでしょ?」

「あぁそういう事か、そうだね仲良しさんだね。ん~でも僕と奈央のが仲良しさんかな」

「そうなの?」

「こうやって僕たちは一緒に居られるからね、お芋さんと太陽さんだと距離が遠いよ」

「そっか!お姉ちゃんたちのが仲良しさんだね!ヒーも仲良しさんになる~」


ぺたーっとくっついてくる翡翠をギュっとする

お祖母ちゃんがくれた麦茶を飲みながらまったりぃしてると

そろそろ焼けたみたいだね!

火傷しないように気を付けながら、皮をむいてパクリと食べる


「美味しい!」

「美味しいね」


ふへぇたまにはこんなにのんびりもいいね


「なんで、なんで里芋が混じってるの??」


奈央が取り出したアルミホイルの中は里芋だった、塩かけて食べると美味しいよ

僕と翡翠のさつま芋と交換しながら食べていく

はぁ美味しい


さつま芋

中南米の原産だぞ!

17世紀ごろに琉球から薩摩に伝わったらしいぞ!

甘いぞ!

花は朝顔に似てるけど、日本では頑張らないと咲かないぞ!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ