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ばしっとうけとめてからのらち

お読みいただきありがとうございます

キャンペン3話目にしてV字回腹

必殺技お披露目会になります、実際の使用はまだ先でしょう。

今日は妹達と訓練中、みんな実際の戦場を見てから色々頑張ってたんだけど成果が出てきてる。

今日は発表会だよ!

まずは鈴なんだけどね、必殺技を覚えてしまったみたい。

人に放つことは禁止されてるので、雑草に向けてやってもらったんだ


「おねぇちゃんいまからやるね、あぶないからはなれてて」

「わかったよーどんなことするのかな?」


わくわくしながら見てたんだけど、鈴がえいって小さな魔力弾を雑草に向けて撃ったのさ。

そしたらね、雑草がボロボロになっていくんだ。

細胞の持つ回復能力を高めるのが本来の使い方なんだけど、過剰に回復能力を刺激してボロボロにしたんだって。

人にやっちゃだめだね、死ぬもん。

まだまだ弾の制御が安定しないので、普通の魔力弾で練習は継続していくんだけどさ


「う~ん一撃必殺だね、殴りヒーラーかぁ。鈴の技は必殺だけど、一番倒れちゃだめだからね」

「うん、みんなまもるよ。よゆうあるときだけこうげきする」


よしよしちゃんとわかってるならいいかな、ヒーラーが倒れたらお終いだからね。

さてさて次は恋の番だね、最初がこれだと後に行くほど怖いね。


「ねえさまみててくださいまし、このえのひでんをおみせしますわ」

「待って、ちょっと待ってね。秘伝っていったよね、それ簡単に見せていいのかな?ちゃんとお父さんとお母さんが良いよって言ってた?」


恋は首をコテンってして考えてたけど、まあ別に大丈夫だろう位の感じで発表を続けようとする。

いや、ダメだって。公家の名門の秘伝なんて見て大丈夫なのかな?

叔父さんに連絡してみると


「見せる相手が君たちなら大丈夫だよ、あんまり公にはしないでくれると嬉しいね」


って返事を貰えた。

そういえば叔父さんって戦えないって聞いてたけど、普通に戦闘力あるんじゃないの?

三味線だったかぁ、その辺は流石公家って感じかな。


「ひでんかげいどうですわぁ」


自分の影ににゅるんと入ってしまう恋、どこ行ったんだろうと探すけど見当たらない。

不味いんじゃって思いだしたら、僕の影からにゅるんと出てきた。


「えっへんですわ、てをにぎればいっしょにいどうもできるんですの。ただとちゅうではなすともどってくることはできませんわ」

「うん危ない魔法だね、あんまり使っちゃだめだよ。移動距離ってどれくらいなの?」

「みえてるはんいがげんかいですの、ひかりがないとつかえないまほうですわ」

「真っ暗だとダメなんだ、入れそうなのに」

「かげまほうであってやみまほうではありませんもの。あとはかげをぶきにしたりたてにできますの」


ほほ~日中で晴れてたらピョンピョコ移動できそうだね、夜でも照明弾でも打ち上げれば色々できそうだし。

影の中は広い世界ではなくて、影と影を繋ぐ細い通路みたいなんだって。

そこを行き来できるのが近衛の秘伝、これで危ない時はやんごとない人と逃げたり隠れたりしたそうな。

ちなみに1mくらいの木の棒を半分くらい陰に入れてから手を放してもらったんだけど、スパッと切れてたよ。

恋に陰に入ってもらって、棒を探してもらったけど何処にもなかったんだって。

他言できない魔法だね。


「お姉ちゃん次はヒーの番だよ!」


そういって翡翠は自分の両拳と足に魔力を纏う、ここまでは今までと一緒だったんだけどなぁ。

なんか翡翠の魔力で人型の焔が作られていく、なにこれすっごい。


「凄いね、人型を作るだなんて。でもこれちゃんと動かせるの?」

「えとね、いっぱい作ると頭がとろけるの。2体までしか動かせないよ」

「実戦だったらもっと少なくなっちゃいそうだね、その辺は慣れもあるだろうけど」

「あぅ」

「考えなきゃいけないことはあるけど、翡翠は凄いことしてるからね。これは何をヒントにして考えたか教えてほしいな」

「将棋さんを見て作ったの、いつかはもっと作れて動かせるようにするの!」


将棋からこれを思いつくとか飛躍してる気がするけど、やっぱり僕の妹がナンバーワンってことかな。

今は5体の焔を出してるけど、それぞれ装備も違うし考えてるんだってわかる。

そもそもこの焔、朱の巫女パワーで気軽に触ると大惨事になるんだよね…

今回の発表は妹達が順番を決めてるんだけど、里兎はこれより凄いってことかな?

僕が義手を使って優位に立ったのは一瞬だったね、これに関しては悔しくないよ。

元々のスペックが違うって知ってるし、知恵と勇気とお金で優位に立ってただけだから。


「姉さん見ててね!」

「うん、ちゃんと見てるよ」

「おいで雪華」


里兎がせっかって呼ぶと、どこからともなく小人みたいのが出てきてフワフワ浮いてる。

ここまでだったら翡翠のが凄いはずなんだけど、何が違うんだろう?


「オイオマエガゴシュジンガネエサンテヨンデルヤツカ」

「ひゃーしゃべったー」

「ゴシュジンニツクラレタワタシハカシコインダ、トウゼンダロ」

「雪華は完全自立型なんだよ、私の魔力を使ってサポートしてくれるの。どう?凄いでしょ姉さん」


凄いなんてもんじゃないんだけど、そんな事出来る人世界中探してもいません。

どんな魔力図で作ったのか少しだけ見せてもらったけど、これはどっちかって言とAI作った感じだね。

魔力図って元々プログラムみたいなもので、コレを理解できて適正あれば使えるよって図なんだ。

古い家だと、外に出さない魔力図なんて珍しくない。

10歳の子がこれ作ったのかぁ、才能が恐ろしいね。

確かにこれは最後に発表するだけのものだ、翡翠も凄いけど里兎のが凄い。


「翡翠がこの魔力図を覚えたら、軍団が生まれるんじゃ?」

「姉さんそれは無理、これは私にも使えない」

「なんで?」

「寝ぼけながら作ったから、制作者でも意味が解らないところが多いの。無駄な部分とかなら人は理解できるけど、意味が解らないものは理解できないよ」

「作り直すとかはしないのかな?」

「作り直してみたけど、全然ダメだった。意味が解らないところが上手くいってるみたい。もう一回使おうとしてみたけど、私でも使えなかった」


奇跡と偶然の産物なのか、残念だね。

しかし僕と里兎が喋ってる間も、雪華が僕にぺちぺち攻撃してくるんだけどなんで…


「ワタシノゴシュジナンダーワタシヨリナカヨクスルナー」


やだーなにこれ超可愛い、ふへへへ僕に可愛いと認識されたことを後悔させてやる。

むんずと掴んで、なでくりまわす。

ヤメローとかハナセーって最初言ってたけど、途中からトロンってしだした。

ふ、僕のなでなで力は並ではないのさ!妹達をなでなでし、田中さんにも認められるまでなでなでした僕の力はね!

ゴシュジンアイツキケンダーなんて言いながら、里兎のもとに逃げていく。

いやぁ今日は凄い日だった、国森さんが見たら白目向いて泡吹くレベルだね。

それはそれで見たいから、今度見せて上げなきゃ…

いけないまた向こう側に引っ張られてしまった!気をつけなきゃ。


「まだ終わりじゃないのだけれど、私もいるわよ?」

「およ?奈央が最後なの?里兎より凄いってこと?」

「里兎よりは凄くないわよ、期待されても厳しいわね。でも、この子達の魔法初めて見たでしょ?」

「うん、僕もうびっくりしちゃった」

「形になるまで誰が相手してたと思う?破壊力なら既に実践級の子達の、新魔法開発を誰が相手してたと思う?」


僕はゆっくりと奈央を指さす。

会社行ったり、お爺ちゃんと兵器開発してた時にこっそりと練習してたんだ。

僕に内緒にするために、全部受けてたんだとしたら物凄く危険だね。


「そうよ、私が実験台よ。防御魔法を的に張っただけだったり、実践に近い形で相手したり。既存の防御魔法だけだったら何度も死んでたわよ…」


奈央が僕の知ってる中で一番遠い目をしてる、これは妹達に言わないとだめだね。


「みんな、あんまり無茶なことしちゃだめだよ。奈央だって急に知らない事されたらびっくりしちゃうからね」

「ねぇさまもすごいですし、なおねぇさまもすごいのでだいじょうぶだとおもいますわ」

「なおおねぇちゃんだったらだいじょうぶ」

「奈央姉さんは私達の攻撃を、難なくさばけるよ?」

「ヒー達が大好きなお姉ちゃんたちはすっごいの」


わぁぃ過剰評価が酷いね、僕と奈央は目を見合わせる。

二人で苦笑いだよ、頑張るしかないって気合は入ったけどさ。


「それでどんな感じにに防御魔術を変えたの?」

「4人を同時に相手してたから」

「ちょっと待って、一人ずつじゃないの?危ないとかそんなレベルじゃないよ!」

「だって、一対一だと他の3人が何するかわからなくて」

「僕に過保護になった弊害が出てるじゃないか!」


僕はプンスコ怒りながら、見守る保護者達に文句を言いに行く。

僕が出かける時は誰かが付いてくるようになったんだけど、家に残る人がちゃんと見てなきゃダメじゃないか。

ぬわーっと怒りをぶつけるとみんなびっくりしてた、なんかね奈央が普通に4対1でも捌きだしてたから流してるんだと思ってたみたい。

手加減できるわけないでしょ僕の妹達は何時でも全力なんだから!

大人たちをしかりつけて、皆の所に戻る。


「話がそれちゃったね、4対1するうえでどうしたの?」

「普通の防御魔法だと、すぐ壊されて手が回らなくなるの。だから多重構造にしたのよ、網目状だったり密度を変えた防御魔法を途中に挟んだりしてね」

「壊れにくくして、無理やり維持したり直そうとせずに次々展開するの?」

「そうよ、いまなら瑠璃のパイルバンカーも防げるんじゃないかしら?」

「試してみようか、でも後でどうなっても知らないよ」

「あら、そんなに自信があるの?防いで見せるわよ」


そうじゃないんだけどな~

まぁいやバーンと行ってみましょうか!

防御魔法に向けて構える


「とったぞ零距離!」


撃ち出した瞬間変な手ごたえを感じた、固いものにぶつかった感じじゃなくてゼリーとか弾力性のあるものにぶつけた手ごたえ。

今まで防御魔法に撃つと金属音が響いてたけど、今回はそう言った音は出なかった。


「お~凄い、受け止められちゃったね」

「やったわ!前回の雪辱を晴らせたわ!」

「気にしてたんだね…」

「いいじゃない、それより撃つ時のセリフはなんなのよ」

「カッコいいでしょ」


僕の必殺技もう破られちゃったね、でもね奈央以外にもプライドを傷つけられた人がいること忘れてるね。

お母さんが幽鬼のようにフラフラと奈央に近寄っていく、僕があちゃーって顔してたら


「なぁおぉちゃぁん、どうやったのかしらぁおしえてぇくぅれぇるぅわよねええええええええええ」


お母さん普通に怖い、やめて皆泣きそうだから。

僕は瞬時に判断する。

妹を抱きしめ、奈央を生贄に捧げる。

血走った目のお母さんに勝てる訳がない、お父さんだって向こうで震えてるもん。


「た、たすけt」

「ゆっくりお話しましょうねぇ、にげたりしないわよねぇぇえええ」


奈央は連れ去られてしまった。

僕たちは奈央が帰ってきたときにちゃんと心のケアをしてあげないとって話し合う。

お母さんが出来るようになるまで解放されないだろうから、奈央の好きな物でも作りに行こうかな。



解放された奈央は幼児退行してた…

僕に抱き着いてきてなでなでを要求したんだ、何時もだったら妹達が自分もやってーって来るんだけどあの時は遠慮してた。

作っておいたチーズケーキを見せたんだけど、食べさせてくれなきゃヤダって言われた時は天を仰いだね。

お母さんいったいなにしたの、ストレス与えすぎだよ。

食べさせてあげたら、チーズケーキしゅきおいしぃってニコニコだったんだけど僕は辛かった。

奈央の可愛いところが見れたのは良いことだったよ、でも原因が自分の母親だと思うと心が軋むよね。

正気に戻った時に幼児化してたことを奈央自身が覚えてて、それで悶えてたのがかぁいくて素晴らしかったんだけどさ。

何時もは優しい美彩に恐ろしい表情で追及されたことで、奈央の心は不安定になりました。

大体3時間くらい泣きながら、魔法の運用方法を伝えさせられ美彩さんがコツをつかんだところで解放。

奈央の両親は、そんなことが出来るようになっているのに報告しない奈央が悪いと助けてくれませんでした。

有益な情報を主家に報告しないなんて、許されることではありません。

側仕えですからね


色々込々で可哀そう

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