表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
82/192

あけてびっくりしってびっくり

お読みいただきありがとうございます

一部実話です

今回からしばらく、話を長く書いてみようキャンペーンを個人的に実施しています。

ボリュームを出すって構成力が問われますね…

ピンポーンって家のチャイムが鳴ったので、誰かが来たみたい。

インターフォンを見てみると想像してなかった人物がいた


「げぇ呑兵衛」

「我に向かってそのようなことを囀るのは瑠璃だけぞ、今日は用があった故来たのだ早う入れよ」

「入れてもいいけど、後ろで隠れてる人がちゃんと姿見せたらね」

「ほぅよく気が付いたな、良かろう」


呑兵衛がそう言うと、私は忍者です!って恰好をした人が現れる。

姿を隠してたってことは護衛かな?でも呑兵衛に護衛とかいらないよね?

疑問は尽きないけれど、とりあえずドアを開けて迎え入れる。

リビングに通してお茶を出したところで呑兵衛が話し出す


「今日は瑠璃に礼を申しに参った。瑠璃の成したことによってコレが救われた、大儀である」

「僕何かしたっけ?関西には行ったことないけど、人違いじゃない?」

「間違いなく瑠璃の成したことぞ、新たな義手を作り上げたであろう」

「あぁ作ったね、まだまだ浸透しきって無いけど自信作だよ」

「コレは我が妻の一人でな、前の義手では己が業を再現することが出来ず気を病んでいたのよ」

「誠にありがとうございます、おかげさまで業を今一度使えるようになりました」

「それは良かったですね。僕は自分の欲のために作ったので、態々来て頂くことではないですよ」


明らかに忍者って感じの人はくノ一だったんだね、そして呑兵衛の奥さんの一人。

何人いるとかは考えないでおく、数百人単位で居そうだもんね。


「己の欲のためだとしても、我の妻が世話になったのだ。褒美をやろう、望むままに述べてみよ」

「えー別にないし、欲しいと思ったものは自分で何とかするよ」

「そう言うな、我の沽券にかかわる。我でも成せぬ事をしたのだ、何か申して見よ」

「そんなこと言われてもなぁ。ん~じゃあ貸しにしといて、僕じゃどうしようもない事が起きたりする時に返してくれればいいから」

「我に貸すと申すか、中々に愉快ではあるが高くつきそうよの。良いか瑠璃よ、必ずお主が死ぬまでに願いを申すようにな。お主が貸しを残したまま死ぬことを、我は許さぬぞ」

「なんで僕が脅されないといけないのさ、おかしいじゃないか!」

「御前様、お礼を申し上げに参ったのですからあまり無体なことはしてはいけません。私にも出来ることがあれば申し付けてください、暗殺ですとか諜報等が得意ですので」


呑兵衛には脅されるし、奥さんもさらっと物騒なこと言うし怖いよ。

奥さんに対しては思いついたので、ささっと言ってみよう。


「じゃあ、忍術を見せてください。忍者の技って見てみたくて」

「な、何故私の正体が忍びだと解ったのですか!?御前様に気に入られるだけはありますね、流石の観察眼です」


僕は呑兵衛を見る、緩やかに首を振られる。

ついさっきも、お茶が思ったより熱かったのかあわあわしてたし、ポンコツイメージを僕は持っちゃってるんだけどな~。

どうやらこういう感じの人らしい、変人を好きになるのかな?


「コレは少し変わっておるが、技は一流よ。我が知る中でも五指に入る程の手練れぞ、己の知見に役立てるがよい」


呑兵衛が見て五指って凄いんじゃない?

ポンコツ凄腕くノ一って、なんかこう敵につかまってあんなことやこんなことになるイメージしかないけど。

地下の鍛錬場で見せてもらうことになったので、妹達と一緒に観戦する。


「では、参ります」


そういってからは凄かったよ。

手裏剣を投げたと思ったら、投げた本人は隠形で消えてたり

風遁や火遁を見せてくれたり分身したり

みんなすごいテンションでわーわー言いながら見てたんだけどね、最初に消えた時からずっと僕達の後ろに本人が居たのが一番びっくりだった。

あんなのは目くらましで、陰に隠れてサクッとやるのが本分なんだって。

気配が無いんだもん、本職って凄いね。


「お聞きしたいことがあります、何故最初に私の隠形は見破られたのでしょうか?」

「あーそれは僕の作った警戒網にかかってたからですね」

「その手の類のものであれば気が付けるはずなのですが、私でも見破れないだなんて」


ちょっと凹んでるけど見破るのは無理だと思うね、だって僕の警戒網って自然に有る魔力使ってるから。

草とか木とか、もっと言えば土にも魔力って微量ながら存在してるんだ。

風水術とかそういったレベルで配置を弄って作ってるから、人の魔力が絡んでないからわからないんじゃないかな。

大本の術式は僕の部屋にあって、庭に雑草とか生えたらそれも巻き込んでくんだ。

実際僕も管理しきれてないからね。


鬼と忍者が帰った後に僕はあることが気になったんだ。

忍者がいるってことは侍もいるのかなって調べてみたんだけど、僕の会社にいた…

何時もでゅふふって笑うござる口調の人なんだけど、侍だった。

オタク特有のあれだと思ったら、本物とか想像できないよね?

流派の免許皆伝の腕前で、元々は九州の生まれらしい。

名前が島津さん、あの島津さんの末裔だった。


「某の流派はあまり見ても面白くないでござるよ?北辰とか陰流とかのがいいのではござらぬか?そもそも某、アニメの剣術を極めたいのでござる。」

「免許皆伝の腕前なんでしょ、そんなこと言っちゃだめだよ」

「稽古中に必殺技を練習してたら勘当されたでござるよ、跡取りだったでござるが。でゅふふさーせん」

「えぇ…なにしてるの・・・」

「おかげで主に使えることが出来たでござる、ここは良い働き口でござるぅ」


僕は唖然としてしまったけど、戦場では一刀で鬼を切り倒せるほど実力が確からしい。

ちょっと怖くなって、他の社員の経歴もちゃんと見てみることにしたんだ。

無天さんの紹介で採用してたからさ、オタク特有の謎人脈で引っ張ってきてたりするのかもしれない。

社長室で見直してみたけれど、いたわぁとんでもない人材が山のように。


政治家の第一秘書

元政治家で、今は政界のドンって言われてる人

大手商社の人事部長

ニュースのコメンテーター

新進気鋭のデザイナー

大学教授

国の諜報機関の次席

華道、茶道の家元

急に引退を宣言して世間を慌てさせた元アイドル

武道の師範もいっぱい


僕は心を落ち着けるために電話をする


「あ、もしもし国森さん。ねえ僕の会社ってどう思う?」

「あ~やっと気が付いたのね。正直私は瑠璃ちゃんが、国盗りでも始めるのかと思ったわ」

「ダヨネーソウオモウヨネー」

「会社と瑠璃ちゃん個人の功績を表に出せば、すぐにでも選挙に受かると思うわよ」

「国森さん軍辞めてうちに戻ってこない?社長にしてあげる」

「いやよ!瑠璃ちゃんだから纏まってるのよ、一般人の皮を捨て去ってオタク街道驀進してる人達を私に押し付けないで!」


そう言って電話は切れた…

逃げ損ねたのかな?

なんかなーどっかで見たことあるなーって人が多いと思ったんだよ。

あっちで声高らかに縞パンの、縞と縞の間は何ミリが良いって言い合ってる人達って政界のドンと華道の家元だよ?

あっちでは侍と諜報機関の次席が、萌えキャラの眉の長さで議論してる。

何時も流し見てた光景だったのに、知らなきゃよかった。

あ、胃が痛い。キューってキューって痛い。


「あ、社長。新陰流の免許皆伝がいたでござるよ、見せてもらうなら某のよりためになるでござる」

「えへへぇ、じつわぁ私そこそこ刀がつかえるんですよぉ」


やだやだやだー、社員のマスコットだったはずの娘が達人とかやだー

23歳だけどちっちゃくて可愛い人だったのになぁ

この会社は蟲毒か何かなの?


「某達は社長のおかげで道を見つけられたでござる、命を受ければ何でもするでござるよ~」

「そうですよぉ何かするときはぁ言ってくださいねぇ。バサバッサとぉ切り捨てて見せますぅ」


可愛らしい言葉遣いとポーズから物騒なこと言う子だね。Hahaha

そんな会話してたら、他の社員たちもなんかね

お、遂にその気になりましたか!いっちょやってやりますよ!

みたいな感じになってるの。

その気ってなんなの、僕わかんないよ。

無駄にやる気があるなら仕事してって指示を出して、僕は社長室で黄昏る。


「社長、お茶でもどうぞ」

「あぁありがとうございます」

「そうだ社長、この前は妹がお世話になりまして」

「ふぇ?何のこと?」

「酒吞童子に嫁いだ妹が、社長の作った義手で元気になった報告に伺ったそうで。未熟な業まで披露したとか、お目汚し申し訳ございません」


秘書みたいな立ち位置の人がくノ一だったんだね…


「国盗りって出来ると思う?」

「もう数年頂ければ可能かと思います」

「あぁそうなんだ。絶対にしないからね、振りとかじゃないからね」

「はい、お任せください!」


何だろう、ずれてる気がする。

やだよぉ平和に暮らしたいだけなんだよぉ

無天さんを呼び出す


「無天さんどんな基準で社員を選んだか教えてもらえるかな?」

「ぇぇとね、私と仲が良いぃ人達をえらんだだけだょ?ぁと、男の人達は私の事を嫌らしい目で見なかった人だよぉ」


はいでました、オタク特有の普段何してるかよくわかんないけど仲のいい友達。

僕も前世であるよ、FPSのゲームで仲良くなった外人が小国の王子だったことが。

幅広いのは無天さんが、何でも深みまで嵌るからだね。

なんとなくわかってたよ。無天さんにとってはオタク友達で、それ以上でもそれ以下でもないってことが。

仕事何してるとか興味ないよね、話が合うから友達なんだもんね。

この会社の方針を僕は改めて明確に打ち出す


「僕は国とか政治とかに興味ないの、お金は偶々アイディアが当たって稼げそうだよね。だからそのお金を使って、国の手が届かない人達のために何かしようね」


これで、これで国盗りなんてならないだろう。

社員の皆を見てみる


なるほど、貧困層等や生活が苦しい層を取り込むんですな

正攻法で行っても取れそうですが、あえて搦手から攻めるとは

流石社長!目先の勝利ではなく確実な勝利を目指されるとは!

これは支え甲斐がありますね、楽しくなりそうです

でゅふふやはりここに居れば飽きることはなさそうでござるなぁ


ばかばかばかばかー裏とかないんだよ!表しかないんだよーーーーー!!!

瑠璃の会社

業績急上昇中

何とかして国は潰したいと思ってるけど、盗聴してもガチでオタクトークしかしてないから困惑してる。

一触即発の空気を漂わせたと思ったら、セーラー服VSブレザーで殴り合いに発展していた。

愉快な会社である

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ