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くにもりのむことり

お読みいただきありがとうございます

日本最強の鬼を倒したら、ご褒美貰えます。

今年はたまちゃんに会いに旅行に行くことになったよ、保護者は国森さんだけで。

お盆期間にどうしても大人が出払ってしまうため、たまちゃんの所に避難するんだ。

一応引率として付いてきてるけど、大丈夫?良いの?って聞いたら離れても大丈夫なようにしてきたって言ってる。

去年出向期間が終わって軍に戻る時は、散々戻りたくないって駄々を捏ねてたんだけどね。

継続して改善に動いていることと、やっぱり国森さんがいないと上手くいかないところがあって戻ってもらった。

去り際に国森さんは


「軍の生活に戻れない体にされたのに、会社の経営が安定したら戻すなんて鬼、悪魔、邪仙、

瑠璃ちゃん」


何て言うから援助を打ち切ろうかと本気で考えてしまった。

まぁ確かにあの労働時間であの給与だったら戻りたくはならないよねって解るんだけどさ。

軍に戻った国森さんは、前よりも働きやすい環境に驚くよりもなんで前からこうじゃなかったのってブチギレたらしい。

一番忙しい時期に僕たちの引率をするくらいには、余裕があるのは良いことなんだろうけどね。

しかし今回はもう一つ目的がある、国森さんのお見合いだ。

呑兵衛をお酒の席で潰したことで偉く気に入られた国森さんは、褒美を取らすと言われてたんだ


「あのぅ彼氏が欲しいです、出会いが無くて」

「ほぅ我などどうだ。大事にしてやるぞ」

「あ、理想の男性像と違うのでちょっと」

「我よりも優れた男など少なかろうに、どの様な男が好みか教えてみよ」

「私よりお酒が強い人です、酔って甘えるのが夢なんです」


それを聞いた時の呑兵衛の顔は凄かった、たまちゃんはそんなのいないって顔に書いてあったけど。

口にしたことは守る呑兵衛はそこから約1年で見つけてきたらしい、凄いことだとおもう。

兵庫在住の人で、仕事の都合で関東に引っ越すらしくこの機会に顔を合わせることになった。

たまちゃんも面白がってお酒を大量に準備したらしい、二人の限界が見たいらしい。

今回も泊まる殺生石でたまちゃんに迎えられ、宴会場に案内されると半分が酒瓶で埋まっていた。

40人は入れる宴会場でだよ、樽もあるしやりすぎなんじゃないかと思うよ。

引き合わされた男性は30代の優しそうな人だった、両者とも大鬼に引き合わされるってことで緊張してたんだけど、まぁ飲むのじゃ!っていうたまちゃんの一声で場が動く。

僕たちはその場にいるだけ酔いそうだったので別の部屋でご飯になったんだけどね、3泊の予定だったけれどその間ずっと飲んでたみたいでさ。

二日目の夜にたまちゃんにどんな感じ?って聞いたら


「用意した酒が全部なくなるとはおもってなかったのじゃ、今周囲から急いで集めてるのじゃ。何なら工業用アルコールで良いんじゃないかと思ってきたのじゃ」


おかしいってアルコール中毒で死ぬって。

平然と飲み続けて限界が先に来たのは国森さんだった、初めて自分の理想の状況になってこの人しかいないって思ったみたい。

男性の方も自分についてこれる人がいるとは思わず、なんて素敵な女性なんだと3日目のお昼にはラブラブだった。すっごくお酒臭かったけど、何ならお酒んじゃないかと思ったけど。

そんな二人は秋に結婚するそうです…

小売業を営む男性が国森家に婿入りするんだって、軍のトップの名前がいきなり変わったら混乱するだろうからって。

国森さんにのろけられたよ、幸せそうだから良いけどさぁ

僕は気になって呑兵衛に連絡を取った


「おい呑兵衛あの人はちゃんとした人間だよね」

「おいとはぞんざいな、瑠璃が言わんとすることは分かるがアレは人間ぞ。祖先も調べたがれっきとした人間であったわ」

「酒呑童子酔い潰す人間が二人いるってどんな気分?」

「煽るでないわ、馬鹿者が。愉快に決まっておろう、我が挑む立場となるなど久方ぶりゆえな」


肝臓が規格外っていうか異次元な人間っているんだね、二人もさ…

凄いぞ国森さん

普通に飲んだら、たまちゃんも呑兵衛も酔いつぶれるなんてことはありません。

国森さんは自分のペースに巻き込むのが以上に上手いです。

ゲームにお酌ってパラメーターが合ったら、表記がバグるほど高いです。

本人もパカパカ飲むので、相手はいつも通り飲んでるつもりでも狂わされます。

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