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にだいきょとうとやせんびょういん

お読みいただきありがとうございます

今回は長めです

なんかここ最近、朝にお客さんがよく来るよ。

今日も誰か来たみたい。


「ねえさま、あそびにきたです」

「あれ?エリスが来る時期だったっけ?」

「きまったときじゃないときちゃだめですか」

「っは、そんなわけないでしょ!いらっしゃい歓迎するよ!教皇は帰ってどうぞ」

「相変わらず酷いですねこの異教徒は、私トップなんですけどね。国際問題にしてやりましょうか」


今日はカイル様がいないのかなって思ったら、完全装備で現れた。

装備の着用に時間がかかってたみたい。


「二人ともお待ちくださいと言ったではないですか、隠していますが尋常ではない気配を感じます」

「あぁカイル様それh」

「どうしたのじゃ瑠璃?客かえ?」

「この家は飽きが来ない不思議な場所だな、瑠璃に引き寄せられておるのか?」

「ひゃーーーーーーーーーーーーーーーーーーーカイルーなんかでたですーーーー」

「エリス様お下がりください、命に代えましてもお守りします」


あ、これ教皇は知ってるやつだ。

だって笑ってるもん、絶対知ってたな。

にやけ顔の教皇に説明させて、なんとかその場を落ち着けた。

どうやら大鬼2人が戦場に立つのはデモンストレーションの要素が強いみたいで、今生の陛下にも従いますよって各国に見せるらしい。

観戦武官として今回は来たようだけど、1日早く来て僕に会いに来たんだって。

可愛いじゃん、もうこれだからお姉ちゃんをやめられない。


「ねえさまあぶなくないです?きょうりょくなデーモンが2ちゅうもいるです」

「大丈夫だよ、たまちゃんは優しいから。そっちのはしらないけど」

「やっぱりあぶないです、エリスといっしょにひなんするです」

「この二人が暴れて家が無くなったら、国を捨ててエリスの所に移住するよ」


国外移住を表明すると、エリスは喜びたまちゃんと呑兵衛は慌ててた。

どうも気に入った人間を自分のせいで他国に行かせるつもりはないらしい。

再会を喜ぶ翡翠とエリスを見守りながら、大人チームの会話に混ざる。

僕あっちに行きたいんだけどってアピールしたんだけど、たまちゃんに確保された。

膝の上にのせられて、たまちゃんの豊かな胸に押し付けられる。苦行かな?

どうやら明日の戦場に僕を連れていきたいらしい、興味はあるけどあっさり死ぬんじゃって疑問をぶつけたんだけど


「瑠璃の両親や光輝達が守るのじゃ、安心してわらわの活躍を目に焼き付けるのじゃ」


だってさ。

もともとエリスの護衛で出張る予定だったみたいだけど、良い機会だから僕と奈央と妹達を戦場に連れて行こうって話になってる。

実際の戦闘を見せることで、心が折れるならそれもよし。

半端に力を持ってる僕らが、兵役で出る前に見せておいたほうが良いって結論になった。

不安はあるけど、なんとかなるでしょ。

お父さんがカッコいいんだ、今まで見たことない顔をしててね。

今回は傷ひとつつけさせずに守ってやるだってさ。

これか!これでお母さんを落としたのか!

くぅ有じゃんか、お父さんのくせに悔しい。 


どうも、戦場リポーターの瑠璃です。

えーたまちゃんのことを舐めてました。

凄いの、もぅ凄いの。

なんかね、地面に手を突き刺してうりゃーってしたら岩盤事ひっくり返したり。

えいやーって拳を突き出したら、鬼が雲散霧消して遠くに見えてた海が割れてた。

呑兵衛のほうも凄かった、前に出るだけで圧に屈して鬼がつぶれていくんだ。

それで柏手一つで全部消すの。

国森さんが必死になって作った防衛線を、無人の野を行くがごとくで押し上げてる。

僕たちは、ほぇすっごいって後ろで見てただけ。

最後に陛下が三種の神器フル装備で魔法をブッパしたら見える範囲の鬼は、全部消えてなくなってた。

それを見てたまちゃんは


「うむうむ、これくらいできれば合格なのじゃ。あ奴とわらわの血を引くのだから当然なのじゃ」


ってご満悦。

最後に大鬼二人が全力で海に攻撃を叩きつけて、デモンストレーションは終了。

おかしいよね、海が無くなって陸地になってたんだよ。

太平洋の水ってどこ行ったんだろうね。

これ海水が戻って来る時大丈夫か心配だったんだけど、呑兵衛の遅滞魔術でゆっくり元に戻るらしい、何でもありじゃん!

落ち着きを取り戻した後で、これで戦場の空気ってわかるん?と護衛してた大人チームに目をやると、ここからが本番みたいで前線の病院に行くらしい。

たまちゃんと呑兵衛は、陛下と下がるみたい。

折角色々と美味しい物を食べてきたのに、鬼の性が疼くようなところにはいかないんだって。

うわぁ今晩はお肉食べれない奴だこれ。


「見えないの、なんで何も見えないの」

「いてぇくそぉなんでこんな」

「あぁああああああああああああああ」

「あいつが喰いやがったんだ俺の腕を、あのやろうがうでおぉ」


阿鼻叫喚だよ、右を向いても左を向いてもどこを見ても重傷者しかいない。

医者が足りてないのか、簡単な処置しか出来てないみたいだ。

叫び声だったり、恨みつらみが延々と垂れ流されてる。

僕たちの暮らす裏ではこんなことが起きてたんだ、何時も優しいお母さんもお父さんも悔しさをにじませる表情をしてる。

二つ名持ってだけで期待されてるんだもんね、戦っても戦っても終わりが見えない中で頑張ってるんだもんね。

凄いよ、僕の両親は。

妹達も震えてる、戦場に立つってことは何時こうなるかわからないからね。

現実を見たら怖いよね。

震えながら翡翠が近寄って来る


「おねーちゃんヒーにできることないの?おいしゃさんのおてつだいできるよ」


あらまぁ、やだ聞きまして、翡翠ったら怖いとかそういう感情を飲み込んで手伝うですって。

翡翠の発言を聞いて妹達も気を入れなおす、だから僕は当然こういう


「僕たちにできることは何もないよ、邪魔にならないように離れようね」

「おねーちゃんなんで!おてつだいしようよ!」

「今日だけ、今だけ手伝っても意味が無いんだ。お医者さんも必死に頑張ってるし、僕たちに指示を出すこと自体が負担になると思う。だから見ていることしか出来ないんだ」

「やだよぉそんなのやだよぉヒーできることないの?」

「今の僕たちには無いよ。でも、未来は分からない。ここの人達は僕たちを守るために戦ってくれたんだよ、怪我する人を減らせるように僕たちは頑張っていくしかないんだよ」

「良いこと言うじゃねぇか、俺らが頑張った甲斐があるってもんよ。おい嬢ちゃん俺の嫁に来ないか?」


不意に話しかけられて、驚いて振り向くと近くのベットからだった。

話しかけてきた人は下半身が無くなっていた


「ごめんなさい、お嫁にいけないです」

「振られちまったか、やっぱりこんななりじゃだめなんかねぇ」

「僕もこんななので、外見で判断したわけじゃないですよ。なんとなく好みじゃないだけです」

「かぁ、そっちの方がひでぇじゃねぇか。また会おうや、その時は男っぷりを上げとくからよ」

「じゃあ期待しておきますよ、もっとカッコよくなってください」


そう言ってその人は目を閉じた。

お医者さんは首を振ってる、きっともう目が覚めることは無いんだろう。

名前も知らないその人は、笑って眠ってる。

かっこいいと僕は思った、初めてされた告白だった。

きっと僕はずっとこの人の事を覚えて生きていくんだろうね、忘れるつもりないもん。

帰宅中は皆静かだった、今日見た光景を少しでも幸せなものに変えれたらいいな。


たまちゃん

拳と蹴りで蹴散らす接近戦が主体

大マジで戦うときは、大棍棒を使う。

一撃必殺を体現する存在

呑兵衛

搦め手、魔術なんでもござれの魔法タイプ

本気で戦うときは、羽扇を使う。

美意識に反するものは滅する。

陛下

三種の神器装備中は大鬼と互角以上に戦える。

強力すぎる装備を使えるだけの莫大な魔力をお持ちになられている。

戦場では天叢雲剣を一薙ぎしただけである。



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