にしのおおおに
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東の大鬼が西の大鬼連れてきちゃった
式典が終わって、翌朝に帰ってきた二人だけど。
なんか一人増えてるんだけど。
誰この男の人めっちゃカッコいいけど、吐きそうなくらいの重い気配なんだけど。
うぅ立ってるのが辛い。
「この馬鹿鬼、鬼気を抑えるのじゃ。子等が辛そうなのじゃ」
「なんだと、阿婆擦れ。この程度に耐えれないほうが悪かろう」
「阿婆擦れとはどういう意味なのじゃ、わらわはあ奴しか思っておらんのじゃ」
「ほれほれ、お前も気が漏れておるではないか。相も変わらず迂闊なやつよ」
「そんなくだらないことを、玄関先で言うなら出てってよ。翡翠も辛そうだし迷惑だよ。たまちゃんお客さんを呼ぶなら、ちゃんと連絡しなきゃダメでしょ」
「ほぅこれで臆せず意見するか、玉藻が気に入るのも道理よな」
そういって気配を収めるイケメン。
誰だお前って胡乱な目で見ていると
「小娘、名は」
「人に聞くときは自分から言うものだよ、偉いとか偉くないとかじゃなくコミュニケーションの基本だよ。僕は仲良くなりたいと思ってない、知りたいんだったら誠意を見せるべきだね」
「はっはっは、よいよい。よいぞ小娘、ならば我の名を教えてやろう。我は酒呑童子、好きに呼ぶことを許そう」
「僕は、四神瑠璃。呑兵衛さんはなんで家に来たのさ」
「呑兵衛とは、これはまた愉快。瑠璃の事が気に入った、どうじゃ一緒に京に行かぬか?」
「人の話聞いてる?会話できない存在と話す気ないんだけど」
「まっこと愉快。我が此処に来たのは、玉藻が瑠璃の事を話して居ったからよ」
ぼくはつかつかとたまちゃんに近寄り、全力の蹴りを放つ。
ぴゃんとかふざけた声を出すたまちゃん。
「る、瑠璃怒っておるのじゃ?けるのは酷いのじゃ」
「こんな面倒な存在連れてきて怒らないわけがないでしょ、さっさと京都に返してきて」
「そ、それがの、明日戦場にでるのでまだ返せないのじゃ」
「まさか、今日家に泊まるとか言わないよね。たまちゃん何も考えずに許したりしてないよね?」
「あ、えーっと、それは、あれなのじゃ」
たまちゃんと呑兵衛をぐーっと玄関から押し出そうとするが、びくともしない。
ぐぬぬ
「そう我を嫌うな、面白い話でもしてやる故な」
「ふん」
「機嫌を直せ瑠璃。そうよな、玉藻と連れ合いの話などでどうだ、玉藻は己から喋ることは無いゆえな」
「なんだ、お客さんかいっらっしゃい。お茶を入れるから居間で待っててくださいね」
「瑠璃!罠じゃこれは罠なのじゃ、鬼を家に招き入れてはいかんのじゃ」
「じゃあたまちゃんはホテルでも今からとってね」
「なぜわらわが、追い出されるのじゃ!理不尽なのじゃ!」
「いや、たまちゃんも鬼じゃんか」
「わらわと瑠璃の中ではないか、友人を家に招くのは当然なのじゃ」
「招くのは良いけど、押しかけてくるのはどうかと思うね。明らかに面倒な人も連れてくるしさ」
「それは、すまんかったのじゃ」
「愉快愉快、玉藻が素直に謝っておるでわないか。うむうむこれをやろう、京でこれを見せれば大抵は何とかなるぞ」
「え、僕いらないよ。そんな風に頼るのは良くないと思うし」
「まっこと面白き人の子よ、ぜひ受け取っておくれ。これは良き出会いを出来たことへの礼と思え」
何かにつけて尊大な呑兵衛にお守りを貰った、酒呑童子のご免状だって。
朝から飲みながら、たまちゃんの話をしだしたので聞いてたんだけど。
喋りが結構うまくて驚いたよ。
まぁあんな気配をぶつけられたのが癪だったので、最終兵器をぶつけることにした。
いけ、国森!君に決めた!
大丈夫かなって思ったけど、お酒に関しては国森さんは天下無双だった。
酒呑童子と玉藻の前の二人を酒で潰した。
ケロッとした感じで今も飲んでるし・・・
国森さんどうなってるの?
酒呑童子
見た目は20代の超絶イケメン
京都を起点に生活しているが、ふらっと各地に出向いている。
玉藻とは逆のスタイル、気に入った女性がいると京に連れ帰ろうとするが無理強いはしない。
京都の若い男たちからは兄貴と慕われてる。
戦闘スタイルは魔術重視、肉弾戦も超絶強いが必死に手足を動かすのが美学に反する




