ずばずばうごくこどもたち
2話分だったんですが、まとめてみました。
ですので今回長めです。
悲しい事件が起こってしまったけれど、大人たちも驚くことをやったらしい。
お風呂から帰ってきたきらりちゃんにも話したら驚いてた。
「えー僕そんな変なことした?」
「スカートで空中に駆け上がるとか割と変なことをしたな」
「お父さんきらい」
崩れ落ちるお父さんを無視して話を進める。
「防御魔法とか結界って見えないだけで強度があるでしょ、だから足場にしただけだよ?」
「だからの部分が問題なんですけどね、聖者の伝説を再現する異端者とか笑えませんよ」
「これは運用次第では、戦況を変えることが出来るかもしれませんね」
「やったーカイル様に褒められたー」
僕は無邪気に喜ぶけど、今まで部屋の隅で大人しくしてた国森さんが僕の肩をつかんで揺らしてきた
「瑠璃ちゃんどうやったの、教えてどうやったの。ねぇ教えて、瑠璃ちゃんと私のなかでしょう、欧州の人に教える前に日本国民として私に言うべきでしょう。ねぇねぇ教えてよ、おしえてください」
「とりあえず放してよぉ」
「ほら、放した。だから教えて!報酬出すから!」
「えぇ必死すぎる。簡単だよ、一歩先の足場の方向性をイメージしておいて足をつく瞬間に魔法を展開するだけだよ」
「なるほど分かったわ!やってみるわね!!」
走り出す国森さん。
壁に激突する国森さん。
子供みたいになく国森さん。
「でぎないよぉなんでぇ」
「瑠璃が言ったことはかなり難しいわよ、雫ちゃんじゃ難しいわね」
「きらりちゃんそんなに難しいことなの?僕思いついてすぐできたよ?」
「踏み出した瞬間に魔法を展開する精度と、イメージ通りに体を動かす身体コントロール。それに状況を瞬時に処理する判断力がなければむ・り・よ」
「確かに理論が解っても、実践できる人は少ないでしょうね。」
「そんな、カイル様のおかげで思いついたんですよ。必要な場所に必要な量の防御魔法を展開する、それをまじかで見れたから閃いたんです!お母さんも結界が得意だけど、物量で押すタイプだからこの発想はなかったんです。」
「新しい知見の役に立ったのなら嬉しい限りだ、しかしこれは半端なものに教えたら狙い撃ちされて終わるだろうな」
「えへへ、そう言ってもらえると嬉しいです。あ!そういえばきらりちゃんはどうやってるの?僕のやり方で驚くってことは違うんでしょ?」
「私のはもっと簡単よ?空気中の埃だったりを足場にして蹴り飛ばしてるだけだもの」
「魔法とかじゃなく?」
「強化魔法は使ってるけど、肉体の力よ」
「きらりちゃんのがスゴイトオモウヨ」
やっぱり世界を制するのは筋肉なのかな?
「お父さん、お父さん、翡翠は才能系でいい?」
「そうだな、翡翠は才能系だな」
他の皆は僕の発想した移動方法を試してみているけど、あんまりうまくいってない。
カイル様ですら、ゆっくりと上に上るのが精一杯見たい。
でもね、翡翠ってば縦横無尽に動いてるの。
右横に飛んだと思ったら、左方向に飛び上がってたり。
空中で下向きに方向転換して、急降下したり。
途中で加速してるんだけど、あれなに?
「翡翠ちょっとこっちきてー」
声をかけると、空中から僕の胸にふんわり飛び込んできた。
天使かな?天使だよ
「どうやって加速したり、減速したりしてるの?今もふわっと僕に飛び込んできたでしょ」
「あのね、かたいのだけじゃなくてぽよんってなったりふわっとしたりさせてるんだよ。ひーすごい?」
「凄いよ、とーっても凄い」
「やったーおねえちゃんにほめられたー」
翡翠を抱きしめてくるくる回る。
キャッキャと二人ではしゃいでるけど、大人たちは気が気じゃない。
「瑠璃ちゃん、翡翠ちゃんが言ったこと解るの?解説して、抽象的過ぎてわからないの」
「はぁ?国森さん、翡翠の言ってることが理解出来ないなんてふざけてるの?馬鹿なの」
ちゃんと理解できない国森さんについ怒りをぶつけてしまう。
「おねーちゃん、め!ばかっていっちゃだめなんだよ」
「あぁん、翡翠にめってされちゃった。国森さんごめんね。」
「何時もの事だから良いわよ、それで解説してくれたりしないかしら」
「しょうがないなぁもっと理解できるように精進しておいてよね。翡翠が言ったのは防御魔法の強度の事だね、弾むような強度だったり、厚みと密度を調整したりしてたんだね」
「ぽよんと、ふわにそんな意味があるだなんて」
僕の発想をすぐ改良して使いこなすなんて、流石は翡翠だね。
カイル様も唸ってる、防御魔法も結界も普通は壊れないように固く密度の濃い物を作る。
それをあえて柔らかくすることで、あんな動きを目の前で見せられたら唸るってもんだね。
「エリス様の護衛として日本に来てよかった、今日の出会いに感謝しないといけないな」
そこまでいってもらえると嬉しいね、やったぜ。
「ねえさまみてください、エリスもできます」
おぉエリスちゃんも凄い動きしてる。
聖女ってだけじゃない、本人の才能もあるんだろうね。
ただ…
「ねぇ教皇的にあんな軌道で空中を動く聖女って有り?」
「神の御業を体現していると、神のみ使いのように空を飛んでいると解釈しましょう。ちょっと頭が痛くなってきてるので、元凶の異端者を審問してしまいそうです」
だよねぇ
エリスも僕にふわっと飛び込んできたので、抱きしめてクルクル回る。
凄いことが出来たら全力で褒めてあげないとね。
翡翠とエリス、良いライバル関係になるといいな。
3次元軌道をマスターすると、僕とくるくる出来る!って思った妹達の上達は早かった。
皆その日のうちに、出来るようになってたよ。
逆に大人たちは固定概念があって難航してた。
子供の素直さと、僕が出来るんだから自分もするっていう妹の情熱のなせる業だね。
僕ももう少し頑張るぞって、動こうとしたんだけど一歩も動けない。
なんで、やわらかい壁に包まれて動けないんだけど。
「ふふふ、遂にやったわ。突拍子もない動きをする瑠璃を傷つけることなく、捕獲する方法にたどりつくことが出来たわ。」
「え、奈央?出してよ」
「ダメよ、魔力残量を確認するまで出さないわ。憧れの人に出会えてうれしいのかもしれないけれど、空中で意識を失ったら大変でしょう」
「確かに、そうだけどさ。一声かけてくれてもいいじゃないか、僕びっくりしたんだよ」
「大丈夫よそれくらい、いつも私のが驚いているもの。偶にはいいでしょう、瑠璃が驚く側に回っても」
奈央は結構ため込んでたみたいで、動けない状況でねちねち言ってくる。
次から脊髄で動かないで、考えて動くからゆるしてよぉ
奈央に調べられること数分、この移動方法がさらに有能だってことが分かった。
他の皆がバシュバシュ動いてるのはわかるんだ、魔力量多いからね。
多少無理しても問題ない、でも僕は普通の量しかないから無茶したら空中で気絶なんてこともあり得る。
だから奈央は心配してくれたんだけど、僕の魔力ほとんど減ってなかった。
最大を100としたら、99.8くらいにはなってたけどね。
防御魔法を全力で使ってたら、あっという間に50くらいまで減ってたんだよ。
瞬間的に、必要な硬度を展開するだけだからかもしれない。
自重を支えられればいいだけだしさ。
国森さんは本格的に研究するきだし、カイル様も早速連絡をしている。
「瑠璃さん、もう少し詳しく教えてくれたら異端者から異教徒まで格下げしてあげますよ」
「教皇って何でもありなの?やっぱり怖い人じゃん」
「近年まれにみる清廉な教皇と言われております」
「まぁ僕のせいで家族に迷惑かかったらいやだから、やったことをもうちょっというと。思考領域を魔法で強化して、並列思考出来るようにして体動かすのとは別々に計算したくらいだよ?ね、難しくないし誰でもできるでしょ」
教皇が僕を指さして、お父さんを見てる。
お父さんが首を振ると、教皇が僕を残念なものを見るよう見てくる。
人を指さすとか、その目はなんだ失礼だぞ。
「翡翠さん達も同じことが出来るんですか?教えたのですか?」
「そうだよ、それがどうかした?」
教皇はガックリうなだれてる。
良く解らないけど勝ったぞ!
ふふ~んとなってたら大人が皆で僕の事を可哀想な目で見てた。
どういうことさ、ぷんすか
分類分け解説
才能系→才能を御しきっている人たち、振り回されてるわけではなく自由な発想で常時成長していく
根性系→努力を積み重ね、魔法の展開速度を早くしたりする人たち。心が折れそうになった時に一番強い
気合系→テンションで攻防が上下する人たち。守るためのものなら、守る数が多ければ強くなる。バトルジャンキーもこの枠
死線系→死にかけたり、欠損したりしてそこから帰ってきた人たち。以前とは違う戦闘方法になっていることが多くこういわれる




