おきたらいたい
どうやったら健康な肉体を新たに手に入れるんでしょうか
ん~良くねt…え、ちょっと待って体中めっちゃ痛い。下手したら前世で死んだ時よりいたいかもしれない。一瞬だったけどグチャバキィっていう前世の感覚はある。
でもどう考えたって今のが痛いんだけどぉぉ
しっかり目を開けて自分の体がどうなってるか確認する
「いったぁい、ってなにこれ体全然動かないんだけど。どういう状態なのこれって」
カスッカスの声が出る、目の動く範囲で確認してみるけど病院なのかなここ?
きょろきょろしてると、推定病室に入って来きた看護師さんと目が合う。
「あ、おはようございます?こんにちは?こんばんは?僕どうなってるの?」
「よかった目が覚めたのね。今回はちゃんと意識が覚醒しているみたいだしほんとうによかったわ」
「僕って結構寝てた感じですか?」
「そうね、搬送されてきてから偶に覚醒しながらだったけれど2週間くらい寝てたのよ」
「随分寝てたんだですね~、体中痛いし動かないんですけど」
「そのあたりの質問は、あなたの主治医の先生がしてくれるわ。退屈だと思うけど少し待っててね」
看護師さんが部屋から出ていく、主治医の先生ってどんな先生なのかなぁ
時計も見えないからなんとなくだけど数分ぐらいでバタバタと足音が聞こえてくると、勢いよく部屋の扉が開かれる。
「よかった、瑠璃起きたのね。意識はしっかりしている?体の感覚は?」
「主治医って奏さんだったの?奏さんってお医者さんだったの?」
「医師免許は持ってるけど勤めてるわけじゃないわ、基本私はきらり専属だから。それで体の調子はどうなの?」
「体の調子はとりあえずめちゃめちゃ痛い、後なんか動けないんだけど」
「痛いってことは良いことよ、感覚がつながってるってことだもの。動けないのは、動かせない位の大けがしてるから固定してるのよ」
「具体的にはどんな感じなの?」
「全部言ってたら長くなりすぎるから、ざっくりといくわね。そこらじゅうの骨が折れてて筋肉が断裂してるのよ」
「ざっくりしすぎだと僕思うよ。でもそんな状態で僕は良く生きてたね」
「医術と私の魔法に感謝なさい、何度も倒れるまで魔法を使ってあげたんだからね」
口調はとっても厳しいけど、優しい手つきで頭をなでてくれる。
会話をしてるとだんだん思考が明瞭になって来る、そっか僕は鬼と戦ってズタボロになったんだった。
「奏さん奏さん、ヒーちゃんたちに怪我はなかった?それだけが心配だったんだ」
「はぁぁぁぁぁぁこの子は。誰もケガしてなかったわ、奇跡よ奇跡こんなの。あなたが守り抜いたのよ」
「そんなおっきなため息つかなくてもいいじゃん、でもみんなに怪我が無くてよかった。頑張ったかいがあるよ」
ケラケラと笑ってると奏さんにジトーっとにらまれる。
死者0だったらいい結果だと思うんだけどなぁ
「皆を守った代償がでかすぎるわ、瑠璃がそこまで背負うものでもないでしょう。私たち大人は信用できない?」
「信用も信頼もしてるよ、でもでも今回は周りに誰もいなかったし最善だったと思うよ」
「本来はもっと落ち着いてから見せるものなんだけど、反省の意味も込めて今見せるわね」
そういって奏さんが鏡で僕がどうなってるか見せてくれる。
わぁ包帯でグルグルだ、それにやっぱり右腕は肩から無くなっちゃってるね。
「ん~これはまさに名誉の負傷だね!」
「反省もせずにめげもせずによくもまぁそんなことが言えるわね。私には言えなくてもいいけれど、お父さんとお母さんにはちゃんと感情を伝えなさい。良いわね」
ロリ可愛綺麗な奏さんに言われちゃったら仕方ない、両親にはしっかり感情をぶつけよう。
とりとめもない話をしてたら、パタパタって足音が聞こえて
「おねーっちゃーん」
「翡翠おはよう、今日も元気だね。あ、そうそう、魔力が覚醒してよかったね。おめでとう僕も嬉しいよ」
「おねえちゃんはいっつもそう、おねえちゃんのばかぁぁぁぁぁぁ」
え、なんで、ひすいにばとうされた?
うそだ、そんなばかな
世界設定
医術体系は大きく異なっていて、魔術を用いた治療が一般的。
治癒と回復魔法は分類が別。
治癒は細胞を活性化させて治す、身体の前借
回復は魔力で代替品を作って体にくっつける、回復魔法をかけてすぐに激しい動きをすると
あっさり傷が広がる。
長い目で見ると回復魔法のが良い。




