引き寄せる瑠璃と泣いたたまちゃん
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たまちゃんは瑠璃のお姉ちゃん
いや~年を取ると一年が早くなるって言うけど本当だね
あっちの大陸で元凶とドッカンドッカンやってたのがずいぶん昔に感じるよ、まぁ実際10年前なんだよね
僕も結婚して娘も生まれて幸せハッピーで暮らしてるよ
娘の奪い合いをたまちゃんと呑兵衛と奈央でしてるのだけが最近の悩みだよ
なんで鬼神と渡り合えてるのか本当に謎だ奈央はどこを目指してるんだろうね
困ったもんだよね、僕が決めるつもりはないよ娘の意志が一番大事だもん
「お姉―ちゃん、ラピスちゃんに会いに来たよー!!今日もラピスちゃんは銀河一可愛いね」
あ、もう一つ困ったことがあったんだ…琥珀も無事にシスコンになったんだよ
しょうがないね、僕の弟だし娘のラピスきゃわいいもんね
でも頭が頭痛で痛くてペインペインだよ、お母さんの苦労を知ったね
「お姉ちゃんこんぴゃーーーーーーーーーーーーーーー」
「え、なにどうしたの四方喜!」
琥珀と一緒に来た四方喜が僕を見た瞬間に、目を抑えて苦しみだしたんだけど
なじぇ?僕にはさっぱりわかんないよ?なんで琥珀は僕をそんなまたやったなって目で見てるの?やめて!最近何もしてなかったでしょ、無罪だ!
「うぅ目がおかしくなるぅ、サングラスかなにか貸してください」
「ヨモ待っててね、取って来るよ」
勝手知ったる僕の家、琥珀はサングラスを探し出して持ってきた
よりによって鈴が持ってきたグレンラ○ンのシャキーンって感じの奴もって来た
スチャッとかけた四方喜は、不思議と似合ってた
「うぅお姉ちゃんが太陽みたいで目がおかしくなりそう」
「どういうこと?」
「私って人のいろがみえるでしょ?今日のお姉ちゃんはピカーってギラギラーって輝いてるの。まぶしいよぉ」
「なぁにそれ?ん~何かあるんだろうね、ちょっと病院行ってくるからラピスのこと見ててくれる?」
「一緒に行かなくてもお姉―ちゃん大丈夫?」
「大丈夫だよ、外に出ようとするとどこからともなく奈央が来るから」
そう言って出かけようとした僕の横にはいつの間にか奈央がいた
琥珀と四方喜はホラー映画の登場人物みたいな驚き方してくれるね、反応が良くて何よりだ
僕だってちょっと怖いもん、気が付いたら奈央が横にいるの怖いもん
でも何かと便利だから頼っちゃうんだよねぇ
病院に行って検査を受けた結果、二人目が宿ってました!
めでたい!・・・・・・・・・で済ませたかったんだけどね
ちょっと僕のお腹の中にいる子がやんちゃさんみたいでね、このまま成長していくと僕の命が持たない可能性があるみたい
「いや~四方喜の太陽ッて表現あたってたんだね、鬼神並みの魔力持ってる子が宿るとは思ってなかったよ。奏さんもそう思うでしょ?」
「ふざけてないで、処置するわよ」
「あはは、奏さんこそふざけないでよ。そんなことしないよ」
「瑠璃が我慢強いって知ってるわよ、でも母体の負担が大きすぎるの。残念だけどコレは無理よ」
「もぅ奏さんってばしょうがないなぁ、自分が僕と同じ立場になったら産むでしょ?」
「それは・・・そうだけど」
「大丈夫だよ困った時に相談できる人はいるから」
家族にちゃんと報告すれば助けてくれもん、きっと何とかなるよ
「なんで瑠璃はそんなに自信があるのよ、はっきり言って母子ともに最悪の結果になる確率が一番高いのよ」
「奏さん忘れちゃったの?僕ってば何かあってもしぶとく生き残ってきたんだよ、ちょっとまた何か失うかもしれないけど何とかなるって」
そこからはかなり厳しい生活だったよ、四神のお祖父ちゃんには魔力を外に放出する魔道具作ってもらったし、皇のお祖父ちゃんには符術で抑え込んでくれたりしてもらった
お父さんと旦那さんは、二人そろって慌てておろおろして役に立たなかったよ。知ってた
お母さんと翡翠にはすっごい甘やかされた、辛いの忘れる位に甘やかされた。社会復帰できないね
「なお」はそれはもう献身的に、怖いくらい献身的尽くしてくれた。「なお」が幸せそうだったので僕は大丈夫!
そんなこんなで色々あったけど赤ちゃんは無事生まれたよ、僕は内臓をちょっともってかれたけど普通に生活できるよ
月に一回病院で検査受ければ平気平気、日帰りだし軽傷で済んだよね
名前は何にしようか悩んだんだ、太陽みたいな子だからてつをにしようか悩んだ
まぁちゃんと別の名前にしたんだけどね、ただ可愛いカッコいい宝石を僕が思いつけなかったよ…
だから瑠衣って名前にしたんだ、お母さんは信玄とか景虎とか毘沙門天とか言ってたのでお引き取り願ったよ
かぁぃぃ男の子だよぉ、すくすくそだってくれて僕は幸せなんだけどね
そんなこんなで家族が増えて、ラピスが最初弟の事を嫌ってたりとか色々あったけど今ではすっかりブラコンに成長したよ
僕の育て方が悪いんだろうか?いや違う!可愛い赤ちゃんだもん当然の結果だよね?
楽しく暮らしてたんだけど、瑠衣が4歳になった時に階段から転がり落ちて頭を怪我したんだ
怪我自体は大したことなくってすぐに元気になったんだけど、様子が変なんだよ
そう、まるでアレだよ
前世の記憶を取り戻した主人公みたいな感じなんだ、急に大人びたりしててさ
だから僕はこれから瑠衣とお話するよ、母子そろってとか困っちゃうから確認しないとね
「瑠衣、お母さんとお話しよ」
「いいよー」
「瑠衣は何を思い出したのかな?」
「???」
「お母さんはね、どんな瑠衣でもだーい好きだから教えて欲しいな」
「えーっと」
「頭に衝撃を受けてから、瑠衣は瑠衣だけど変わったでしょ」
「…」
いやぁ喋ってくれたよ、本当に転生者だったよ
僕びっくり、いろんな意味でビックリしたよ
この世界の輪廻の輪での転生だったけど、あの世のこともしっかり覚えてたんだ
なんかね、天国みたいな所で宝くじ並みの抽選で現世に転生できるんだって
基本的には記憶はさっぱり綺麗になくなるはずなんだけど、意志の力でもってきたらしい
「おかあさんはきもちわるくないの?」
「もぅ瑠衣ったら何言ってるのさ、瑠衣は瑠衣でしょ細かいことは良いんだよ。完全にのっとってるならちょっと僕も悩むかもだけど、融合してる感じなんでしょ?」
「うん、ぜんせのぼくとまじってるよ」
「じゃぁ気にしないよ、細かいことは良いんだよ。僕の大切な子供だからね」
お話しした後は瑠衣ギャン泣きだった、不安だったんだね
しかし僕もやらなきゃいけないことが出来ちゃったよ
数日後たまちゃんが家に来た
「どうしたのじゃ?わらわを呼び出すなんて珍しいのじゃ」
「いや~ちょっとたまちゃんを驚かせて見ようかなって」
「わらわを驚かせるのは難しいのじゃ」
「だよね、まぁちょっとまってて。瑠衣こっちにきて」
「瑠璃の下の子も大きくなったのじゃ、久しいのじゃ」
「ほんとうにひさしいなたま」
「・・・?」
「きおくがもどってから、まりょくのしつももどったようだ。まだきがつかんか?」
「・・・いくら瑠璃でも怒るのじゃ、こんな、こんなことがおこるわけないのじゃ」
「おかあさんにおこるのはやめておくれ、いまのわれはるいとしてかぞくをあいしている」
「随分かわいい姿になったのじゃ、体が変わってもわかるのじゃ。わらわ随分待ったのじゃ待たせ過ぎなのじゃ」
「すまぬ・・・」
いやぁ良いもん見れたね
子どもに縋り付いて泣く鬼神なんて滅多にどころか普通見れないもん
「瑠璃!いや母上!」
「は、母上!?」
「当然なのじゃ!わらわと瑠衣が結婚したら瑠璃は母上なのじゃ!」
「あっはっは、たまちゃん面白いこと言うね。言っておくけどたまちゃんとの結婚は既定路線じゃないからね」
「はぇ?」
また良い物が見れた、鬼神の呆けた顔が見れたよ
「瑠衣として生きて出会った人で、たまちゃんより素敵な女性がいるかもしれないでしょ」
「瑠璃はひどいのじゃー鬼!悪魔!ぺったんこーーー!!!」
「おうこらたまちゃん喧嘩するか、そっちが売ってきたんだからね」
慌てる瑠衣を視界にいれながら、たまちゃんとじゃれ合う
でも本当にこの後どうなるかは瑠衣次第だからね、恨まないでよたまちゃん
あやつさんが瑠璃に宿ったのは偶然じゃないですよ、皆から魔力を貰う中でたまちゃんの魔力に惹かれたんです
必然と言えば必然ですよ
あ、次回最終回です




