びくっとしてわん
GWで心と体をすり減らしてストックもすり減らしました。
結論から言うとお父さんは馬鹿だと確信したね。
「よーし段階を分けて殺気を飛ばしていくからな~まずは一段階目だ」
そんなことを言いながらお風呂場にいる僕達に殺気を飛ばしてくるお父さん。
可愛い娘に気軽に殺気を飛ばすってどうかと思うよ?
今はビクッとする程度でまだまだ大丈夫かな、お化け屋敷に行った時の何が出てくるかわからない怖さに似てる。
「よし、次は2段階目だぞ。ちょっと辛くなってくるから心を強く持っておけ」
うぅなんかお父さんからかかる圧力が増えてる。体が勝手に後ろに下がろうとする、前世で轢かれたときに似てる感覚だ。
僕も奈央も、まだ大丈夫っぽい。
「次は3段階目だな。これくらいの殺気を弱い鬼は飛ばしてくるぞ」
なにこれなにこれ、体が勝手に震える。震えるのに今度は体が動かせない、後ろに下がりたいのにその場から少しも動けない。本能が怖いって言ってる。
「お、大丈夫そうだな。次は4段階目だ、強めの鬼が放ってくるレベルだな」
まって、大丈夫じゃないって。ちょっと一瞬とまttやだやだやだ、怖い、怖いのに目が離せない。
目を離したら死ぬってわかる。
隣から泣き声が聞こえる。大きな声で泣くんじゃなくて、うぅぐすって感じの押さえつける感じの泣き方だ。奈央、巻き込んじゃってごめんね。ここまで本気で来るとは思ってなかったんだ。
動かない体を無理やり動かして、奈央を抱きしめる。人の体温ってこんなに低かったっけって思うような冷え方をしてる。
「お~これで動けるとは瑠璃はまだまだ余裕そうだな、次は5段階目だこれは名持の鬼が放ってくる殺気のレベルだぞ」
「旦那様お待ちください、二人は限界d」
息が吸えない、心臓を鷲掴みにされるような感覚。お父さんが僕の手を見ると、その手がもぎ取られるようなイメージが勝手にわいてくる。今日ここで死ぬって明確に感じる、苦しい怖いでも逃げ出すことも出来ない。
お父さんが一歩進む。
それだけのことが怖くて苦しくてどうしようもない絶望を与えてくる。
呼吸も出来ない状態で意識がブラックアウトしそうになった瞬間
「ワン」
颯爽と僕達の前に飛び出だしてきて守ってくれたのは、田中さんだった。
田中さんが前に来てくれただけで、圧力が全然違って楽になる。
瀬場須が鎮静の魔法をかけてくれて、このためにいたんだなぁって考える余裕も出てきた。
お父さんが殺気を納めてくれたところで僕達は、田中さんに抱き着きながらボロボロ泣いた。
緊張から一気に解放されたので、二人でその…漏らしてしまいそのままお風呂に。
体を上手く動かすことが全然できなくて、香奈さんに手伝ってもらっちゃって恥ずかしさが倍増したよ。
二人でがくがくと震えながら湯船につかって、お風呂から出たらお父さんが正座してお母さんが怒ってた。
それを無視して田中さんに助けてくれてありがとってブラッシングして、流石僕達のお姉ちゃんだってモフモフさせてもらった。
田中さんマジ美人でかっこいい素敵
世界設定
この世界で外国への移動や輸送は空路一択
海路はどこもボロボロ、船何か乗って移動してたら鬼が乗り込んできて幽霊船の出来上がり。
魔道核をばらまいた結果、飛ぶ生き物がいなくなって空路が生き残った。
唯一の功績。




