なんかまえにもあったような?
お読みいただきありがとうございます。
この世界で数年ぶり3度目
ボブを雇用することになったよ
意味が解らないよ、だいたいなんで海外の二つ名持を僕が雇うの?
護衛?いや過剰戦力だと思うんだよ、だって普通に強いよ
お父さんと打ち合えてるもん、楽しそうにさ
「お母さん、なんでお父さんはボブの事受け入れたの?いつものお父さんだったら僕に近づく男に過剰反応するでしょ?」
「そうねぇ多分身の上話で4割絆されて、槍で自分と打ち合えるってところで4割かしらね」
「残り2割は?」
「お父さんに言ったみたいよ『お仕えするにあたり心配はごもっとも、ご懸念が消えないようでしたら自分のモノを切り落としましょう』って」
「ひぇっ何その覚悟…僕怖くなったんだけど」
「大丈夫よ、瑠璃の会社の人達と似たようなものじゃない。実際瑠璃の護衛としては最適なのよ、無茶についていける能力があって止めることも出来そうだし」
「教皇に異端者って言われる理由がわかったよ、狂信者生み出してたんだね…」
「何いまさら言ってるの、翡翠達がいるでしょう。あの子達は熱烈なお姉ちゃん教徒でしょ」
「そんな風に言わないでよぉ仲良し姉妹なだけだよぉ」
「妹大好き教徒とお姉ちゃん大好き教徒がかみ合って上手く行ってるだけでしょ、お母さんでも受け止めきれない位の愛情をぶつけあってるじゃない」
しょんぼりしちゃうね…っはっは~んでも僕は気が付いたね
流石僕の脳細胞、ご機嫌な発想力だよ
お母さんが僕にきつく言ってるときは、寂しいとか嫉妬しちゃってるときなんだ
仲良しに入りたいに違いない!
「僕はお母さんも大好きだよ!」
お母さんに飛びつく
「え、今は止めて」
「ふぇ!?」
僕は地面に顔からダイブした…
痛い、身も心も…
「なんでぇ」
「だって瑠璃ったら鍛錬で汗だらけで泥だらけで汚れてるんだもの、ちょっと今は無理ね」
「酷い、普通に酷いよ!スキンシップしようとしただけなのに!」
「はいはい、まずはお風呂に入りましょうね」
お風呂に連行される、確かに汚れてるからね
仕方ない、清めてからリトライだ!なんて考えてたら、お母さんも一緒に入るみたい
はは~ん、なるほどね~
さっきのは照れたんだしょ、そうでしょ
ニマニマしながらお母さんを見てたら、図星だったみたいで狼狽えてる
可愛い、流石僕のお母さん!
でもね、娘の顔に擦り傷が出来たんだよ
それはどう思ってるんだろうね…
キャッキャウフフとお風呂を楽しんでお茶飲んで落ち着いて、お父さんとボブの様子を見に行ったらまだやってた
楽しそうだね、ずっと続けてそうなので声をかける
「二人とも、そろそろお終いにしてね。ずっとやってたら体痛めるよ」
「ん?あぁそんなに時間たってたか、これくらいにしておこう」
「はい、旦那様。良い鍛錬が出来ました、ありがとうございます」
「そんなに仲良くなったんなら、お父さんが雇えばいいんじゃない?僕はまた周りから何してんだこいつって目で見られなくなるしさ」
「はっはっはそれは無理だ」
「なんでさ?」
「お父さんのお小遣いは月に5万だ、ボブを雇えるわけないだろう。自由に出来るお金は瑠璃のが持ってるんだぞ」
「えぇウソだぁお父さん稼いでるじゃん、そんなに少ないわけないよ」
「お父さんの稼ぎは生活費と貯金に消えて行ってるのさ…」
「貯金?そんなことしてたの?」
「おうとも、子供たちの将来のために貯金してるぞ。この前通帳見たらビックリする額になってたな」
「それ自分のために使ってよ、僕の分はいいからさ」
「ダメだ、コレは譲れない」
お父さんってば、自分に何かあった時とか考えてるんだろうけど、そんなお金は使う機会が来ないほうが良いに決まってるね
「瑠璃様、一つお聞きしたいのですが」
「なにボブ?」
「何故槍を使わないのですか?これほどの名手を親に持つのですから、受け継がないのはもったいないです」
「それはねぇ残念ながら僕と翡翠に才能が無かったんだよ、僕も受け継ぎたいんだけどね」
「瑠璃様ほど才気あふれる方が才能がないとは信じられませんね」
「じゃあ軽くやってみるから見て見てよ」
槍を構えて少し動いてみる
中々滑らかに動けてるんだけど、ボブも気が付いたみたいだね
「どうわかった?才能ないでしょ」
「これは確かに、旦那様の動きをマネできていますが」
「そうなんだよね~形はマネできるんだけど、中身が無いんだよね。翡翠はグーでドーンってやる方が性に合ってて、武器使わないだけだから槍も上手く使えるかもしれないけどね」
「お父さんは悲しい、子供に自分の技を伝授するのが夢だったのに!悲しい!!」
「はいはい、しょうがないでしょ。琥珀に期待してね、僕と翡翠はダメだったから。それとももう一人作る?」
いやね、きっと今日の夜当たりにお母さんに襲われると思うんだよ
お父さんが鍛錬してる時の楽しそうな顔をみて、お母さんときめいてたし
頑張れ、負けるな、強く生きてお父さん
晩御飯を食べた後に、急に琥珀が一人部屋を貰っていた
なんでー?ってしてる琥珀が可愛かったので僕は何も気が付けなかった
お父さんが悲壮な顔をしてたとか気が付かなかったよ
ボブの日常
朝:5時起床6時から7時半まで瀬場須家から業務を習う
昼:瑠璃が戦場に行く日は側に付く、出ない日は自由時間
夕:鍛錬からの業務の勉強
夜:皇の陰衆と情報交換をしたのちに就寝
自分の時間はほとんどないけれど幸福に過ごしている、ほんとだよ?
自分の仇を討つための義足を間接的にでも作ってくれて、生きる意味を持たせてくれてるから幸せだよ




