そつぎょう
お読みいただきありがとうございます。
これにて2部っぽい物完になります
次話から何が変わるかと言われれば、変わりませんけども
社会人になると1年があっという間なんて言うけど、それって色々な要因があると思うんだよね
自分の時間が減ったり、やらなきゃいけない事が多かったり、集中したり、家に帰って寝るだけの生活だったり
友達が少なくて灰色の学生生活してる僕の一年も早かったよ、戦場出てたりもしてたからね
神人がちょくちょく絡んでくるくらいで、名持の鬼に襲われることも無く過ぎ去ったよ
「なんか気が付いたら卒業だね」
「そうね、特に感慨深いってことも無いわね。瑠璃のせいで」
「え!?僕のせい?なんでさ」
「昔から瑠璃に付き合ってたせいで、勉強はもっと先まで進んでいるし体術や魔術に至っては学生ってことが可笑しなレベルになってるの」
「あ、うん」
「瑠璃と行動するだけの毎日だったわ」
「え、嫌だったの?」
嫌なわけないってわかってるので奈央のほっぺをつんつんした
「学生制服を着る機会がもうないって言うのは寂しいかもしれないわね」
「だね~明日からこれ着てたらコスプレだもんね」
「そういう言い方何とかならないかしら?」
「本当の事でしょ、まぁ僕と奈央はまだまだ一緒に行動するからね」
「ずっととは言ってくれないの?」
「もう何年かしたら翡翠と一緒にいることの方が増えるんじゃない?僕は足手まといになるからね」
「そういうことじゃなくって、あぁもぅいいわよ。そうね、そうでしょうね!」
あれぇ?なんか怒っちゃった、変な奈央だね
「おーい四神、明日からもよろしくな」
「甘木君、よろしくねー」
「他のクラスメイトとは、話す機会も減るんだろうな」
「戦場で見かけることはあっても、話すまではいかないだろうね」
「だよな。しかし俺たちの世代はまだいいが、来年の奴らは大変だろうな」
「どういうこと?」
「四神のおかげで全体的にハイレベルなんだとさ、学校でも色々やってたろ。アレのおかげらしいけど、来年の奴らは俺らと比較されるからな」
「神人様がいるから大丈夫でしょアイツ一人で何とでもなるよ」
「おまけ扱いじゃ納得できない奴もいるだろう」
「僕はおまけで納得できるけど、男の子の意地ってやつ?」
「そんなもんだ、鍛錬で乗り越えようって考えてくれればいいんだけどな。あと四神がおまけだったら本体はなんなんだ?」
「翡翠と琥珀が本体だよ、弟妹に渡しすぎて僕はスッカスカだからね」
「完璧な状態だったら恐ろしいな」
「それは同意するわね、駄犬と同じ意見なんて本当に嫌だけど。今以上の瑠璃には流石についていける気がしないわ」
「えーなにそれー」
「いや瀬場須は本当にすごいと思うぞ、四神って加速するスーパーボールみたいな物だからな。どこにどんなタイミングでいくかわからん」
「駄犬のくせに良い表現ね」
「せんぱーーい、卒業おめでとうございます!あれどうしたんですか複雑な顔して」
「なんか僕の事を加速するスーパーボールって良く解んない物に例えられて、何て言うべきか考えてるんだ」
「あ~上手いたとえですね」
「お前もか!」
「いやだって先輩ってグングン進んでくじゃないですか、壁にぶつかっても止まったりしないで、もっともっとって進んでくの凄いと思うんですよ」
「お~神人!まさか良い解釈できるもんだとは思わなかったよ」
「え?他にどんな解釈あるんですか?」
一緒に戦ったりしてきたせいか、割と神人が良い奴だって気が付いたよ
こいつ顔が良いくせにストイックすぎて、遊んだりしないんだよ
とっかえひっかえ好き放題できるはずなのにね、自分の力でみんなを守るって使命に燃えてるんだ
「先輩達!明日からも宜しくお願いします」
ぺこって頭下げて、去って行った
「うんうん、僕が粉砕したおかげで真面なやつになったね」
「あれはやりすぎだったと思うわよ」
「本当にな、良く立ち直れたと思うよ」
「なんか今日は二人とも僕に辛辣だね、泣くよ?僕は結構泣き虫だからね?」
「学生って対等な立場のうちに言いたいこと言っておかないとな、明日からは二つ名持様と新米兵隊って差が出来るんだ」
「私なんてそれに加えて雇用主様だもの、滅多なこと言ったら大変だわ」
「え…あの、その、僕達の関係変わっちゃうの?」
「まてまてまて!冗談だ冗談」
「そうよ、卒業してちょっとテンションが上がって揶揄っただけよ!だから泣きそうにならないで」
「ふ、二人とも…簡単に騙されるね、僕は心配だよ。女の涙は武器なんだよ?大丈夫?」
僕を揶揄った二人を指さして笑ってやった
明日からは学校って言う息抜きが無くなるから、今日はこうやってふざけあう
本格的に戦場に出ることになるんだもん
ゲームとは随分かけ離れた世界にできたけど、今後はどうなるんだろうね
壁にぶつかっても叩きつけられても
不思議な勢いで蘇る瑠璃
加速するスーパーボールは良い表現だと思う
筆者の脳内を跳ね回ってるもの




