るりのへんか
お読みいただきありがとうございます。
瑠璃はなんでこんな目に…
最近は鬼に襲われて怪我するとかは無いんだ、戦場いってかすり傷とか切り傷とかはあるけどね
不意に鬼に襲われることは無いんだよ、それが普通だと思うけどね!
ただなんか、怖いって言うか嫌なことは起きてる
奈央と遊びに行った時に、痴漢にあったよ
怖いね、声も出なくなっちゃうし体も動かなくなっちゃうんだ
好き放題触られて嫌なのに何にもできないし、震えることしかできなかったね
偶然居合わせた神人が助けてくれたんだ
助けてくれたのが神人じゃなければ恋してたかもしれないし、実際少しだけ優しく接するようになったよ
奈央は気づけなくてごめんなさいって泣きながら、痴漢を殺そうとしてたらしい
僕は何もできなかったよ、神人が必死に止めてくれたから奈央が殺人者にならなくてすんだ
警察に説明して帰ったんだけど、予定よりかなり早く帰ってきた僕達に事情を聴いたお父さんは槍担いで出かけようとしてた
何とか引き留めたけどね
連絡しないで良かったよ、僕のせいで大好きな人が犯罪者になるのは嫌だからね
後これも奈央と出かけた時だけどナンパされたよ
初めてだったからテンション上がっちゃったけど、強引に腕を引かれた時は怖かった
なんだろうね、今までは男の人が怖いとか嫌だとか思ったことなかった
でも高圧的に来られると竦んじゃうんだよ、絶対僕の方が強いのにさ
奈央が飲み物買いに行って一人だったから、どうしようってアタフタしてたら甘木君が助けてくれたよ
顔色悪いって心配かけちゃった、甘木君の弟君も心配してくれて、お姉ちゃんパワーで持ち直せたんだ
お姉ちゃんはいついかなる時も、妹弟の前ではカッコよくなきゃいけないからね
帰ってきた奈央がまた間に合わなかったって凹んでた
20秒くらいしか甘木君と差が無かったから問題ないと思うけどね
そんなことがあったので、お父さんと今お話してるんだ
「で、瑠璃はどう思うんだ」
「どう思うって言われても、怖かったとしか思えないよ」
「お父さんはな、瑠璃の無防備なところが心配なんだ」(助けた男どもの事は何とも思ってないな)
「無防備って言われてもさぁ」
「もっと危機感を持ちなさい、そういった意識で変わるはずだ。戦う意思をもって対峙すれば瑠璃ならなんとでもできただろう」
「それはそうかも」
「勝てると思って、負けないと思って何もしないのはダメだぞ。瞬間的に抑え込まれたら危ないってわかっただろう」
「うん、あんな思いはもうしたくないから気を付ける」
「女の子なんだからな、いくら瑠璃が強くっても咄嗟に動けないこともあるだろう。もっと体を大事にしろよ」
「ありがとうお父さん、心配してくれて」
「当たり前だ大事な娘だからな」
「じゃあ、大事な娘からのお願い聞いてくれる?」
「おう!お母さんに口で勝つとかじゃなければな」
「うん、無理なことは言わないよ。僕に何かあった時にすぐに槍を持ち出すのやめて欲しいんだ」
「なるほど、素手でボコボコにしたほうが良いか!槍だと一瞬だからな」
「ちぃがぁーう!制裁を加えに行かないでって言ってるの!」
「なんでだ!瑠璃に酷いことした奴らに生きる権利なんてない!」
「法律があるでしょ、僕はお父さんに犯罪者になって欲しくないの」
「なんだそんな事か、大丈夫だ安心しろ。四神と皇の家の力をちゃんと使うからもみ消せるぞ、お父さんに任せておけ」
「そうじゃないよぉ」
お父さんの説得には失敗した…
僕以外止めようとしないんだもん
当然だと思ってるんだもん
だんだんと僕の方がおかしいのかと思ってきちゃうよ
ダメだぁーってぐにゃ~っとダレてたらお客さんが来た
この前の除霊士さんだった、リベンジに来たらしい
「ざ~こを除霊できないなんて私自身が許せないので、お金払うからやらせて!」
「お金は別にいいのでどうぞ…」
多分前世の僕をざ~こって言われるのは、なんか複雑だよね
若い除霊士さんだけど、その口調どうかと思うよ
「は?なんで?いないんだけど?せぇぇぇっかく家から勝手に家宝まで持ち出したんですけど!?」
「勝手にって…いない!?」
「まるっきり気配が無いし、消えてるんだけどあのざ~こ霊なんなのよぉぉお!!!」
除霊士さんはムキーっと地団駄踏んで帰ってった、なんだったんだろうか
ってそれどころじゃない、、僕の前世がいなくなってるだってぇ
うぇぃマジ?記憶はあるよ?特に何か変化も無いよ?
「よかったわね、変なおっさんから解放されて」
「お、お母さん僕なんか変わったところとかある?」
「何よ急に?取りつかれてた影響ってこと?そうねぇ~そういえば」
「なになに?」
「瑠璃は女の子らしくなったわね」
「え、何それ反応に困るんだけど」
「変なおっさんのせいだったのかしら?瑠璃ってば粗雑なところがあったのよ、最近はそれが無くなってきてるわね。どうせだったら恋してそうなって欲しいんだけど」
「そうなの?」
「前は着る物に何も気を使ってなかったでしょ、今もまあまあ酷いけど前よりはだいぶましね。ジャージだけで過ごそうとかしてないじゃない」
「あ~そういえば最近はそうかも?」
「髪や肌の手入れも真面目にやるようになったし、痴漢にあった時も前の瑠璃だったら反射で殴りつける位はしてたと思うの」
「僕ってそんなに暴力的だったかな」
「男らしいって言うんじゃなくて、所々男みたいだったのよね。お母さんは瑠璃が可愛くなるなら文句ないわよ」
前世の僕の評価が酷いです…
僕は本当に女の子になったってこと?前から女性だと思って生きてきたけど、前世の僕が弾かれるくらい完全に女性になったってことなのかなぁ?
「おねーちゃおねーちゃ」
「なぁに琥珀」
「ぎゅー」
「抱っこしてほしいんだね」
抱っこした僕を琥珀がニッコリしながら、てしてしつついてくる
くすぐったくて笑っちゃう
「おねーちゃわらーこーうれひー」
「そっか難しい顔してるより笑ってるほうが良いよね」
「お姉ちゃん私もぎゅーってして、琥珀だけズルいよ~」
「翡翠もおいで」
仲良くぎゅーっと抱きしめる、幸せだね
「あらあら、偶にはお母さんも混ぜてもらおうかしら」
お母さんにみんなまとめて抱きしめられる
あれちょっと待って、僕の首しまってるかも
お母さん見ると、ニチャァって笑ってる
「それじゃあお洋服買いに行きましょうね、可愛いお洋服。女の子らしいお洋服を」
「お母さん謀ったな…」
僕は落とされて、車に乗せられる
買わなくていいって、まだ着てない服いっぱいあるよぉぉ
霊感
妖怪の類は大体鬼の伝承、ただし幽霊はいる
悪霊を払うのは巫女か除霊を専門にしてる人じゃないと無理
朱の巫女は物理特化なので除霊は出来ない、巫女だけど巫女じゃない
呪詛もあるよ




