たのしいしゅうがくりょこうおわり
お読みいただきありがとうございます。
ペース配分を間違える奴
はい私です
呑兵衛の家で恫喝されたりしたけど、ゆっくり休めた
我の酒が飲めんのかって言われたけど、お母さんにダメって言われてるって返したら笑われたんだ
図太いよね、人がだよ?決して僕がじゃないよ?
そして朝から会議だよ、どこ行くか会議
寺社もお腹いっぱい、アミューズメントな施設もお腹いっぱい
どうしようって、3人で悩んでたんだ
後一週間もあるんだもん、ホテルでゴロゴロするだけじゃ飽きちゃうよ
僕も皆と交流会に行けてたら良かったんだけどね
「ぬしら何をしておる?」
「どこ行こうか考え中なんだよ。関西にはめったに来れないけど、普通行けないような所に行けちゃったり泊まれちゃったりでさ」
「ふぅむ暇ならば我が一つ稽古でもしてやろうか」
「え!?手とか吹き飛ぶようなのだったらヤダよ?」
「そこまでせぬ、あの時は瑠璃の熱に中てられてしまってな。我の手の者をああも軽々と打倒されては、我もやる気になるというものだ」
そこからは、毎日鍛錬だったよ
甘木君は正室さんに回復魔法の才能があるって教わってたし、奈央は呑兵衛が魔力の精密な使い方を教わってた
僕?僕はね…
「瑠璃に教えられることは無いな」
「はぇ?どういうこと」
「魔力、体術はもう教えることが無い、体の使い方動かし方は指導する域に無い。魔力も同様故にここからは個人の才覚しだいだ」
「それってつまり?」
「瑠璃の戦闘能力は頭打ちだろう、これ以上強くなりたいのであれば後は知恵を磨くしかないな。魔力がもう少しあれば変わったが、詮無い事よ」
「そんなぁ」
「瑠璃は体を動かして、思った通りに動かせるであろう?魔力を血のように満遍なく一定に循環させているだろう?そんなことは達人と言われる者にしか出来んことだ」
「たまちゃんは呑兵衛なら教えてくれるって言ってたのにぃ」
「アレが気が付かんとは思えんが?瑠璃に事実を告げるのを恐れたか、何をしておるのだ」
「ほら、たまちゃんは優しいから」
「そんなものは優しさではない、アレが臆病なのだ。告げねばならぬことを告げぬなど怠惰極まる」
というわけで僕ってば、ゲームで言えばレベルカンストしてスキル構成考える段階だったみたい
これから僕は置いてかれるだけなんだね
まぁ何とかして追いつくけどさ
っていう決意を新たにするイベントを経て何故か、舞だったり茶道を学ばされてる
呑兵衛が凄い厳しい、何度も扇子で叩かれた
指の角度や位置をミリ単位で指摘して来るんだ、こっちはほとんど初めてやってるんだから無理だよ…
帰る日に奈央と甘木君はホクホク、僕はボロボロで下山したよ
呑兵衛に、次ぎ合った時に見るから練習しておけって言われた
集合場所で久しぶりにクラスメイトと会ったけど、僕が視界に入ると表情が固まってるね
クラス替えとかできないかな?え、無理?同級生も同じ反応してる?
今回の修学旅行って熱出して休んでた方がよかったまであるんじゃないかな
バスに乗ろうとしたら、先生に
「四神すまん、土蜘蛛のバイクに乗ってくれないか」
「え…」
「他の皆が怖がってどうしようもないんだ。こんなこと言うなんて教師失格だ、なんとでも言ってくれ」
「・・・いいです、先生が悪いわけじゃないから」
つっちーっとタンデムしながら空港まで行くことになったよ
慰めてくれるつっちー良い鬼、僕たまちゃんのファン辞めてつっちーのファンになります
空港までの道も酷かった、沿道から
女神様、またきてくださーい
何時でもお待ちしてまーす
ありがたやぁありがたやぁ
何て言いながら、大勢の人がこっちに手を振って来るんだ
胃が痛くなったよ、恥ずかしかったよ
飛行機に何とか乗って、辛く苦しく楽しかった修学旅行から家に帰る
翡翠に抱き着いて癒されて、琥珀を抱っこして癒されないと立ち直れない
そんな強い意志をもって、学校から全力で走って帰ったよ
「ただいぐっへ」
「お姉ちゃんお帰りなさい!!」
ひゃー翡翠のお出迎えだーわぁぃ、全力でお腹に突っ込んできたけど気にしない
喜んだのも束の間、僕は気づく
「ひ、翡翠どうしたの?髪の毛がパサパサしてるし、お肌もちょっと荒れちゃってるよ」
「瑠璃は大概だって知ってたんだけど、翡翠も大概だったのよ。瑠璃がいないだけでこんなに萎びるなんて思ってなかったわ」
「お母さん、年々僕に辛辣になってきてるよね」
「年々瑠璃のおかしさが増してるからじゃないかしら?」
「そ、そんなことはどうでもいいよね?今は翡翠が心配だよ、全力で抱き着いてきてるよ」
「お姉ちゃんニウムを補給してるの!」
「ほら!瑠璃のせいで翡翠が変な事言う子になっちゃったじゃないの」
「翡翠ニウムは世界を救い癒す物質だよ?お母さんニウムも同様だよ?」
お母さんはガックリと肩を落とす
なんで?
暫く僕に甘えつくした翡翠が、僕を難しい顔しながら見つめてきた
「どうしたの?」
「私は、お姉ちゃんと会えなくてしなしな~ってなっちゃったの。でもお姉ちゃんは元気なの、私に会えなくても寂しくなかったんだ。楽しく旅行してたんだ!」
わぁお理不尽!でも怒ってる顔も可愛い
「楽しくなかったって言えば噓になるけど、辛かったよ」
「なんで?お友達と旅行行ったんでしょ、私のこと忘れる位楽しかったんでしょ」
「翡翠の事を忘れる位、すっごい辛くて大変だったんだよ…」
翡翠がこてんって首を傾ける、はぁ幸せ
お母さんはま~た何かやったんでしょって目で見てくる、いやこれは睨んでるね
「僕は無実だよ!呑兵衛に悪戯されて同級生から恐れられ、何故か京都にいた上皇陛下にお願い事をされ、近衛の叔父さんに喋れないようなこと教えられたんだよ!無実だー冤罪だー」
「それは瑠璃が今までやってきたことが返っただけでしょう、考えて生きなさい」
「返す言葉もございません」
「お姉ちゃんお姉ちゃん、何お願いされたの?喋っちゃいけない事ってなぁに?」
「ごめんね、翡翠のお願いは何でも叶えてあげたいんだけどコレは無理なんだよ。お墓まで持ってかないといけない奴なんだよ」
「あぅ…私ね、お姉ちゃんはきっと楽しく旅行してるんだって思ったの。私はお姉ちゃん居なくて寂しくって嫌だったのに、お姉ちゃんずるいって思ってたの。お姉ちゃん悪い子でごめんなさい」
翡翠が泣き出しちゃった
なでなでしながら、そんなことない翡翠は良い子だよって言ってたら眠っちゃった
僕が帰ってきたら、喜んで怒って泣いて大忙しだったもんね
それだけ翡翠に愛されてるって思うと嬉しいね
「まぁなんにせよ無事に帰ってきてくれて良かったわ、瑠璃がいないと家が静かすぎちゃって困ってたの」
そういって翡翠ごと僕を抱きしめてくれる
お、お母さんツンデレなんて高度な事をいつの間に習得してたの!?
鍛錬中の会話
奈央ちょっと東側を見に行ってみない?
何言い出すの、やめておきなさい
なんでさ!
絶対何か起こるもの、何も起こらないで見て帰って来ることなんてできるわけないでしょ
瀬場須の言うとおりだやめておこうな
甘木君まで!僕を何だと思ってるのさ!!
四神が四神だから今ここにいるんだと思うぞ
瑠璃のせいで、歴史の裏側を知っちゃったの
「「修学旅行でこんなことになるなんて誰が思う?」」




