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たのしいしゅうがくりょこう7

お読みいただきありがとうございます。

筆者が可愛いと思うと贔屓する作風なので、瑠璃の可愛さが5割り増し中

6日目の朝、僕たちは途方にくれてた

どこ行こうね、あと8日あるんだよ

京都御所を観光した僕たちには、行けない所なんて京都には何処にもない

やの付く事務所だって見れると思うよ、まぁ前世よりクリーンになってるけどね

義理人情でやってるんだよね、お薬を売るようなのは半端もんしかいない世の中

だからと言って行く気はないよ、自分からイベント起こしに行く気ないもん

ホテルのロビーでうだうだとどうしようと話してたら、呑兵衛に呼び出された

要約すると、御所にまで泊っておきながらなんで来ないんだ!ってことらしい

そういえばすっかり忘れてたね、鬼神の住処って遊びに行くところじゃないと思うんだ

殺生石はホテルだからね、たまちゃんが暮らしてるわけじゃない


「ねぇつっちー、大江山ってどんなところなの?」

「山頂に兄貴の御殿が立ってて、山は自然豊かな場所でさぁ。麓の街が有りやすが、良いですかい姐さん方。ぜぇぇったいに街の東っかわにゃぁ行っちゃいけませんぜ」

「なんで?そういわれると興味あるよ」

「恋だの愛だの言ってるうちゃ行っちゃいけねぇ欲望の街だからでさぁ。姐さんたちにゃまだまだはえぇ」

「う、うんなんか行ったらいけない気がするね」

「京の都にそう言った店がねぇのは、兄貴の街に固まってるからでさぁ。兄貴配下の鬼なんかもいるんで、よっぽどの事じゃなけりゃ何でもできるんでさぁ」


前世の知識があるもんだから、リアルに想像しちゃって顔から火が出そうだよ


「西側は何があるの?」

「西側は健全な飲み屋しかねぇ。西側だったら案内してもいいかもしれねぇなぁ」

「あ、僕お酒飲んじゃダメってお母さんに言われてるからそっちも行けないね。食べ物だけとかなら大丈夫かな?」

「あ、姐さん酒ダメなんですかい?体に障りでも?」

「ん~体に障りはあるかもしれないね、ちょ~~~っとでも記憶が飛んで大変なことするらしいよ」

「そいつぁまじぃな、兄貴に呼ばれて飲まねえって訳にいかねえだろうし」

「あ、そんな感じなの?」

「酒吞の名は伊達じゃねぇんでさ」

「ほんっと迷惑なやつだね」

「はっはっは、そんなこと言えるのは姐さんだけでさぁ」


暫くすると大江山が見えてくる、すっごいね

まだ午前中なのに街の東側ピンク色の気配が吹き上がってるよ

視界に入れないようにしよう、僕が見てたら絶対何か起こるもん

西側を見てると赤ちょうちんだったり、蟹の看板が元気に動いてたり、ちょっと行ってみたくなるくらい面白そうな雰囲気だった


「ご飯だけ食べに行ってみたいね」

「そうね、面白そうね。駄犬は東側に行きなさい、そして帰ってこないで良いわよ」

「いやいや行かないが!」

「甘木君…エッチ」


なんか奈央と甘木君が気絶した


「姐さん…そうやって周囲にまき散らしちゃいけねぇよ、この二人が可哀そうだ」


つっちーも良く解らないこと言うしなんなんだろう?

暫く西側の街を眺めてたら、山道に入っていくみたい

車の運転手さんも頂上には始めていくみたいで、緊張して青い顔してる


「大丈夫ですか?僕達ここから歩きますよ?」

「こっちの人間を救ってくれた女神様を歩かせたりしたら、戻ってから殺されます。ちゃんとお送りしますので、ご安心ください」


プロ意識が凄いね、だけど女神様は止めて欲しい

これ帰る時、空港に凄い人来たりしないよね?

たまちゃんの所だと帰り凄いことになるけど、大丈夫だよね?


「姐さん黄昏てる所悪いが、着きやしたぜ」

「あ、うんありがとつっちー。ほら起きて二人とも、油断してると何が起こるかわかんないよ」

「う、うぅ着いたの?凄い目にあったわ」

「す、すまん。破壊力が凄くて」

「何のこと言ってるの?さぁ降りるよ」


僕はね酒呑童子の家って言うから、てっきり絢爛豪華なキラキラしてるんだと思ってたの

でも実際は静かな感じの家で、一見すると質素なんだけどちゃんと見れば意匠が凄い家だった

まぁ家って言うか御殿?大きい寺社って感じだったけどね

はぇ~って見惚れてたら家主がやってきた


「よう来た、ここが我の住処ぞ。ゆるりと楽しんでいくがよい」

「うん!ありがとう呑兵衛、思ってたのの100倍良いところだね」

「瑠璃はどんな住処を想像していたのだ、いや言わんでよいろくでもないのであろう」

「そうだね、900度くらい真逆の発想してたね」

「絢爛なのも良いが、我がいるだけで世が華やぐのだこういった住処のがよかろう」

「尊大だねぇ流石酒呑童子」

「はっはっは褒めるがよい、さて先ずは茶でもだそう付いてくるがよい」


案内されながら、庭に通される

山の景色をちゃんと計算して手入れをされてる庭だね、そんなに興味なかったけどここは1日中見てられる

縁側に座るように言われたので、座って眺める

暫くすると呑兵衛が、茶器やらなにやら持ってきた


「わぁ僕こんなに本格的なの初めてだよ、作法とか良く解らないけど大丈夫?」

「気にするな、旨く入れるために我は相応に手順を踏む。されど客の瑠璃達は気楽にしておればよい、ただしもてなされているという感覚まで無くすでないぞ。そのような輩は叩き出す故な」

「うん、ありがとう」


とっても強くて尊大な鬼だとは思ってたけど、芸事、美術品、寺社の保護と全く違う方面でも凄いんだって見せつけられるね

あっれ?たまちゃんって他に何かできたっけ・・・

考えちゃダメだ、お姉ちゃんみたいで寂しがりやな鬼だもんねお姫様だししょうがない


「うむ、初めてであればこれくらいで良かろう。ほれ飲んでみよ」

「いただきます」


ほわぁぁぁとろけりゅ、僕の言語野がぁこわれりゅぅ

御所で頂いたお茶も美味しかったけど、呑兵衛の点ててくれたお茶のがおぃしぃ

ふんにゃりしちゃぅ


「ふむ、気に入ったようでなにより。しかし良い貌をするようになったものよ、出会ったときは小娘であったのにな。あの時断られたのがなおさら惜しくなったわ」

「ねぇ呑兵衛これって特別なお抹茶なの?妹にも飲ませてあげたいんだけど分けてもらえたりしない?」

「我が気に入っている物ではあるが、そのあたりで普通に買えるぞ」

「なんか特別なお抹茶とかじゃないの?」

「旨いと感じさせたのは我の技量よ、よいか瑠璃よく聞け。学び終わって3流、己の流派を開いて2流、良き物を揃え切って1流、いつ何時どのような場所や道具であっても同じことが出来て極めたと言えるのだ。我は芸事であれば極めておる故な」

「初めて本気で、心の底から鬼神が凄いんだって思えたよ!呑兵衛って凄いね!!」

「中々な暴言を吐きよるわ、今までどう思ていたか透けておるぞ。しかし東のアレと一括りとはどうも好かんな。戦えば互角やもしれぬが、他の事であれば我が間違いなく勝つぞ」

「た、たまちゃんはほら…可愛さは勝ってるからさ」

「悲しき事よ、我と同じ立場の者があれではな」

「は、ははは」

「さて、小娘とわっぱも落ち着いてきたようだ。特別に点ててやろう」

「っは、はいありがとうございます」

「俺、この修学旅行で死ぬのかな?」

「ふはははは、刺激が強すぎたようだな。あれは仕方なかろう、よう耐えた褒めて遣わす」


その後はのんびりお茶を飲んだり、庭園の説明を受けたりした

庭って言ったら、せめて庭園と呼ばぬかって怒られちゃった

晩御飯を食べに西側に行ってみたいって言ったら、呆れられた

招かれているんだから、大人しくもてなされてろだって

確かに100理ある、盲点だったよ

瑠璃の笑顔

家と外では、笑顔の質が違っていた

蕩けるような笑顔は家でしか出ていなかったが、最近は外でも出るようになってきている

見慣れてないとトゥンクってなる、当たり所が悪いと気絶する

蕩けすぎて気持ち悪い感じになることもあったが、最近は減ってきてる

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