たのしい・・・たのしい!しゅうがくりょこう4
お読みいただきありがとうございます。
鬼神に真っ向から反論する人物がいたらそれはねぇ
呑兵衛と危うく戦うことになりかけたけど、無事回避した翌日
他のクラスメイトや同級生は交流会を行ってる、僕も参加しようとしたんだけどね
皆ね、僕が会場に入ると静かになったんだ
さっきまでそれなりにワイワイガヤガヤしてたのに、シーーーーーンって誰も喋らないし動かないの
ひゅっとひっとかそんな音ばかっり聞こえたんだ…
事態に気づいた先生が走り寄ってきたんだけど、観光してきてくれって懇願された
四神がいると何もできないから頼むって言われた、来週の自由行動も本当に自由にしていいからって…
フラフラと会場を出たよ、奈央と甘木君は付いてきてくれた
ははは、僕もうダメかもしれない
「瑠璃のおかげで色んな所を見て回れるし、食べ物も何でもいいし最高ね」
「瀬場須って実は四神の事嫌いなんじゃないか?この状態の四神に向かってそんなこと言えるなんて」
「奈央はね、予想してたんだと思う。こんな風になるんだって予想して、僕に言わないで旅行の予定立ててたんだと思う」
「当たり前でしょ、駄犬が付いてきたのは完全に想定外だけれど」
「四神…お前苦労してるんだな、てっきり瀬場須が振り回される側だと思ってた」
「奈央は偶にハジケちゃうんだ、僕ストレス与えるからけど今回は普通にショックだよ」
「さぁ行くわよ!」
「お~い俺も忘れないでくれ、置いてかれたりしたらミンチにされちまう」
「あ、つっちー来たんだね宜しく」
「そんな状態で大鬼にそんな風に挨拶できる四神ってやっぱりおかしいな」
3人と1鬼で京都旅行に向かう
今日は西側のお寺を見て回るんだ、楽しいなぁ…
途中で先生から連絡が来て、ホテルも別でいいっていうか別にしてくれないかって言われたんだ…だのじいね
うわぁんもう無理、強い心を持ってるわりに泣き虫な僕はもうむりぃ
泣くもん泣いちゃうもん、いや誰でも普通に泣くでしょこんな扱いされたら
でもハイテンションな奈央は許してくれない、口に八つ橋突っ込まれて五月蠅いって言われた
ストレスたまってたんだろうね、よくよく考えたら保護者の目が届いてないもんね
でもね奈央、甘木君は香奈さんの連絡先知ってるんだよ
帰ってからどんな目に合うか知らないよ、だから優しくしてくれてもいいんだよ
「お、おい四神大丈夫か?流石に瀬場須やりすぎだぞ!いっつも学校行事に参加できない四神が、やっとほぼ初めて参加出来たらこの扱いされてるんだぞ」
あ、甘木君も優しいようで優しくないこと言うね
「姉さんみたいな別嬪さんが泣いちゃぁいけねぇよ、にっこり笑って男どもに夢見せてくれなくちゃぁな」
「つっちーーーー」
土蜘蛛は普通に良い奴だった
最強だと思ってたら、呑兵衛にメッタメタのボッコボコにされて真人間?真っ当な鬼?真鬼?何でもいいや、なんかいい奴になったらしい
つっちーのおかげで立ち直ってきた僕達は色々見て進んでたんだ、二日目は色々あったけれど楽しかった。
どこに泊まろうっかなぁって思ってたら、どうぞ泊ってくださいってお寺やホテルの人が押しかけてきた。
たまちゃんの時もそうだったけど、こっちもだいぶ迷惑してたんだね。
甘木君は遠慮してたけど、かなりいいホテルに泊まったよ。
勿論別々の部屋だよ、ぼぼぼぼくだって男子と同じ部屋で寝る勇気はないからね
三日目の朝に今日はどこに行こうかなんて話してたら、近衛の叔父さんから電話がかかってきた
「あ~瑠璃ちゃん色々やっちゃったみたいだね」
「お、叔父さんも僕を虐めるの?突然電話してきてそんなこと言うなんて」
「はっはっはそんなことするわけないだろう、恋に嫌われちゃうからね。用事があって電話したんだよ」
「用事?」
「そうそう、出来るだけ早く京都御所に来て欲しいんだ」
「きょ、きょひけん」
「あるわけないだろう、早く来るんだよ」
電話は切れた
奈央はなんとなく事態を察して逃げようとしてたけど、僕がタックル同然に抱き着いて動きを止めた
甘木君とつっちーは何してるんだって顔してる
二人もみちずれだからなぁ
予定を変更して急遽いかなきゃいけないところがあるって言って、皆で向かう
逃がすもんか、絶対逃がすもんか
状況を理解してない一人と一鬼も段々と車(どこに行っても是非お送りさせてください!って立派な車が現れる)が御所に近づくと顔色を悪くしていく
奈央は扉を蹴破って逃げようとするので、抱き着いて拘束を続行中
「やぁいらっしゃい」
まってた、待たせちゃってた…
すっごい気さくにお声かけいただいたけど、なんで御所の入り口にいらっしゃるの
「おおおおおぉ待たせしてしまい申し訳ございません上皇陛下ぁぁぁ」
流れるような動きで土下座する
「おやおや、辞めておくれ。急に呼んだのはこちらだからね」
「で、でも」
「ゆっくり話をしてみたいと思っていたんだ、お友達も是非一緒に来て欲しい」
「「はい!」」
へへへ、逃がさないで正解だった
一蓮托生だぞ、三位一体だ、三本の矢だ
当然のように二人から恨みを感じる視線が来るけど、しらないもんね
だって一人じゃ無理だもんね、精神状態も良くなかったし
「あぁ土蜘蛛は一旦別行動をしてくれるかな、君なら大丈夫だろうけれど破魔結界は辛いだろう?」
「おう、わざわざボロボロになりに行くなんて御免だ。姉さん、別んとこ行くときは連絡してくだせぇ」
「うん、ありがとー」
ひらひら手を振りながら去って行った、様になってるね
「よし、じゃあいこうか合わせたい人がいるんだ。その様子だと会いたくないかな?」
「そそんなぁ是非お会いしたいなぁって」
「これでも悪いことをしたって思ってるんだよ、でもねぇ私もそんなに自由じゃなくてね」
「そうなんですか?」
「一番偉いはずだったのに、自由に出来ることなんて何にもなくてね。譲位して少し気楽に暮らせてるくらいだよ」
「大変なんですね」
「そうなんだ、毎日秒刻みのスケジュールなんだよ。面倒だから早めに息子に渡してしまったよ」
朗らかに笑われているけど、仰る言葉が中々だね
でもそんな上皇陛下が合わせたい人って誰なんだろう?
瑠璃の世界と私達の世界の違うところ
江戸城が江戸城としてあるため、別の場所に皇居がある
京都にも京都御所があるので、微妙に街の作りが違う
京都にはとある街にしか夜のお店がない、24時間年中無休で動いてる
鬼もお店出したりして、楽しんでる




