ははにかかるすとれす
お読みいただきありがとうございます。
そりゃね、研修で戦場に出たら大鬼と戦ってくるとか
そんなもの精神的に来るってもんですよ
「あびゃびゃびゃびゃばや」
「お姉ちゃん落ち着いて、お母さんは大丈夫だよ」
「ぼぼぼくがががががしんぱぱぱぱあぱぱぱっぱぱ」
「奈央お姉ちゃん！お姉ちゃんを静かにさせて！」
「え！？私が！？」
「病院でうるさくしちゃいけないんだよ！お姉ちゃんを静かにさせて」
「あ、はい。瑠璃ごめんなさい」
「ぐぇっしま、しまってる決まってる放して、くるj…」
っは！ここは！？
僕は確か…
そう、そうだ
奇術師を倒して魔力が殆どなくなって家に帰ったんだ
お母さんが心配して何があったか聞いてきたから、喋ったんだよ
話を聞くうちにお母さんの顔色がどんどん悪くなって、お腹を押さえだしたんだ
予定日はそろそろだったけど、僕がストレスを与えちゃったからそれで急に
「おかああさぁぁぁぁぁん」
「起きてすぐなのにお姉ちゃんうるさい」
「ぴゃぁ」
翡翠にぴしゃりと言われて、僕は黙る
怒ってる、怒ってるの翡翠？
ご機嫌取ろうと色々しようとするんだけど、ツーンって顔で無視される
終わった、僕はもう終わりなんだ
お母さんにストレスを与えて、妹にも嫌われた
「ちょっとなに世界の終わりみたいな顔してるの」
「ははは奈央、僕はもうおしまいだよ」
「馬鹿なこと言ってないで、落ち着きなさい。気の浮き沈みが激しすぎるわよ」
「だってぇだってぇ」
手術室の扉が開いてお医者さんが出てきた
「母子ともに問題ありませんよ、元気な男の子です」
よかったぁ本当に良かった
泣いちゃうもんね、安心してボロボロ泣いちゃうもんね
ひぐぅうっぐって泣いてたら
「お姉ちゃん泣き虫さんになっちゃったの？」
翡翠になでなでされた、嬉しい幸せハッピー
でも涙は止まらない、僕のせいで何かあったらと思うと気が気じゃなかった
「ほら瑠璃も翡翠も、新しい家族に会いに行くぞ」
「う゛ん」
「全く、お母さんは強いんだぞ。これくらいでどうにかなるわけないだろう、何かが起きそうだとしても全力で助けて見せる」
イケメンムーブのお父さんと一緒にお母さんと赤ちゃんに会いに行く
「もぅ瑠璃の声が此処まで聞こえて恥ずかしかったのよ、おかげで産むのが大変だったわ」
「あぅごめんなさい」
「私がビックリしたせいで、この子も慌てちゃったのよ。元気な子で良かったわ」
新しい家族をそーーーっと見てみる
はい、可愛い
これは翡翠の弟で間違いない
「うっへっへ、可愛いねぇ可愛いねぇ」
「初めて会った長女がこんな姿だなんて、この子が可哀そうよ。シャンとしなさい」
「え？ひどくない？」
「酷いのは瑠璃の顔と頭よ」
「むぅ頭は酷くないもん、残念なだけだもん」
「お姉ちゃんしーっ眠ってるのに起こしちゃ可哀そうだよ」
僕は(´・ω・｀)こんな顔になったよ
今回も飛んできた皇のお祖父ちゃんお祖母ちゃん
病室に来て早々僕がそんな顔してたから、どうした瑠璃そんな顔してって言われたよ
さて、我が家では大問題の命名の時間です
「この子は政宗にしましょ」
「最近お母さんは時代劇とか歴史とか好きなのかな？却下だよ」
「良いと思うのに、それじゃあナポレオンっていうのはどう？」
「皇帝にもなり得るくらいきゃわいいけど、学校で弄られるから却下」
「じゃあ可愛い感じで、楊貴なんてどうかしら」
「それ妃だよね？可愛いとかの次元じゃないね却下」
「仕方ないわねとっておきよ、上総の介。どうかしら文句ないでしょ？」
「うん、文句しかないね却下」
「はい！お姉ちゃん」
「翡翠何かな？」
「あのねあのね、琥珀はどうかな？お姉ちゃんとヒーの弟って感じがするの！」
「うん、そうだね決定だね」
「え、なんで翡翠の案はすんなり通るの？お母さんも頑張って考えてるのよ？？筑前守ほら良いでしょうこっちのが良いわよ」
「凄い出世しそうだけど却下」
「えぇー瑠璃がイジメるわ、あなたも何か言って」
「よしよーし琥珀、お父さんだぞー」
はい、弟は琥珀に名前が決まりました
お母さんがぐちぐち言ってるけど、そこはお爺ちゃんとお祖母ちゃんに責任もって対応してもらう
育て方って影響するもん、絶対
四神琥珀
かわいいかわいい四神家3男
元気いっぱいなご様子
寝て泣いて笑って幸せに過ごしている
