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かりょくぶそくとこうかりょく

お読みいただきありがとうございます

ギミック系ボスって私は嫌いです

この世界で奇術師、マジシャンって職業の人は今はいないんだ

まるで魔法のように、種も仕掛けも無いように色々な事をする

マジックってそんな夢のあることだよね、でもね魔法がある世界だと実現できちゃうんだ

大抵の事は、はいはい魔法でしょこれで済んじゃう

だから鬼が湧いて出るようになった現代では、廃れてしまったんだ

戦争は発展を促すからね

そんな世界で奇術師なんて名前を持つ大鬼が目の前にいるよ、嫌になるね


「さぁ私がお見せするのは、見たことも無いような奇術でございます。どうか皆様お楽しみくださーい」


前世の子供の頃はよくテレビでマジック見てたんだ

ミスター〇リックとか好きだったの、手力の人

ハンドパームとかしか練習したことないけどさ

〇リックさん〇ーチューブしてるんだよ知ってた?面白いから見てたよ

種明かしとかも偶にしてくれるんだ、凄いよね

で、目の前の鬼がやってるの見たことあるんだよ

しかも下手くそ

技の精度がひっくいの

奈央はビックリしてるけどね、見たことないからさ

練習の足りてない奇術師の手品を見せられる、見たくないけど下手に動けないな


「さてお次は、こちらをお見せしましょう!瞬間移動です!!」


ばれないように動いてるつもりなんだろうけど、地面が振動してる

僕と奈央の後ろですこーしだけね

目の前にいるのは張りぼての体で、地中を掘り進んでるんだと思う

試してみるかな?


「振動破砕起動!でいやぁー!!」


地面に拳を叩きこむ

奈央は驚いてるし、周りで戦いながら気にしてくれてる部隊の人も驚いてる

地面を粒子に分解する拳が、何かにぶつかる

手応えありだ


「ぐあぁ何故、何故私の奇術が、こんな小娘に」

「奈央距離を取って!」

「ならばこの奇術はどうですか!!人体切断です」


ちょっとそれ単純に、切るだけじゃん!?

鬼の力をぶつけるだけじゃん、どこが奇術だよ!

こいつの特性はなんとなく理解した、体を自由に変化させられるんだと思う

大鬼らしく、嫌らしく、ダメージも対してないのに、激高してもないのに、大きく反応して見せたのは次の一手への布石だった

細く鋭く、体の一部を変えて僕の起こした地割れの中に潜ませてたんだろうね

ピアノ線よりも細く強靭な糸みたいなものが、僕に向かってくるのが見えた

切れ味鋭いんだろうね、僕の義手でも切っちゃうんだろう

でもね、奈央の防御魔法は切れないよ

硬く無くて、柔らかくて伸縮するゴムみたいな防御魔法はね

距離を取る時のアイコンタクトで気が付いてくれてるもん、目と目が合う瞬間なんとかかんとかってやつだね

勢いを殺されて、白日の物に晒される


「ば、馬鹿な。なぜこれがわかる、今まで誰も理解できなかったこれを!」

「ミスディレクションが下手だからかな?」

「きさまぁぁぁぁぁぁ」

「馬鹿瑠璃!何煽ってるの!!」


ひぇ怒られた

拮抗してるようにパッと見は見えるんだ、手品を幾つも見破ってるから

でもさ押されてるんだよね、先手は常に向こうでイニシアチブが取れない

火力が足りないよ、パイルバンカー打ち込む距離までは詰めれないんだ


「奈央今度はあっち」

「だから!ちゃんと言ってってば!!」


防いで、ほんの一部を削り取ってはいるけど本体には届いてない

やっぱりもう一本の腕もくれてやる覚悟しないとかな?

攻防は続くけど、じり貧だよ


「どうしよっか、決め手がないね」

「馬鹿瑠璃、私達がしなきゃいけないこと忘れたの?」

「はぇ?っと今度は下かな」


その場を飛びのきながら、僕がしなくちゃいけないことを考える

なんだっけ?鬼倒すんじゃないんだっけ?


「瑠璃、本体がどこにいるかわかるか!?」

「地面の下だと思う!」

「光輝聞いたか!引っぺがせ!!!」

「い・く・わ・よ゛」


地層事ひっくり返す勢いできらりちゃんが地面を返す

あ、やっぱりそこにいたんだね奇術師

あれは本気で驚いてるっぽいかな?まぁいきなり地面をめくられたらそうなるよね


「シィッ!!」


投擲された槍が奇術師を串刺しにする


「俺の娘に何してくれてんだゴラァ!!死ね!死ね!」

「お、お父さん落ち着いて」

「落ち着いていられるかぁ!奇術師相手によく耐えたな、怪我してないか?」

「だ、大丈夫。あ、逃げようとしてるよ!」


その瞬間、ズンって世界が重くなった

きらりちゃんの魔法だ、重力を操ってその場に奇術師を縫い付ける


「きらりぃぃ手加減するんじゃねぇぞ!!ハチの巣にしてやる奇術師のやろう!!」


お父さんが雨あられと槍を投げつける、何本持ってるんだろう…

僕が奇術師だったらこの状況ですることは一つ

修羅のような勢いで槍を投げるお父さんの後方

その地面に、振動破砕をしながらパイルバンカーを打ち込む


「なんかあるならここだよね?当たらなくても問題ないし行ってみよー!」


残りの魔力をほとんど注ぎ込んで、最大出力でぶっ放す!

あ、当たったかもしれない


「今度はそこかぁ!おらぁ喰らえ!」


お父さんが槍を突き刺す


「うそだ、うそだあぁああこの私がこんなところで、まだまだ奇術を極めなければいけないのに」

「いやいや、下手すぎて笑えるレベルだったよ?基礎からやり直すかちゃんと師匠を探したほうがよかったね」

「こむすめぇぇぇぇぇぇぇぇ」


奇術師はだんだんと粒子になって消えていく

おぉ種も仕掛けもない消失マジックを最後に見せるとはやるじゃん


「きえ゛ぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」「えぇ~い」


僕の前に二人の人物が飛び出して刀を振るう

硬質な音がして、何かが弾かれた


「社長ダメでござるよ油断しては、親父殿がいるといっても最後まで気を抜いてはダメでござる」

「そうですよぉさいごのぉさいごがぁ一番あぶないんですよぉ~」


優秀な社員が駆け付けてくれました…なんでいるの?


「馳せ参じるのが遅くなってしまい申し訳ござらぬ」

「もぅ戦場に行くなら言ってくれなきゃぁ私達はぁ社長に居なくなられたらぁ生きていけないんですよぉ」


お父さんときらりちゃんが来てくれたことで、気が抜けてたね

大鬼よりやべぇのが来ちゃったかもしれない、助けてお父さん!

あ、ちょっと目をそらさないでよ


「光輝と前を片付けて来てみたら、奇術師とやりあってるんだ驚いたぞ」

「そうよ~しかも攻撃を避けながら反撃までしてるんだもの」

「熱くなりすぎて目的を忘れるんだもの、私達は時間稼ぎが目的だったでしょう」

「ほら、見せてみなさい。打撲と切り傷があるわね、下がって治すわよ。魔力も残り少ないんだから」

「は~い」


皆にぶつぶつ小言を言われながら後方に下がる

周囲の部隊の人から


「嬢ちゃん良くやってくれた!俺達だけじゃ支えきれなかったぜ」

「あんたたちが居なけりゃここは躯が大量に出来てたよ、あたしらが戻るまでに何食べたいか考えときな」


何て祝福してくれる

時間稼ぎしかしてないんだけどね、まぁいいか


「なぁ瑠璃、どうやって奇術師の攻撃を見破ったんだ?」

「だって見えたんだもん」

「そ・れ・が、難しいのよ。今までだって何度も辛酸をなめてきた相手よ」

「えぇ?誘導が下手で次にどう動くかわかりやすいじゃん」

「俺たちは空間移動系の能力だと思ってたんだが、瑠璃はどうして違うッて思ったんだ?」

「意識を喋ってる方に向けさせようとしてたんだけど、別の所で動きがあるから移動系じゃなくて身体変化かなぁって」

「最後に地面の下に潜んでるのも、ちゃんと見てたからわかったの?」

「あれは予想しただけだよ、上空からの攻撃なかったんだよね。地面の動きも殆どないのに、僕たちの後ろから攻撃飛んできたりしたからさ、最初の方で結構深く潜ったのかなって」

「流石社長でござるな!」「ですねぇ流石社長ですぅ」

「僕は下がるから、二人は抜けてきた鬼切っておいてね。途中で襲われたくないから」

「むむむ、確かにそうでござるな!」「ふふふぅバサバッサと切って捨ててきますねぇ」


よし!やった社員を引きはがすことに成功したぞ!

ニヤリとわらってたらきらりちゃんがいきなり何もない空間を殴りつけた


「姿を見せず失礼いたしました、社長の団欒を裏から守護しようとしておりました」

「あら、くノ一じゃない珍しいわね。で・も・次は本気でいくから最初に言うのよ、私が動かなければ槍で風穴あけられてたわよ」

「隠形に自信があったのですが、無礼を働き申し訳ございません。今後二度と同じ事は致しませんのでご容赦を」


秘書まで来てたかぁ


「お、おいあっちで有明の女王が暴れてるらしいぞ!余波に気を付けrうわぁあああああ」


あ、戦闘要員総出でしたか。

我が社は今日も荒唐無稽なようで何よりだ


「ねえねえ瑠璃」

「奏さんなぁに?」

「見破れたってことは出来たりするの?奇術師のやってたことできたりするの?」

「ん~頑張ればできると思うよ、もちろん攻撃じゃないほうは」

「暇な時でいいから見せてくれないかしら、ああいうわけわかんないの好きなのよ」

「練習する時間とかくれるんならやっても良いよ~」


子供みたいに喜ぶ奏さん、ロリっ子お姉さんの無邪気な姿って癒し効果があるんだね





後日なんちゃって手品を見せたらキラキラした目で僕を見てた

妹達も、お母さんもみ~んな

誘導の技術レベルが低いけど大人は引っかかるね

翡翠達は純粋に見ちゃうから直ぐばれちゃう

そっか奇術師は子供だったら倒しやすいんだね、ミスディレクション効かないもん

倒せる度胸と火力を持った子が極極僅かって大問題があるけど

社員達にも見せたんだけどね、変な盛り上がり方してたの


「戦った相手の技を盗むとは流石でござる!」

「わぁ社長ってばぁまた強くなったんですねぇ」

「忍術を収めた私もかかるだなんて、修行のやり直しをしなくては」

「る、瑠璃ちゃん私にも出来るかなぁ…?」


無天さんは何時までもそのままでいてね、本当に


大鬼:奇術師

コメディーしながら倒せたが、本来は強敵

空間移動系魔法を使うという認識を人間に広めていた

実際は土竜のように地下に隠れて、体の一部を出したり消したりして惑わせる

手品の腕は四流、でもこの世界では他に居ないので一流

最初に食べたのが、ちょっとマジックが好きな素人だったため技量がない

この差が瑠璃にクリティカルヒットして、わりと余裕を持ちながら討伐する流れに持って行けた

能力

身体変化で体を変化させての奇襲が主な攻撃方法

この世界では、他に見せる人物がいない手品を使い注意を引く

体を強靭な糸にしたり、肉体の張りぼてを作ったりと汎用性は高い

弟の肩に乗ってる兄より自由に変化できる


ゲームでは強敵として立ちふさがる

レベル差を大きくつけないと、身体変化と見破れずに嬲り殺しに会う

ショーとして見せる拘りがあるため、観客にされたキャラクターは楽しい楽しい奇術を見せられることになる

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