転生?できればしたくないです
「痛って〜、頭グワングワンするし、何だよここ」
貴方には異世界に行ってもらいます。
「え?いやいや、何言ってるんすか、僕事故にも合ってないですし、さっきまで晩酌してたんですけど」
貴方は神に選ばれたのです。斉藤隆さん貴方は生まれ変わるのです。
「え?」
貴方は生まれ変わるのです。剣と魔法のある世界に。
「あのー、言いにくいんですが…僕山本耕史です…」
え? は? え?
「斉藤さんは僕の部屋のお隣ですね」
「それじゃあ返してもらってもいいですか?」
できません…
「いや、冗談とかいいんで、神様が冗談言っちゃダメでしょ。ははは」
ごめんなさい…
「本当に返せないんですか?」
なんでこんなミスするんだろう、私よこの私、女神教習所を最短で合格した私がこんなミスするとは思わなかった…
「あのー、聞いてますか?」
うるさいわね、もともとアンタが召喚されるのが悪いのよ!アンタが召喚されたせいで私の評価に傷がつくのよ!
「あのー、一回落ち着きましょうね、ね、息を吸ってー吐いてー、吸って 吐いてー どう落ち着きましたか?」
スー ハー スー ハー
ごめんなさい、みっともないとこ見せたわね、でもこのミスで私の今年のボーナスに響いてくるから…
「それで僕はどうすれば良いんですかね?」
とりあえず召喚するしかないわ、貴方には私の世界に行ってもらいます。
「分かりたくないけど、分かりました」
それでアンタには謝罪の意味も込めてこれを渡すわ
スキル(女神との連絡手段)これでいつでも私と連絡が取れるし、こんな可愛い子といつでも話せて貴方も嬉しいでしょ。
「普通殺された相手に感謝することはないんですが…」
ま、まあ細かい事は気にしないのよ、そこをとやかく言う男は嫌われるわよ。
「それで普通ならチートとかそういう強いスキルがもらえると思うんですが?僕には何をくれるんですか?」
え?そんなものは無いけど、スキルなら貴方がこれまでやってきた事の中から一つ1番熟練度が高い事がそのまま引き継がれるわよ。
「それってもしかして料理なら料理、寝る事なら寝る事とか絶対に要らないスキルでも起こりうるって事ですか?」
ええ、言い方を変えれば貴方が1番頑張った事がそのままスキルになるわ。
「わ、わかりました」
それじゃあそろそろ行ってもらおうかしら、因みに貴方が生まれ変わるのは、死産になった子だからそうゆう事気にしなくていいからね。
それと私から連絡した時無視したら私、何するか分からないわ、出る時は3コール以内にでてね。
「重っ」
それじゃあ貴方を送るわ、まぁ楽しく生きなさい、本来なら勇者やら賢者やら使命を持って転生させるんだけど貴方は特別よ。
「ありがとうございます、それでは行ってきます」
生まれ変わったら絶対連絡するのよ、それに2時間に一回連絡してちょうだい、しないと貴方みたいに沢山の人異世界に送るから。
怖すぎだろこの女神、他人の命人質に取ってるぞ、
そう思いながら俺は体が沈むような感覚がして意識が遠のいていった。