過去の記憶【3】
「ごめん・・ね・・でもここでギルが身代わりしたら、体の小さいギルじゃあ死んじゃうわ」
「俺のことなんてどうでもいいんだよ!俺なんてセリカ達に助けられなかったら今どうなってたか分からない、助けられっぱなしなんだよ!だから頼むよセリカ・・・」
それでも俺のスキルが使えることはなかった
何分経過しただろう
俺は封印されているのにも関わらず、無謀だと知りながらもただ祈り詠唱を唱えていたら
「・・ギルこれが・・・最後の命令よ」
体の限界を感じたのか最後の力を振り絞り口を動かしていた
「何言ってんだよセリカ!」
「これから私の言う言葉を・・しっかりと聞き、そしてここから離れなさい・・・これは命令よ」
その瞬間俺の首にある奴隷の首輪が動いた
この首輪が起動したら俺は何もできなくなってしまう
いやだ、いやだ、いやだ、こんな形で別れるなんて
「・・っ!」
だが首輪はなんの不具合もなく機能し、俺は自由に動けなくなった
そして俺はセリカの最後の言葉、夢と約束を託されそして奴隷の首輪に抗えずその場を去った
意識のないまま俺は数分間歩き続けた
そして、俺の首輪がやっと機能が停止した
俺は地面に崩れ落ちた
やっと生きた意味が見つかり楽しい日々が続いていたっていうのに
なんでだよ、なんでだよぉ・・・
もういっそのことここまま魔物に襲われれば・・
その瞬間セリカの言葉が頭をよぎる
・・・ダメだ俺にはセリカとの約束と夢がある。
夢と約束はセリカ達の恩返しになるかな・・
そう思い俺は涙を拭き、魔王封印周辺から逃げようとした時、俺はひとつの疑問が出た
「なぜ俺はあの数分間襲われなかったんだ、周辺も見渡す限りでは魔物が1匹もいない・・・どうなってんだ」
その瞬間足元にある石ころに気づいた
「魔石?しかもこんなに大量に・・」
魔石。それは魔物を倒したら落ちてくる物だ。
大きさや色などが異なりそれに応じて値段が決まる
「セリカ達?じゃない、こんなに倒していなかったはずだ」
「・・考えるのはあとだ今はこのチャンスを逃さないうちに逃げよう」
そして俺は1番近い安全区域に向かった
10分後俺は1度も魔物と会うことなく、安全区域が見える所まできた
あとちょっとだ、あとちょっとで着く
そしてついに安全区域が見てた
だがそこには大量の騎士、そして大量の冒険者たちがいた
まさかあの大量の魔石はこいつらがやったのか?
まさかセリカ達がやられた事となにか関係があるのかもしれない
俺は安全区域にいる人たちの所に向かおうとした瞬間
「いたぞあいつだ」
安全区域にいる1人の冒険者が俺を指さしてきた
俺を探していたのか?やっぱりセリカ達となにか関係が・・・
その瞬間騎士、冒険者がいっせいに俺に襲いかかってきた
俺はわけも分からず捕まり、そして気絶させられた
そして目が覚めた時俺は、牢獄に入れられていた
「おいどういうことだよ、なんで俺が牢屋にいるんだ!」
俺は焦りを隠せず檻の外の見張りの人を聞いた
「なぜってお前セリカっていう人の奴隷だったんだろ?」
「そうだよ!だから俺を探していたんじゃないのか」
「わかってるならお前が牢屋にいる理由もわかるだろ
!お前らのパーティーが魔王の封印を2個も解くっていう重罪を犯したんだからな」
は?何を言っているんだ、魔王の封印を解いただと!?
「セリカ達がそんなことするわけないだろ!そもそも俺らには封印を解くスキルなんてパーティーにはいねーぞ」
「いるじゃねーかセリカって言うやつが」
セリカ?違うセリカのスキルは《封印》だ、スキルは似てはいるが封印を解くことなんてできない
「ちゃんと調べたのか!セリカのスキルの能力は王国の条約に基づいて情報を渡したはずだ、セリカは封印を解くことなんてできないんだよ!」
「そんなはったり聞くわけねーだろ、もう王国がセリカのスキルを公表してるんだよ・・・封印を解除できるってことを」
嘘だ、そんなはずがない!セリカのスキルはレアだがいない訳では無い、まさか・・王国がぐるなのか!?
そして5日後俺の死刑が始まった
俺はこの5日間王国の嘘を暴くために動いてきたが所詮死刑囚だ自由なんてなかった
セリカとの約束、夢、何もできず終わるのかよ
ごめんセリカ、俺には何もできないよ・・
そうして死刑直前となり死刑執行人が俺に問いかけた
「死刑人最後に言い残す言葉はあるか?」
そう聞かれ俺はダメ元でもセリカの疑いを晴らそうとした、その時・・・俺はある男に気づいた
セリカごめん、だけどこの男の名前だけは聞かなくちゃいけないんだ
「おい、そこの足を組んで座っているお前、お前の名前はなんだ」
俺が気づいた男とは国王の右腕、右大臣だった
「おい、死刑人無礼だぞ!」
俺の腹に死刑執行人の強烈なキックが飛んできた
「ぐあぁ!」
「まてその辺にしとけ、最後の言葉だ少し見栄をはりたかったんだろうよ」
執行人を止めたのは、俺が聞いていた男、右大臣だった
「し、しかし」
「・・・・下がれ」
「っ!了解いたしました!」
執行人が下がり少しして右大臣が話し始めた
「俺の名を聞きたいようだな、いいだろう教えてやろう・・俺の名は・・・ダスク・インファシスだ」
「死刑執行!!」
その言葉を聞いたあと俺の意識が無くなった
もし好評なら投稿頻度を頑張って増やしたいと思います
下にある★★★★★マーク、ブックマークよろしくお願いします