過去の記憶【2】
そして長い時が流れ
無制限契約をして約3年
この人たちは本当に俺を奴隷として見ていなかった
パーティーの1人の魔法使いのミーヤという人物は
スキル
《ヒール》
傷、病気、呪いなどを回復することができる。ただし深い傷、重い病気などは直せない
というスキル
それともう1人いかつい男性のダンという人物はスキル
《一刀両断》
物体、時空までもを切り裂ける
というスキルだ
ミーヤが回復ということで本当に俺の出る幕がなくなってしまっている。
この3年間俺はスキルを1回も使っていない。
いや正確には使えなかった。
パーティーのリーダーセリカのスキル
《封印》相手のスキルを一時的に封印またはスキルを解放させて強化させるすることができる。スキルの封印は相手のマナによって封印できる時間が変わる
というのもだ。
そのスキルがかかる前にいつもの癖でスキルを使おうとすると
「ちょっとギル!なんで使おうとするの!?こっちには魔法使いのミーヤがいるから大丈夫だから」
と言ってクエストが終わるまでスキルを封印されてしまう
俺のマナは少ない方だから5.6分程度封印されている
俺がやったこととすれば荷物持ちぐらいだ
最初は荷物も自分用ぐらいしか持たせてくれなかったが
何とか理由をつけてほぼ全部の荷物を持つことになっている
さすがに助けてもらったのに何もしないなんて申し訳なさすぎるからな
そんなことを思っていたら今日のクエストの所に着いた
「・・今日はついにSランクに上がれるクエスト、魔王の封印周辺の魔物討伐だよ!」
「色々ありすぎて疲れることもあったけど、ついに念願のSランクになれるんだね」
「Sランクか、夢広がるなー」
そうこのクエストをクリアすればこのパーティーの目標だったSランクに上がれるのだ
「みんな準備はいいわね! じゃあ行くわよ!」
「「おおー」」
・・・こんなにクエスト前ではしゃいだら魔物に囲まれるんじゃないか
「ちょっとギル!元気がない、ほらもっと声出て!!」
「え?・・ぉ、ぉぉー」
「よし!みんなのやる気は揃ったわね。」
そう言って魔王封印周辺まで歩いた
・・・討伐は順調に進んでいた。
セリカ、ミーヤ、ダンはかなりの実力者だ
魔王封印の周辺の魔物が強いとはいえ、それを複数体倒せるぐらいの実力がある。
このままこのクエストが終わりまた笑顔で帰れると思っていた
そう思ってたんだ・・・
そして数時間後俺は・・・全てを失った。
食料、お金、そしてここまで助けられ続け、俺を地獄から助け出してくれた人物たち
ダン、ミーヤ、セリカ、それを全て失った
俺は意味が分からなかった
なぜパーティーメンバーが死んでいるんだ
「・・なんなんだよこれは」
討伐は順調に進んでいたはずだ
・・・たった1人の人物と出会うまでは
そうして俺が絶望し立ち尽くしていると、一瞬セリカの手が動いた気がした
「セリカ!?生きてるのか!返事してくれよぉ!」
涙が出ていることすら忘れるぐらい必死で駆け寄り大声をあげた
「・・・大丈夫よ・・私はまだ・・」
それに答えてくれたのかセリカが目を開けた
だがそれは、俺でもわかるぐらいの致命傷だった
血が大量に流れいつでも死にそうなぐらいの傷だ
(なにか助けられることはできないのか)
そう思った時俺のスキルが使えるようになっていた
封印が解けた!今なら!
「任せて、今助けるから」
そう言って詠唱を初め、セリカの傷を身代わりしようとしたその時、俺のスキルが使えなくなった
「なんで、なんでよ、なんで封印するのさ!」
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