表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/40

過去の記憶【1】

(助けに来た)


その言葉に俺は、200年前救われた。人生ずっと辛かった、苦しかった、死にたかった、そんな俺を救ってくれた人に、俺は━━━━━━━━━

恩返しが…出来なかった…


時は200年前


「おら!さっさとスキル使えや!傷が痛むだろうが!」


「があぁ!」


「かわいそー」


「ふっ、思ってないだろ」


薄暗いダンジョンの中冒険者に凄まじい蹴りを入れられ笑われている少年がいた、それが俺ギルだ


俺は奴隷という家畜と同等の身分で、毎日のように冒険者は俺を1日契約しクエストに俺を連れていった


なぜ俺が毎日借りられるようなことになっているかは俺のスキルのせいだろう、俺のスキル

【身代わり】対象の傷を5割軽減させ自分に傷を与える

というスキル


このスキルのせいで俺は、冒険者に自分の傷が治りながら俺の痛んでいる姿が見えると話題になり俺は毎日貸し出されている


今日も俺は冒険者に貸し出され、抗えない奴隷の首輪を利用し遊ばれていた


何がクエストだ!もう達成したはずだろ!なんでまだダンジョンにいるんだ!


討伐目標の魔物は既に倒していた、それなのにまだ冒険者は帰ろうともせず、俺にスキルを使わせようとしていた


「あ?まだ直さねーのか?首輪使っちまうぞ?」


「ッ!!悪は悪の光は光に与えし力よ・神アポローン・俺のマナを犠牲に今力を証明せよ」


俺の詠唱が終わると冒険者の傷が俺に移った


「ぐあぁ!」


俺の体が既に悲鳴をあげていた、5割軽減されるとはいえ、それを何回もしているわけだから既にボロボロだ、もう俺のマナも無くなっていた


「あーもうマナ無くなったのか?つっかえねーなー、まーいいや楽しめたしまた借りに来るからな!」


「結局何回スキル使わしたの?」


「あー、ざっと20回ぐらいか?ポーションで無理やり、マナ回復さしたりしたからもっとかもなー」


俺のマナが無くなったことを確認した瞬間冒険者達はすぐさまダンジョンの出口に向かった


その冒険者の後ろ姿を見て思う


…もう俺は生きている理由なんてあるのか?また冒険者に貸し出され、スキルを使わされ、帰ってくる、そんな人生に意味なんてあるのか?頼むよ…もう死なせてくれ俺を…


奴隷の俺は死ぬことも許されない、首輪が反応し一人では死ねないようになっている、冒険者に頼んだところで無駄だ、俺を楽しみにしているやつが山ほどいる。それを敵に回したいやつなんて居ないだろう


…俺はこれからじゃまでしかない感情を捨て目から光を消した


ガシャン!


そう音がなり俺は、奴隷商売をしている檻に放り込まれた、今日は終わりらしい


目に光のない俺は一歩の動かず、その場に座り無になっていた


何も考えない…その方が楽だから…と


何分経ったか分からないが、暗闇の檻に座っている俺に光が差し込んだ


な、なんで、今日は終わりじゃない・の?


それは希望の光ではなく冒険者に貸し出される瞬間の光だ


また、俺は差し出されるのか…


考えてはいけないとわかっていながら考えてしまう、そんな頭の中で俺は奴隷商売が言った一言にさらに絶望した


『無制限制約』そう、こと言葉に…


無制限制約とは俺の権利が全て"冒険者の物になる"というものだ。だから俺が壊れるぐらいの扱いをされたところで守られるものが完全に無くなった…


腕がなくなっても、目が見えなくなってもそれも全て自由なんだ…


俺は本当にここで終わるんだな…


そう思っている俺を冒険者は無制限制約を結ぶ盟約を交わし俺を買い取った


そして、俺を買ったあと、銀髪ショートの女性が俺を見て、『着いてきて』、と一言だけ俺に告げ、奴隷商売をしている所から少しはなれた所まで歩く


そして冒険者パーティーのリーダーらしい人が振り返り、思いもよらないことを言い出した


「あなたこれからその身代わりスキル?使うの禁止ね」


「・・・は?」


は?どういうことだ?


そのスキルのために俺を買ったんじゃないのか?それと

も違う理由なのか?


「これからは1パーティーメンバーとして扱っていくか

らそんなスキル使ってたら平等じゃないもん」


・・は?理解が追いつかない1パーティーメンバー?


俺は奴隷だぞ何を言っている?


「ちょっとこの人困ってるよ」


「そりゃそうだろ何も言わないで仲間だからとか言われても」


俺がパニックになっていると横にいた魔法使いらしき女

性と斧を持ったいかつい男性が喋っていた


「それもそうね・・あのね実はあなたを助けに来たの。冒険者ギルドとかであなたの事色々聞いてね。

それを聞いて私いてもたってもいられずここまで買いに

来てパーティーに加えようって思ったの。

どうかな?パーティーに入ってくれる?」


・・なんだよ・それ


失いかけた感情が無理やり戻されたような気がした


俺は頭の中では理解が追いつかなくても何故か涙だけがでていた


(助けに来た)


俺はこの言葉をずっと待っていたのかもしれない。


どんなに苦しかったとしても生き続けた意味をようやく見つかった気がした。


そのせいなのかそのおかげなのかは分からないが


俺は涙を隠せなかった。

もし好評なら投稿頻度を頑張って増やしたいと思います

下にある★★★★★マーク、ブックマークよろしくお願いします

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ブクマ・ポイント評価お願いしまします! 小説家になろう 勝手にランキング
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ