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野営地

 新ダンジョンはポテプの森、その最奥に存在する。

 最初は草木が生え放題の無法地帯を想像していた。

 ところがどっこい、私達が目にしたのは立派な野営地である。

 複数のテントが設営されており、炊き出しなども行われている。

 切り倒された木々も拠点の一部として、しっかり再利用されているみたい。

 この迅速な対応からして、複数国が絡んでいるのだと改めて認識する。


 そして、人、人、人。

 ここは、どこかの観光地なのかな。

 腕自慢の冒険者や格闘家、謎の宗教団体まで多種多様な人材が集まっていた。

 赤毛の隻腕少女、ソフィアは嫌そうな顔で、


「まさか、ここにいる全員が参加するわけ?」

「周囲の音を聞き分けるだけで、結構疲弊しそうかな」

 

 続けてクリスが小さな溜息をつく。

 二人の疑問に答えるように鑑定スキルは周囲の情報を視覚化して寄こす。

 棒グラフで表現されたそれは、


『参加者と思われる者達の人数とレベルの分布です』


 100レベルの項に一人いるけど、心の眼をオフにして見ないことにした。

 人の形をしたそんな化物いるわけがない。

 私はこれから秘薬で激下げる予定なのでノーカウントである。


「次点で70レベルが6人……。ソフィア達と同じくらいね」


 正直、私驚いています。

 幼馴染二人のレベル70越えに匹敵する存在が、他にも4人集まってることに。

 ビックリだね。

 レベル以上にスキルも大事な世界だけど、本当に滅多に70越えは見ない。

 だって、70レベルより下は空いて50レベルが数十人。

 後は40レベル以下の有象無象である。

 ちなみに統計の母数は800人弱。

 参加者多すぎである。


 私の言葉を盗み聞きしていたソフィア嬢は妖艶に微笑んでいた。

 自分と同等の存在なんて滅多に合わないからね。

 オラ、ワクワクするぜ、早く始まらないかな、、、的な感じなんだろう。

 他にも悪魔のような企みでワクワクしている奴がいるけどな。

 

『早く始まらないのでしょうか。折角、騙して付けたバフが消えてしまいます』


 鑑定スキルが囁くそのバフとは経験値増加(超大)。

 経験値を通常の100倍取得できるとかいうとんでもバフである。

 普通のRPGなら、そんな倍率許容しねぇだろとかいう数値。


 鑑定スキルがどのようにして、そのバフを私に付与してきたのか。

 覚えていて欲しいのは、私の警戒網をすり抜けてバフを付与して来た事実だ。

 ちなみに私達は二日掛けて真っ直ぐ、ポテプの森を進んだだけ。

 朝昼晩で普通に食事をして、睡眠をしっかり取る。

 実に健康的な生活だ。

 この状況でどうやってバフを付与したか分かるかな?

 さてさて、シンキングタイムである。

 はい、タイムアップ。


 正解は食べ合わせである。


 ポテプの森にある超レアな木の実等は単体で食べても何の効果も生み出さない。

 ところが、この鑑定スキルがとんでもなく博識だった。

 何をどの順番に食べれば、特殊効果を生み出せるか熟知しているのだ。

 森を進む私達に対して、鑑定スキルは食材を発見すると逐一報告してくれた。

 食べるよね。

 知識として知っている珍しい食材。

 特別な効果が無いと分かっていれば、迷いなく食べるでしょ。

 手持ちの食材と森にあるレアな食材から緻密に計算された食べ合わせ。

 結果、このとんでもバフである。

 普通の雑魚モンスターすら倒せなくなった。

 極悪縛りプレイである。

 

 それにさぁ、育ち盛りの女の子なんだよ。

 何で食事にすら気をつけなきゃいけないのよ。

 勘弁してよ、もう。

 一杯食べて、ちっぱいも増やさなきゃいけないのに酷い拷問だ。


 さてさて、既に鑑定スキルに一歩先を越されてしまった私。

 恐らく、この場に隠れ潜んでいる魔物使いにだけは後れを取る訳にはいかない。

 私の見立てでは、幼馴染以外の70レベル越えの4人。

 コイツ等が怪しいと睨んでいる。

 このレベルに特殊スキルが合わされば、超高レベルの魔物も使役できるだろう。

 そう考えていた時だった。


 野営地全体に大きな声が響き渡る。

 立派な重装備を纏った騎士。

 恐らく主催国でそこそこの権威を持った御仁だと思われる。


「これよりポテプの森、新ダンジョン攻略のための選別を行う!」


 そうだよね。

 やっぱり、800人で攻略なんて効率が悪い。

 いよいよ始まるのだ。

 新ダンジョン攻略、その最初の関門が今、発表されようとしていた。


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