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給料日の憂鬱

会計を済ませて、コンビニを出ようとした瞬間、俺のズボンの右ポケットが震えた。


血の気が引いていくのを感じながら、恐る恐る、ポケットに手を伸ばす。


ポケットの中に手を忍ばせ、振動の元凶を取り出す。


「やっぱなぁ·····」


掌の中にある、魔法の小箱·····携帯型パソコン·····もといスマホを覗くと、その画面上に、恐ろしい文面が書いてあった。


~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・

:Re 音原 慎吾

:タイトル 無題

:本文

よっ!時計見たら定時だったからメールしたょ。今コンビニいるんでしょ?ちょうどいいから帰りにスーパーで肉買ってきて。すき焼きするから、···まぁ、言わなくても分かるよね?(笑)いい肉待ってる!もちろん、おごりだよね。

~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・


暫く無言無表情で画面を見ながらフリーズした後、


「アイツらァァ·····!!」


思わず口から溢れ出た愚痴。


アイツら·····今日が25日·····即ち給料日って知っててやりやがったな。

毎度の事ながら、頭に来る。


それにしてもお望みの品が、いい肉·····すき焼き用の、あの薄っっぺらい、1パック1000円程の肉を所望するあたりが、アイツらの性格のゲスさが滲み出てやがる。


全身の空気という空気を排出する様に、深く、大きな溜息をつく。


「しょうがないヤツらだなぁ···全くもう·····」


どうせ買って来なかったら来なかったで、飯を奢らされるのは目に見えてる。


俺は重い足枷を付けられた気分のまま、スーパーに入った。


精肉コーナーへと赴き、薄っぺらぁいお肉と、ウンウン言いながら睨めっこ。

結局今日だけで給料の22分の2を消費し、自分でも分かるぐらい、青ざめた表情のまま店を出た。


折角キンキンに冷えてやがったビールも、少しぬるくなり始めた頃に、玄関の前に辿り着いた。

給料の22分の2というのは、サラリーマンの平均的な月収からとってます。

約分しないのはわざとです!!(`・ω・´)キリッ

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