表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
281/285

281.教会の日常

 ◇◇◇◇◇


 少女は、教会に裏手にある孤児院にいた。

 いま彼女は、顔馴染みの孤児の子供達の昼食の用意をしている。


 彼女は冒険者となり、短くも長く感じる一月半の間で濃密な経験を得ていた。


 国境の街の孤児院で運営資金集めの出店を手伝った事。

 隣国の子猫種(ケットシー)の国へ子猫(ケットシー)の王女を送り届けた事。

 それらの過程で仲間を得て、パーティのリーダーを任された事。

 そして、その中で仲間と分かれ離れになった事。


 そのような道を歩んだ少女は現在(いま)生家(せいか)とも言える孤児院に戻っていた。

 

「ルネ姉、ゴハンなに?」

「肉、肉が食べたーい!」

「あたし、ニガイお野菜いらなーい」

「じゃあ、昨日ハツカさんと一緒に作ったハンバーグの残りを……」

「「「やっぱり、いまルネ姉が作ってくれていたものが食べたいです!」」」

「そ、そうですか? 昨日は、あんなに喜んでいたのに……」


 ルネはマジックバックから、追加の一品を取り出そうとした所で子供達に止められる。

 それは子供達なりに考えた、ルネ製(アタリ)ハツカ製(ハズレ)に対する危機管理(リスクマネージメント)

 ルネは、そんな子供達の様子を不思議に思いながらも、その成長を温かく見守る。


 昼食を終えて後片付けをしたあと、野草茶を入れて一息つく。

 そのあとは頃合いを見て、干していた洗濯物を取り込んで折りたたんでいく。


 それは、冒険者になる前までルネが過ごして来た日常風景。

 ルネは、それらが一通り終わると、間借りしている一室でポーションの作成を始める。



 ◇◇◇◇◇


 サントスに狩猟都市に送られて来てからの三日間、ルネは同じ日々を過ごしていた。


 現在、狩猟都市では多くの冒険者が、冒険者ギルドによって駆り出されている。

 それは、ルネ達が遭遇した大荒鷲(ウィングラプター)の襲撃から始まった一連の魔物の出現に起因する。


 猪頸鬼(オーグス)の襲撃から逃れたルネ達が、狩猟都市に着いたのは明け方だった。

 それ程の時間を要したのは、道中で散発的な魔物の襲撃を受けた為。

 その全てを振りれず抗戦を余儀なくされた事が、到着が遅れた負の要因。


 ただしその反面、先に到着していた馬車によって事の成り行きが伝わっていた。

 その事でルネ達は、冒険者ギルドからの先遣隊との合流が叶い、無事に帰還する。

 そして、その後は(あわただ)しい冒険者ギルドで、少々拘束される事となった。


 それは、冒険者ギルドにも猪頸鬼(オーグス)の事は古い記録にしかない状態だった事。

 また、猪頸鬼(オーグス)と時を同じくして、魔物の動きが活性化した事。

 そして、その状況を把握する事情聴取と、対応可能な冒険者の確保と緊急依頼の発行。


 ギルドの職員達はルネ達同様、昨晩から自分達の戦場で戦い続けていた。


「それでは、いくつか確認をさせていただきます」


 ルネは冒険者ギルドの一室に招き入れられ、ギルドの職員に、そう話を切り出される。


 そこで交わした内容は、簡潔な質疑応答。

 と言うか、どちらかと言うと、先の何人かが答えた回答の答え合わせのようなもの。

 かなり事務的に進められた会話が交わされ、ここでの聴取が終了する。

 それは、疲労と負傷(ダメージ)で弱ったルネを気遣ってのものだったのか。

 はたまた、疲れ果てたギルド職員の怠慢だったのか、その真相は分からない。


「確認は以上です。ご協力ありがとうございます」

「はい」

「ああ、それと、あなたは薬師でしたよね?」

「はい」

「冒険者ギルドへ納めるポーションの作成依頼をしたいのですが、よろしいですか?」

「はい、大丈夫です」

「では。あとで受付け、手続きした依頼表を回しておくので受け取って下さい」

「わかりました」


 そして話の最後に、ルネはポーションの作成依頼を受けてコウヤ達と合流する。

ここまで読んでいただき、ありがとうございます。

もう少しだけ話を続けたいと思います。


「面白かった」

「続きが気になる、読みたい!」

「この後どうなったの?」


と思ったら、下にある☆☆☆☆☆から、作品の応援をお願いします。


面白かったら☆5つ、つまらなかったら☆1つ


正直に感じた気持ちでもちろん大丈夫です!


ブックマークもいただけると本当にうれしいです。


なにとぞ、よろしくお願いいします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ