275.鷹視狼歩
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コウヤが『黒爪狼』と名付けた人狼型の新種の魔物。
それは、シロウが長らく隠していた宝玉による固有能力で変身した、もう一つの姿。
その固有能力の名称は『鷹視狼歩』
「鷹視」は鷹のような鋭い目つき。
「狼歩」は狼が獲物を探すような歩き方。
鷹にしろ狼にしろ、どちらも獲物を狩猟して、その肉を食らう頂点捕食者。
総じて、残忍で荒々しく、貪欲な人の人物像として例え。
しかし同時に、隙がない勇猛な武人の例えともなる言葉。
「後ろは任せて一気に行け」
包帯男が、最後にハツカ達に残した言葉。
それは、頑なに固有能力の使用を避けていたシロウの覚悟が残したもの。
人間の言葉が使えなくなる切り札。
それを切り札を切って仲間達を逃す為に言明した言葉であった。
本来、狼とは仲間の群れ共に獲物を狩る生き物。
そんな狼と言う単語を使ったものに一匹狼と言う言葉がある。
しかし、自然界において、その言葉に気高いとか孤高と言う意味は無い。
単身で徘徊している孤狼とは、群れ弾き出された脱落者。
群れに馴染めず、集団行動が取れない落ちこぼれ。
ゆえに、独り身で獲物を狩らざるを得い存在となった者の末路を指す。
そのような孤狼が、再び仲間を得たならどうするだろうか?
孤狼は、自らの弱さを隠し、仲間を守る事を選択する。
しかし、それが必ずしも上手くいく処世術とは限らない。
思わぬ事故で負傷し、能力に付随する自然治癒能力に頼らざるを得なくなった。
その後、再び群れと合流するも、仲間を守る為に再び能力を解放する事態と遭遇する。
孤狼の意志では、自由な解除もままならない変身能力。
その為、孤狼は仲間を人間の害意から守る為に再び距離を置く事となった。
三度目の邂逅は、まさに偶然だった。
能力の解除と共に重体の身となった時に出会った蜥蜴人。
その者の導きによって、再会と合流の機会を得る。
と同時に、そこで仲間の窮地を知り、その救助に手を貸す事となる。
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