表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

1/16

最強とは何か

 ――――誰かが言った、「最強とは何か」と。

 誰かが言った、「最強とは力だ」と、力があれば人は何でもできると。

 ならばとそいつは言った、「力とは何か」と。

 その問いに、「力とは暴力だ」と言うものがいた。

 何者でも、圧倒的暴力を持つものには対抗できないと、その者は言った。

 その回答を聞いた者がいた。

 その者は「力とは知識だ」と言った、知識を持っていれば圧倒的暴力を持つ者すら操れると。

 その者たちは、解答を探し求めた――――最強とは何か、力とは何か・・・・

 

 ――――――そして、いくつかの月日が経ったとき、その疑問は世界中の者を悩ませた。

 

 あるとき、誰かが言った――――ならば、「最強」を作る施設を作ろうと・・・・

 その言葉を聞いた者たちは、誰も否定することなく頷いたという――――


 この伝承を聞いたとき、僕は思う――――実にくだらないと。

 人生は偶然の連続だ、最強なんてものは、ただの「偶然」によって翻される。

 圧倒的暴力・・・・?殴ろうとした瞬間に、たまたま足が引っ掛かって転ぶかもしれない。

 圧倒的知識・・・・?説得させられるときに、たまたま耳が聞こえなくなるかもしれない。

 

 この回答を聞いたとき、誰かが言うだろう・・・・ならば、「偶然」が最強なのではないかと。

 でも僕は首を振る・・・・「偶然」というのは、たまたま起きる事象だからこそ「偶然」なのだと、それを操れば、それは「偶然」ではなく「必然」なのだと。

 だからこそ言う・・・・最強なんてものは「偶然」で覆るが、その「偶然」を操る者は「偶然」を操っているのではないと、だからこそ――――最強なんて、存在しないと・・・・。


 ・・・・いや、この話はもうやめよう。

 所詮は僕の持論だ、今の話は忘れてくれ。

 しかし、ここで話を終えてしまうのも、なんだかモヤモヤして後味が悪いことだろう。

 そうだな・・・・じゃあせっかくだ、こんな僕の話を聞いてほしい。

 定形文として、様式美として、ロマンチックに詩的かつドラマチックに・・・・


 ――――昔々、あるところに・・・・最強を目指す施設があった――――――


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ