剣士グラムと時空ダンジョン人物紹介
ネタバレを多く含みます。本編を未読の方は読まない方が物語を楽しめるかも知れません。
この人って誰だっけ?──という時の参考程度にどうぞ。今後も追加します。
〈グラム(グレイアム・フォン・グラハム)〉
本編の主人公。央国ノーグリスタの男爵家グラハム家の嫡男であったが、異母弟と父の奸計により、その身分を追われて野に下り冒険者となる。三百年の歴史を誇る久遠流剣術を五才の頃より学び、十七才で免許皆伝を受けた剣豪。身長は二メートルを越える巨漢で顔も恐いが、実は人付き合いが大の苦手で特に若い女性に対してはまともに会話すら出来ない重度のコミュ障である。但し、ゴーストに関してはその範疇ではない。
〈エルマ・ウォーゼン〉
グラム家の地下室を不法占拠しているゴースト。生前は世に知られた天才時空魔導士であったが、新魔法の実験中に事故に遭い死亡。以後、百年ほど一人で空き家に篭っていたが、ゴーストに頓着しないグラムが家主になった事で生活(まぁ生きてはいないのだが)が一変した。当初はグラムを追い出そうと画策していたが、今では同居を楽しんでいる。リーパード魔法大学の初代学長でもある。年齢は不明だが見た目は二十代半ば。言動がやや昭和っぽい。
〈リリーシア〉
グラムの異母妹。年はグラムと十才違いとまだ幼いが、意外に如才のない一面も持つ。本来の性格は外で遊ぶより室内で本を読む方を好む大人しめなモノであったが、王都での粛清の煽りを受け、実家が断絶。彼女自身は奴隷堕ちの刑に処されるなど過酷な境遇に晒される内に、芯の強い少女へと成長していく。大の犬好き。でも、それ以上にグラムが大好きな真性のブラコン。聖魔法の優れた使い手で、エルマによる魔改造が進行中?
〈ブランカ〉
リリーシアの飼い犬。純白の毛並みにアイスブルーの瞳を持つ仔犬。時々、妙に人間臭い行動を見せる。メス。その後はスクスクと大型犬種の成犬並みに成長し、対ゴライアス・シープイーター戦では威圧のスキルを発動させた。
〈オットー〉
グラムの実父。男爵家を守る為、本意ではなかったが息子のグラムを罠に嵌めて放逐した。しかしその後、トライド侯爵が起した軍事機密漏洩事件に加担していた罪により死罪を賜る。若い頃はかなりのイケメンだったらしい。
〈マーカス〉
グラムの異母弟。グラムとは対照的な陽キャな人物。その貴公子然とした金髪碧眼の麗しい容姿を武器に、宮廷内で情報を集め他国へ流すトライド侯爵の手伝いを積極的にしていたが、粛清により敢え無く処刑された。
〈リタ・ホールトン〉
迷宮都市アリカの冒険者ギルドに勤める、自称看板娘。十六才。当初は若手冒険者を中心にアイドル化していたが、最近はメッキが剥げてきて人気が下降中。良くも悪くも欲望に忠実で、時々KYな言動をしてしまうのが玉に瑕。お金とゴシップが大好き。
〈ラ・ルッカ〉
迷宮都市アリカの冒険者ギルドのギルドマスター。虎の獣人で元Aクラス冒険者。結婚を機に冒険者を廃業し、ギルドへ転職。冒険者の生存率を高める為の教本を作ったり、講師としても活動し、そうした功績が本部から評価されギルドマスターに任命された。外では謹厳な組織人だが、家では一回り年下の奥さんにデレデレだとの専らの噂。
〈ゲローニ・ヤツカヒロック〉
王都に本店を置き、西大陸各地に多数の支店を構える大手奴隷商、ゲローニ商会のドン。その特異な外見と煌びやかなファッションセンスから、悪徳商人のように思われ誤解されがちだか、意外と根は良い人物。多くの難民や戦災孤児を戦地から拾い上げて、安全なノーグリスタへと移住させてきた好漢。見た目はガマガエルっぽいが。
〈カエデ〉
ゲローニの懐刀兼、従業員兼、奴隷兼?。東方生まれの涼やかな切れ長の目元が麗しいクールビューティ。元Aクラス冒険者で、東方の剣術と忍術に似た魔法を使う一流の武芸者。ゲローニに命を救われ、その人柄に惚れて自ら奴隷堕ちしたとの噂もあるが真偽は不明である。
〈マローニ・ヤツカヒロック〉
奴隷商ゲローニ商会の将来を担う若旦那。父親に似て、若いが商才に長けた中々の人物。外見は父親ではなく美人で評判の母親似。良かったね。
〈早耳のキャロン〉
王都を中心に活躍する冒険者パーティ、桃色ディンボのリーダー。桃色ディンボは情報収集をメインとしていて、様々な地域と幅広い職種、年齢層にネットワークを持っている。まだ若いけれど情に厚い遣り手。
〈不敗の五人〉
アリカ・ダンジョン六十七階層踏破の記録を持つ伝説のSクラスパーティ──だったが、その記録と引き換えに五人のメンバーの内、四人が死亡。パーティは解散となった。唯一生き残った斧槍使いは冒険者を引退し、持ち帰ったジュエルゴーレムの魔宝石を売った金で海外に島を買い、悠々自適の暮らしを送っているらしい。
〈ノーラ・アッシュ〉
グラムの剣の師匠。僅か十六才で、久遠流剣術の免許皆伝の印可を授けられた天才剣士。剣を愛し、同門を敬い、礼節を欠かさぬ真の武芸者としてグラムが心から尊敬している人物であるが、昔はかなりやんちゃだったようだ。その破天荒だった人柄が一変した理由とは──。
〈レムス〉
謎の魔人。貧相な容姿の持ち主。左腕に真銀製の義手を着けている。クラーケンを操って港町ベルーカを襲わせた。
〈キリック伯爵〉
ノーグリスタの隣国、ドルバン公国の有力貴族。強力な炎の魔法の使い手。国内外の各地から高い魔法の素養の持ち主を集めているが、理由は不明。
〈エド・ガッサン〉
風光明媚な景勝地、ロンバルドに工房を構える知る人ぞ知る名刀工──だったが、今は故郷の北部へと転籍し、そちらで修行をやり直しているらしい。ドワーフの血を受けた生粋の職人で、頑固一徹な性格。何故かグラムとは筋肉で会話が出来る。
〈シルビア・フォン・グラハム〉
グラムの実母。穏やかな春の陽の光を想わせる癒し系の佳人。極々一部から以外、誰からも愛される明るく優しい人柄であったが、元々身体が強くなく、グラムが五才の頃に呆気なく流行り病で病没した。グラムにとっては理想の女神的な存在。
〈マリアベル・フォン・フランベル〉
後にオットーの第二夫人となる少女。シルビアの没後は正妻の地位に納まる。リリーシアとマーカスの母。若い頃は非常に嫉妬深い性格の上に、浅はかな行動を起すおバカちゃんだったが、輿入れ後は何故だか慎重な策士タイプへと変貌した。黒い色を極端に怖れる。
〈クリュード〉
マリアベルが金で買った奴隷魔法士。苦学して漸くリーパード魔法大学校を卒業したが、些細な事で喧嘩した挙句、市街地では使用が厳禁な攻撃魔法を使って相手に大怪我を追わせた為、その罪によって奴隷堕ちした。マリアベルを利用して返り咲きを狙うも、グラムの投げた椅子とキスして死亡。
〈アレクサンドロ・デルロック〉
三百年の歴史を持つ久遠流剣術の道場、王都倶礼志吾支部の最後の道場主。武芸者としては一流、人柄も良かったのだが経営者としてはダメダメで、病気で身体を壊してしまった事もあり道場を潰してしまった。
〈トマス・エリックス〉
迷宮都市アリカの中心部に在るフロトワ正教アリカ教会を取り仕切る司祭。温厚で誠実な人柄の持ち主で、フロトワ信者以外の人も含めて、アリカの多くの住民から慕われている。但し、あるキーワードを聞くと発狂して暴走する。
〈イーガル・ロックフォード〉
七十年前の港町ベルーカの冒険者ギルドで、副ギルマスを任されているイヌ系の獣人。主に実務方面を取り仕切っている。陣頭に立って指揮をし自らも闘う熱血漢で、魔法は使えないが戦闘力はかなり高い。実は船に滅法弱い。後にギルマスに昇進。
〈エルリカ・ヴァルトリーヌ〉
ベルーカに豪邸を構える女性魔導士。蘇生魔法を使いこなし、『聖女の再来』とも呼ばれる妖艶な美魔女であるが、大の美少年好きで女嫌いという些か困った性向を持つ。街がクラーケンに襲われた際、密かに夜逃げをするものの魔人レムスの手に掛かり殺される。