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ともだち  作者: サダキヨ
3/9

自殺

高校3年生になると、智子は殆んど学校には行かず、街をプラプラしていた。

精神的に塞ぎ込んでいた智子は、この頃にはもう既に死のうと心に決めていた。


ある日の夜、既に限界が来ていた智子は、自ら命を絶つ決意をして、香の家の裏にある裏山の木で、首を吊ろうとしていた。


智子が首に縄をかけ死のうとしたその時、突然香の声がした。

『智子ちゃん?何やってるの?こんな夜中に?』

香はびっくりしていた。

『か、香?』

智子も少し驚いていた。

『ご、ごめんね香、私、死のうと思ってるの。』

智子が泣きながら話した。

『ま、まあ、首に縄をかけてすることと言えばそれしか無いでしょうねぇ。』

香が以外に冷静だった。

『ごめんね、もうこうするしかないの、止めないで欲しいの、お願い。』

智子はわんわん泣きだした。

『いや、止めるわよ、私んちの山だもん。売るとき値が下がるじゃない!』

香は至って冷静である。

『お願い、この木で死なせて、この木で死にたいの!香と二人で良く遊んだ思い出の木なの!お願い。』

智子は大泣きしている。

『ちょっ、あんたがここで自殺したら、違う思い出が出来ちゃうじゃない。』

香は心底冷たかった。

『な、何よ香、元はと言えば香が苛められてるのを助けたときに買った恨みから、私が苛められ出したのよ!もっと優しくしてくれても良いじゃない!』

香のあまりの冷たさに智子は怒った。


『頼んでないわ。』

香が突っ返した。


『助けてなんて、誰も頼んでないわ。』

香は至極冷淡であった。


『な、何よ~。』

智子はべそを掻いている。


『まあいいわ、死にたけりゃ死になさい。ただし、私のせいにはしないでね。あんたのその、人としての弱さが原因なんだから!』

そう言って香はどしどしと山を降りていった。


智子は呆然としていた。

唯一信じていたものが壊れてしまったからだ。

しかし、逆に安心もしていた。

自分が死んだ後、一番気掛かりだった香が、実はあんなに逞しいのが分かったからだ。


香が無事に山を降りたか心配だったが、智子は1時間ほどぼっ~とした後、遂に首を吊る覚悟を決めた。


1時間ほどぼっ~としている間、智子は遠くの方に蛍が光っているのが見えていた。

どこかから(るるるる)と虫の鳴く声も聴こえていた。

山の中で一人寂しく死のうとしていた智子は、遠くに見える蛍の光が、最後の友だちのように思えていた。

まるで自分の最期を看取ってくれているようで、嬉しくなって涙が出てきた。


智子は遂に首を吊った。


首を吊って暫くすると、智子は白目をむき出し、目玉が飛び出し、涙が流れ、舌が飛び出し、鼻水と唾液をだらだら垂れ流し、失禁をして、ついにかくっと意識を失った。


(私、死んだな)


智子はそう思って、ハッと目を覚ました。


(あれ?生きてる?)


智子が目を開けると、そこには香の顔があった。


智子はびっくりした。

絶対死んだと思ったのに、まだ生きているからだ。


暫く放心状態だった智子だが、香の顔を見て、ようやく事態が見えてきた。


香が助けに戻ったのだ!


智子は急に嬉しくなり、香に抱きつこうとした。


するとそのとき、香が智子の頬を思いきりひっぱたいた。


『てめえ、死にやがったな!自分で命を捨てやがったな!』


香がまた智子の頬を思いきりひっぱたいた。


『智子!お前!生きることを、諦めやがったな!』


香はまた智子の頬をひっぱたいた。


香はぼろぼろ涙を流している。


『ちくしょう!見損なったよ!智子!』

香はわんわん泣いていた。


智子も頬が痛くて仕方がなかったが、香に申し訳なくて、一緒になってわんわん泣いた。


『香ごめんなさい。私高校でずっと苛められてたの、辛くて辛くて、でも、香には迷惑かけたくないし、ほんとにごめんなさい。』

智子はわんわん泣いていた。


『殺したな。』

香の声が急に低く冷たくなった。


『そいつら、智子を殺したなぁ。』

香はどこか遠くを見つめていた。


『絶対ゆるさない。』


香はそう呟いて、智子をぎゅっと抱きしめた。


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