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プロローグ
いまでも思う。
会った方がよかったのか、会わなかった方がよかったのか。
後悔はしたくないと思っていた。
でも、現実を顧みるとやっぱり切ない。
一方通行な想い。
最初はそれでもよかった。
でも、だんだん貪欲になっていく自分が心のどこかにはいた。
そして、だんだん醜くなっていく自分がいた。
認めたくない。見たくない。
そんな思いが自分をつき動かしたかもしれない。
きれいな自分を夢見て、自分はかわいそうな女だと自分で哀れんで。
それは自己満足の域だったかもしれない。
それでも、あいつと関わった日々をやっぱり愛しく思う自分もいた。
すべてがきれいで、儚い思い出。
片葉のようにいびつなかたちをとる思い出だけど、自分にとっては最上級の宝物。
でも、いつかその宝物が自分にとってただの葉っぱになればいいなと思う。
この想いをずっと抱えているのはつらいから。




